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1月4日の日本の昔話
なまけ者と貧乏神
懶ㄕ牯摎窮苦神
・日本語 ・中国語 ・客家語
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客家語 : 鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、あるところに、ひどくなまけ者で貧乏な男がいました。
頭擺頭擺,有一隻所在,戴一個當懶ㄕ又苦个細倈仔。
ある年の暮れの事、男が空腹をがまんしながらいろりの横で寝ていると、天井裏から何かが、
ズドン!と、落ちてきました。
有一年年尾,細倈仔肚屎當枵,強強忍等在火缽脣睡目,毋知麽个東西biang11聲對天蓬頂跌下來。
「なっ、何だ?」
「麽,麽个?」
男がびっくりして飛び起きると、落ちてきたのはつぎはぎだらけの汚い着物を着た貧相なおじいさんでした。
細倈仔著驚一下跳起來時節,跌下來个係一個著等一身衫褲爛爛款款屙屙糟糟又窮苦樣个老阿伯。
「何だ、お前は! おれの家の天井裏で、何をしていた!」
「麽个東西,你這個!在𠊎屋下天蓬頂做麽个?」
するとおじいさんは、頭をポリポリとかきながら答えました。
該個老阿伯,一片搖頭拂腦一片完身緊爪,應講:
「わしはな、この家に長い間やっかいになっている貧乏神だ。」
「𠊎係戴這間屋、受到你个照顧盡久个窮苦神。」
「貧乏神? まあ、この家なら貧乏神の一人や二人いても不思議ではないが、それが何しに降りて来た?」
「窮苦神?噯!這間屋有一抑係二個窮苦神無麽个好奇怪,你仰般會跌下來?」
「うむ、実はな。
「ng11,實在講,
お前があまりにも貧乏なので、この家には、わしの食い物が一つもない。
你嶄蠻仔苦,這屋下無半息東西好分𠊎食,
さすがのわしも、このままでは命が持たん。
就連𠊎个命嗄摎你共樣恁樣過一生人,
そこで逃げ出そうとしたのじゃが、あまりの空腹に力が入らず、うっかり落ちてしまったのじゃ」
所以想愛逃走,但係肚屎空空使毋出力來,嗄跢下來,還慘哪!」
「そうか、おれは貧乏神も逃げ出すほどの貧乏だったのか。
「恁樣係無,𠊎敢會苦到連窮苦神也想愛逃走个程度?
まあ、出て行ってくれるのなら、おれもありがたい。
出去別位也好,𠊎愛承蒙你,
せめて見送ってやりたいが、おれも腹が減って動けないんだ。
至少愛送你出門,毋過𠊎乜肚屎當枵無法度停動,
だから悪いけど、勝手に出て行ってくれ。」
反正毋好个東西你自家去好啦!」
そう言って再び寝ようとする男に、貧乏神は言いました。
窮苦神摎講啊煞又想愛睡目个懶ㄕ細倈仔講:
「まあ、寝るのはもう少し待って、わしの話を聞くんじゃ。
「he53,想愛睡再過等一下正睡,先聽𠊎講,
わしはな、貧乏神とはいえ、これでも立派な神のはしくれだ。
𠊎雖然係一個窮苦神,也做得講盡風神个神,
長年世話になったのに、礼もせんと出て行くわけにはいかん。
受你恁多年个照顧,無報答你半點錢就走過意毋得。
そこでお前に、一つ良い事を教えてやろう」
所以𠊎愛教你一樣好東西。」
「良い事?」
「好東西?」
「ああ、明日の日の出と共に、この家の前を宝物を積んだ馬が通る。
「著!天光朝晨日頭出來个時節有背等寶物个馬經過你屋面前,
一番目の馬は、金を積んどる。
第一條馬背金仔,
二番目の馬は、銀を積んどる。
第二條馬背銀仔,
三番目の馬は、銅を積んどる。
第三條馬背銅,
そのどれでもええから、馬を棒で殴ってみろ。
哪條你都做得用棍仔毆佢。
そうすればその馬の宝は、お前の物になる」
毆到該條馬个寶物就變你个了。」
「なるほど、確かにそれは良い話しだ。
「有影,確實係好空个話,
して、殴ってもいい馬は、一頭だけか?
斯做得毆一條定定係無?
三頭とも殴っては、駄目なのか?」
三條全部打做毋得係無?」
「ほっほほほ。
「呵呵呵。
なんじゃ、急に欲が出てきたか。
麽个啊!還貪心哦!
