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1月12日の日本の昔話
クッカルとカラス
番鵑摎烏鴉
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客家語 : 鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「琴菜 ASMR」 琴菜 ASMR
むかしむかし、カラスの羽は今の様な真っ黒ではなくて、赤い羽毛に紫や青緑の混じった、それは美しい色でした。
頭擺頭擺,烏鴉个毛無像這下恁樣完身烏疏疏,紅色以外摻有茄色摎綠色,非常个靚。
他の烏はみんな、そんなカラスをうらやましがっていました。
其他个鳥仔都當羨慕烏鴉。
特に、クッカルは、
特別係番鵑,
「あーあ、おいらの着物は真っ黒なばかりで面白くない。一度でいいから、カラスさんの様な美しい着物を着てみたいな」
「啊~啊,𠊎俚个衫褲全身單淨烏色定定還無先趣,一擺就好,像烏鴉該恁靚个衫褲來著看啊仔。」
と、思っていました。
長透想:
クッカルというのは、カラスによく似たくちばしの長い鳥です。
番鵑摎鳥鴉當相像,鳥喙盡長。
そこである日、クッカルはカラスを騙して着物を取ってやろうと考えました。
所以,有一日番鵑想計愛騙烏鴉,拿佢衫褲。
そこでさっそく、カラスのところへ出かけて行って、
想好,佢就遽遽走去烏鴉該位,
「カラスさん、今日は暑いから水浴びに行こう」と、誘いました。
拐騙佢講:「烏鴉先生,今晡日恁熱,來去泅水愛無?」
するとカラスは、
「それはいいな。よし、行こう」と、言って、二人は森の奥の沼に出かけたのです。
烏鴉應講:
「該還好哪,好,來去!」二儕凑等去森林裡肚个水窟仔,
そして、それぞれは自分の着物を脱いで、ザブーンと水に飛び込みました。
各儕摎自家个衫褲脫忒,砰聲跳落水兜肚去了。
天気が良くポカポカと暖かいので、水浴びの好きな二人はとても楽しく遊びました。
天時已好盡燒暖,好搞水个二隻鳥仔搞到特別快樂。
ところがしばらくすると、クッカルは、
「ありゃー、大事な用事を思い出した。すまないが先に帰るよ」
と、言って、帰ってしまいました。
毋過,過一下仔番鵑講:
「壞了!𠊎想到一條大事情愛做,失禮𠊎愛先轉去。」
就先走去咧。
一人残されたカラスは、
「あーあ、もうちょっと、一緒に遊びたかったのに」
伸著烏鴉一儕人
「啊~啊,還想共下加搞一下仔。」
と、ぶつぶつ言いながら水からあがって着物を着ようとしたのですが、ところがどこを探しても自慢の美しい着物はなく、そこにあるのは真っ黒で汚い、クッカルの着物だけだったのです。
緊噥噥噥噥唸緊蹶起來,想愛尋衫褲來著,毋過滿天都尋毋著佢該盡沙鼻个、盡靚个衫褲,斯一身烏疏疏又屙糟番鵑个衫褲。
「ややっ、さてはクッカルのやつ、おいらの着物を着ていったな」
「哪隻漦仔,斷真係番鵑,摎𠊎个衫褲著走?」
カラスはクッカルに騙された事を知りましたが、もうどうしようもありません。
烏鴉雖然知佢分番鵑騙著了,毋過這下無法度,
それで仕方なく、クッカルの着物を着て帰ったのです。
想毋出半滴辦法,高不將著番鵑个衫褲轉屋下去。
それからというものカラスは真っ黒で、クッカルはきれいな羽をつけているのだそうです。
聽講自該擺以後,烏鴉完身變到烏疏滴溚,番鵑著等盡靚个毛。
そしてカラスはクッカルが憎くてたまらないので、今でもクッカルを見つけると目の敵にして追い回すのだそうです。
所以烏鴉當惱該番鵑,一直到這下,烏鴉見擺看到番鵑就追到捩捩轉。
おしまい
煞咧
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