福娘童話集 > 日本昔話 > １月



こぶ取りじいさん
扯忒腫瘤个老阿伯

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おりがみをつくろう ( おりがみくらぶ より) あかおに・あおおににわとり

※本作品は、読者からの投稿作品です。　投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者　「琴菜 ASMR」　　琴菜 ASMR

　むかしむかし、あるところに、右のほっぺたに大きなこぶのあるおじいさんが住んでいました。
　頭擺頭擺，某一隻所在，戴一個正片析面頰發一隻腫瘤个老阿伯。

　 それはとても邪魔なこぶで、おじいさんがまきを割る度にプルルン、プルルンとふるえます。
　該係當麻煩个腫瘤，老阿伯破樵个時節腫瘤就會pururun pururun跈等停動。

　 でもこのおじいさんは、そんな事はちっとも気にしない、とてものんきなおじいさんでした。
　雖然恁仰這個老阿伯對該一息仔掛心就無，係當儘採个老阿伯。

　 そして同じ村にもう一人、左のほっペたに大きなこぶのあるおじいさんが住んでいました。
　同時，共村還有一個老阿伯，佢个左片面頰發一隻腫瘤。

　 こっちのおじいさんは邪魔なこぶが気になってか、いつもイライラと怒ってばかりです。
　這個老阿伯對該腫瘤盡掛心，常透在該發閼。

　 ある日の事、のんきなおじいさんが森の奥で木を切っていると、いつの間にやら、ポツリ、ポツリと雨が降り出して、やがてザー、ザーと土砂降りになってしまいました。
　有一日，儘採个老阿伯去樹林肚倒樹仔，毋知幾時，天公落水，bo bo滾，喊盆大水。

「いかんいかん。このままでは、風邪をひいてしまう」
「做毋得，做毋得，恁樣落下去，等下會冷到。」

　 おじいさんは大きな木のうろに飛び込んで、雨宿りをしました。
　そのうちおじいさんは、ウトウトと眠り込んでしまいました。
　老阿伯煞煞走落大樹仔个樹空肚閃水，無幾久在該裡肚頭那昏哆昏哆，一下仔就睡忒了。

　 やがて雨が止んでも、明るいお月さまが出ても、おじいさんはグーグー、グーグーと高いびきです。
　一下仔水停了，光華華个大月光也出來咧，老阿伯還係ko11 ko11滾牽覺。

　 真夜中になりました。
　到半夜个時節，

　 するとどこからか、賑やかなおはやしの音が聞こえて来るではありませんか。
　像人聽到毋知哪位傳來盡閙熱个音樂聲。

「おや、どこからじゃろ？」
「哦、哪位傳來个呢？」

　 目を覚ましたおじいさんは、その音のする方へ行ってびっくり。
　「うひゃーーー！　鬼だーー！」
　分佢吵醒个老阿伯就跈該音樂聲行等過去，著驚一下，講：
「啊姆哀！有鬼！」

　 何と、この森の奥に住む鬼たちが、輪になって歌い踊っていたのです。
♪ピーヒャラ、ドンドン。 ♪ピーヒャラ、ドンドン。
　 戴這森林肚个鬼大家圍等圈仔唱歌、跳舞。
♪ pi~hyara、don don。 ♪ pi~hyara、don don。