もちろん、三頭全部でも良いぞ。
當然,三條全部都做得毆,
三番目の馬だけなら、普通の暮らし。
假使單淨毆第三條馬,你做過普通个日仔。
二番目の馬も加われば、裕福な暮らし。
假使加毆第二條馬,你做過豐湧个日仔。
一番目の馬も加われば、お前は長者になれるじゃろう。
假使加毆第一條馬,你斯變做大有錢人了。
だがな、その最後に通る四番目の馬だけは、決して殴るなよ。
毋過呢,單淨最尾通過个第四條馬絕對毆毋得哦,
その馬は、わしが出て行く為の馬だからな」
因為該條馬係𠊎出去愛騎个。」
「わかった。最後のは殴らん」
「𠊎知!最尾背通過該條馬毋好毆佢。」
男はそう言うと、また寝てしまいました。
細倈仔講阿煞又睡忒了。
さて次の日、日の出と共に起きるはずの男は、いつものなまけぐせで少し寝坊をしてしまいました。
第二日朝晨,應該摎日頭同時䟘床个細倈仔,還係摎平常共樣懶ㄕ慣咧,賴睡一下。
「いけねえ! 寝過ごした!」
「壞蹄咧!睡過䢍咧!」
男があわてて家を飛び出すと、ちょうど家の前を立派な荷物を積んだ馬が通ろうとしていました。
細倈仔緊觸觸像飛樣走出去,背等當靚介包衭仔个馬堵堵要經過厥屋下面前。
「よし、間に合った。あれが金の馬だな。これでおれは、長者になれるぞ」
「好!堵堵赴得著,該條像係背金仔个馬樣,拿著該兜東西𠊎斯變大有錢人了。」
男は庭から物干し竿を持ち出すと、その馬の頭めがけて物干し竿を振り下ろしました。
佢在禾埕擎著一支曬東西个竹篙,走出去對準馬个頭那,
「えいっ!」
「ei!」
しかし物干し竿が長すぎて、途中の木の枝に引っかかってしまったのです。
因為竹篙昶長挽著路脣个樹椏仔,
その間に宝物を乗せた馬は、ゆうゆうと通り過ぎて行きました。
該量時背等寶物个馬,不慌不忙行走去。
「しまった!
「壞忒了!
金の馬を、逃がしてしまった!
背金仔个馬走到無魂無影囉!
・・・まあいい、残りの銀の馬と銅の馬を殴ってしまえば、おれは大金持ちになれるぞ。
...無相干,哪係毆著還伸著个背銀个馬摎背銅个馬,𠊎還係做得變大有錢人,
よし、次は短い棒で」
好!這下換較短个棍仔。」
男は台所からゴマをすりつぶす『すりこぎ棒』を持って来ると、二番目の馬がやって来るのを待ちました。
細倈仔斯去灶下拿擂麻仔个『擂棍』,在該等第二條馬來。
間もなく、また立派な荷物を積んだ馬が、家の前を通ろうとしました。
無幾久仔、又有一條馬,背等當靚个包衭經過屋面前。
「よし、これが銀の馬だな。今度こそ、えいっ!」
「好!這條應該係背銀仔个馬!這擺,ei!」
男はすりこぎ棒を振り上げると、馬の頭めがけて振り下ろしました。
細倈仔擎起擂棍對準馬个頭那聲毆落去。
しかしいくらなんでもすりこぎ棒では短すぎて、馬の頭には届きませんでした。
可惜擂棍昶短,仰般毆都毆毋著。
宝物を乗せた馬は、男の横をゆうゆうと通り過ぎて行きます。
背等寶物个馬在細倈仔脣頭、慢慢行過去。
「しまった! またしくじったか。今度は、もう少し長めの棒にしよう」
「壞忒咧!又失敗,這擺愛用長息仔个棍仔來試看啊仔。」
そこで男はてんびん棒を持って来て、次の馬が来るのを待ちました。
所以佢擎支擔竿在該等下一條馬。
やがて馬がやって来たのですが、この馬には荷物が積まれていません。
無幾久有一條馬來咧,毋過這條馬無背東西。
「おかしいな?
銅の馬のやつ、何も積んでいないぞ。
「奇怪呢?背銅个馬仰會麽个東西又無背。
まあいい、今度こそ馬を仕留めて、普通の暮らしを手に入れてやる」
儘採好,這條馬摎佢留下來,至少做得過普通个日仔。」
男はてんびん棒を振り上げると、馬の頭めがけて振り下ろしました。
佢擎起擔竿對準馬个頭那毆落去。
ゴチーン!
gochi~n!
てんびん棒は見事に馬の頭に命中して、馬はそのまま死んでしまいました。
好死毋死擔竿的對打到馬个頭那,馬就恁樣biang聲橫落去,死翹翹囉。
「やった! 銅の馬をしとめたぞ!」
「毆著咧!背銅个馬分𠊎打死咧。」
男が大喜びしていると、家の天井裏から貧乏神が降りて来て、がっかりしながら言いました。
細倈仔當暢个時節,屋下天蓬頂跌下來个窮苦神行出來,非常个失望講:
「ああ、なんて事を。
「啊!你做麽个?
お前は、わしが乗るはずの馬を殺してしまったな。
你摎𠊎愛騎个馬㓾死忒,還慘哦!
せっかく、よその家で暮らそうと思ったのに、これでは旅立つ事が出来ないではないか。
總講,想愛來去別家人該戴,這下出大門毋得咧。
・・・仕方がない、これからもお前の所でやっかいになるぞ」
...無法度,以後還愛戴你屋下分你照顧!」
こうして男は、それからも貧乏な暮らしを続けたと言う事です。
所以懶ㄕ細倈仔,還係繼續過等貧苦个日仔。
おしまい
煞咧
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