　 赤い鬼、青い鬼、黒い鬼、大きい鬼、小さい鬼。
　紅色个鬼、青色个鬼、黑色个鬼、大鬼、細鬼。

　どの鬼たちも、飲んで踊って歌っての大騒ぎです。
　該兜鬼大家在該歡歡喜喜啉酒、跳舞，非常閙熱。

　 最初は怖がっていたおじいさんも、そのうちに怖さを忘れて踊り出してしまいました。
　最先發痴驚个老阿伯，無幾久嗄毋會驚跈等跳，

　 するとそれに、鬼たちが気づきました。
　過一下仔分鬼發現。

「これは、うまい踊りじゃ」
「這舞跳到還好哦。」

「おおっ、人間にしてはたいしたものじゃ」
「哦，人類來講，這係當了不起啊。」

　 おじいさんの踊りがあまりにも上手なので、鬼たちもおじいさんと一緒になって踊り始めました。
　老阿伯个舞跳著盡好，該兜鬼開始摎佢共下跳。

♪ピーヒャラ、ドンドン。 ♪ピーヒャラ、ドンドン。
♪ pi~hyara、don don。 ♪ pi~hyara、don don。

　 のんきなおじいさんと陽気な鬼たちは、時が経つのも忘れて踊り続けました。
　儘採个老阿伯摎該兜快樂个鬼，跳到連時間嗄毋記得，繼續跳。

　 そのうちに、東の空が明るくなってきました。
　東片析个天頂漸漸光了。

　 もう、夜明けです。
　天光了。

「コケコッコーー！」
「kokeko ko．．．！」

「ややっ、一番鳥が鳴いたぞ」
「雞啼咧！」

　 朝になると、鬼たちは自分たちの住みかに帰らなくてはなりません。
　天光了，該兜鬼毋轉去佢兜戴个位所做毋得。

「おい、じいさんよ。
「噯！老阿伯，

　 今夜も、踊りに来いよ。
　暗晡夜愛來跳舞哦，

　 それまでこのこぶを、預かっておくからな。
　你个腫瘤放在這好咧，

　 今夜来たら、返してやろう。
　暗晡夜你來，正還你，

　 ・・・えい！」
　．．嘿！」

　 そう言って鬼の親分は、おじいさんのこぶをもぎ取ってしまいました。
　講煞，鬼頭仔就摎老阿伯个腫瘤扯下來，

　 こぶを取られたおじいさんは、思わずほっペたをなでました。
　腫瘤分人扯下來个老阿伯堵好伸手去摸佢个面頰。

「おおっ、こぶがない」
「哦，無瘤了。」

　 傷も痛みもなく、おじいさんのこぶはきれいに無くなっていたのです。
　也無傷口也毋會痛，老阿伯變靚囉。

　 こぶがなくなったおじいさんが村へ帰ると、もう一人のこぶのおじいさんがびっくりして言いました。
　佢轉到村莊以後，另外該儕發腫瘤个老阿伯看到佢著下驚講：

「おい！　こぶはどうした？！　どうやって、こぶを取ったんだ！？」
「噯！腫瘤仰會無忒了？！仰般揻正會扯下來？！」。

「ああ、実はな・・・」
「啊，實在係．．．」

　 こぶのなくなったおじいさんは、夕べの事を話して聞かせました。
　腫瘤無忒該個老阿伯摎昨暗晡發生个事情講分佢聽。

「何！　鬼が取ってくれただと」
「麽个啊！分鬼扯下來！」

　 こっちのおじいさんは、うらやましくてなりません。
　這個老阿伯當羨慕。

「よし！　それらなわしも、鬼にこぶを取ってもらおう。踊りには、自信があるんじゃ」
「好！哪係恁樣𠊎來去分鬼扯忒佢，𠊎乜有自信會跳舞。」

　 もう一人のおじいさんは、夜になると森の奥へ出かけて行きました。
　該個老阿伯天一暗，佢就行等去樹林肚，

　 しばらくすると、おはやしの音が聞こえてきます。
　無幾久就聽著伴奏音樂聲。

♪ピーヒャラ、ドンドン。♪ピーヒャラ、ドンドン。
♪ pi~hyara、don don。 ♪ pi~hyara、don don。

「よし、あそこで踊れば、こぶを取ってもらえるのだな」
「好，在該位跳舞，可能就做得摎腫瘤扯下來。」

　 おじいさんは踊っている鬼たちのところへ行こうとしましたが、でも鬼の怖い顔を見た途端、足が震えて歩けなくなりました。
　老阿伯想愛過去鬼跳舞該位，佢看鬼恁得人驚个時節，佢个兩支脚吃吃惇嗄毋會行。

「こっ、怖いな～」
「還得人驚哪！」

　 でも、頑張って鬼たちの前で踊らないと、こぶは取ってもらえません。
　毋較大膽兜仔去鬼面前跳舞就無法度摎腫瘤扯下來。

「ええい、こぶを取るためだ！」
「唉！係為著腫瘤正來个！」

　 おじいさんは思い切って、鬼たちの前に飛び出しました。
　老阿伯想清楚以後走著像飛樣走到鬼面前去，

　 すると鬼たちは、おじいさんを見て大喜びです。
　鬼看著老阿伯來當歡喜。

「よっ、待ってました！」
「啊、等你等當久了！」

「じいさん、今夜も楽しい踊りを頼むぞ！」
「阿伯，暗晡夜快樂个舞還愛拜託你哦！」

　 でも、鬼が怖くてぶるぶる震えているおじいさんに、楽しい踊りが踊れるはずはありません。
　驚鬼驚着吃吃惇个老阿伯，無法度跳出快樂个舞來。

「何だ、あの踊りは？！」
「麽个，跳麼个舞？！」

「昨日の踊りとは、全然違うぞ！？」
「摎昨暗晡跳个舞全全無共樣哦！」

　 おじいさんの下手な踊りに、鬼たちはだんだん機嫌が悪くなって来ました。
　老阿伯个舞跳到當毋好，該兜鬼个心情變毋好。

　 そして怒った鬼の親分が、おじいさんに言いました。
　鬼頭發閼摎老阿伯講：

「ええい、下手くそ！約束通りにこれを返してやるから、二度と来るな！」
「噯，糗牯！照俚个約束這隻東西還你，毋好再過來咧。」

　 ペターン！
　pata~n！

　 鬼の親分は昨日もぎ取ったこぶを、もう一人のおじいさんの右のほっぺたにくっつけてしまいました。
　鬼頭摎昨晡夜扯下个腫瘤，貼到另外該個老阿伯个正手析个面頰。

　 こうして、右と左にこぶが二つになってしまったおじいさんは、泣きながら村に帰って行きました。
　過後，正片、左片都有腫瘤个老阿伯噭等轉去佢个村莊。

おしまい
煞咧

おまけ
ささらとゆっくり昔話　第13話【こぶとり爺さん】

読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。

日本昔話を現代っぽくアレンジしたらこうなったシリーズ。

おまけ
ささらと昔話講座　第13話【こぶとり爺さん】

読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。

知っているようで知らない日本昔話を、あれやこれやとささらちゃんが学んでいく動画です。

おまけ
ささらと昔話講座　番外編03話【悪鬼伝承】