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2月11日の日本の昔話
笛の名人
歕笛仔名人
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福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、京の都に、源博雅(みなもとのひろまさ)という、とても笛の上手な人がいました。
頭擺頭擺,京城有一个安到源博雅个人,佢當會歕笛仔。
その頃、都では集団の泥棒がいて、人々は大変困っていました。
該量時,京城賊仔弛崗打陣,大家感覺盡無結煞。
ある晩の事、博雅(ひろまさ)の屋敷にも集団の泥棒が押し入りました。
有一暗晡,博雅个大座屋分賊仔走落去,
泥棒たちは手に手に、弓や、なぎなたを持っています。
該兜賊仔逐儕手拿弓箭、無就拿長柄刀仔。
「みんな、すぐに隠れるんだ!見つかっても決して抵抗はするな!」
「大家遽遽去囥起來!分佢尋到乜絕對毋好抵抗!」
博雅の言葉に、召し使いたちはみんな思い思いのところへ逃げたり隠れたりしました。
照博雅个吩咐,該兜傭人大家各儕尋位所囥。
博雅も縁の下に隠れて、ジッと息を潜めました。
博雅自家乜走去廊下囥,敨氣又毋敢忒大聲。
やがて泥棒たちは、品物やお金を取って出て行きました。
過後賊仔拿到東西摎錢走去了,
博雅は縁の下からはい出すと、
博雅在廊下弄出來後,
「行ってしまったらしい。みんな、出てきても大丈夫だ」と、召し使いたちに声をかけました。
大聲講:「大約走淨淨了,大家好出來了,無問題。」
さいわいみんなは無事で、怪我人もいません。
好得大家無發生事情,也無著傷。
「なにより無事で良かった。・・・しかし、よく取って行ったものだ。壊れたなべのふたまでないではないか」
「大家平安比麼个較好....毋過東西拿淨淨,連爛鑊蓋又無伸。」
博雅があきれながら座敷の中を調べてみると、さいわい置き戸棚が一つ残されていました。
博雅發琢呆,走去廳下巡看啊,好得櫃仔還伸一個。
「どうせ、中の物は持って行ってしまったのだろう」
「反正裡肚个東西分佢拿淨淨乜無一定。」
それでも開けてみると、中には博雅が愛用している笛が一本入っていました。
準講恁樣乜愛打開來看,裡肚博雅好歕个笛仔還在。
「これはありがたい。良い物を残してくれた」
「該載,恁好个東西留分𠊎。」
博雅は笛を取ってそこに座ると、静かに笛を吹き始めました。
博雅拿著笛仔在該坐等,恬恬開始慢慢歕笛仔。
♪ ひゅー、ひゅるるりりるー
♪ hiyu~,hiyururuririru~
美しい笛の音色は、高く、低く、暗い外へ流れていきました。
當好个笛仔音色,高,低,哀傷傳到屋外背。
博雅の家から引き上げた泥棒たちは、夜ふけの都を歩いていましたが、
在博雅屋下搬走東西个賊仔,三更半夜還在城肚行。
「いい笛の音だなあ」
「還好个笛仔聲哪!」
と、先頭にいた泥棒の親分が、ふと足を止めました。
行在頭前个賊仔頭,忽然頓恬。
「本当に、いい音色だ」
「實在,音色還好哪!」
「うん、いい音色だ」
「m11,好聽!」
みんな耳をすませて、ウットリとして聞き入りました。
大家耳却却恬恬聽,
そして聞いているうちに、泥棒たちは自分たちのしたことが恥ずかしくなってきたのです。
當當在該聽著入文个時節,該兜賊仔對自家做个事情感覺盡見笑,
みんな博雅の素晴らしい笛の音色を聞いて、心が清らかになったのです。
大家聽到博雅个笛仔聲,心肝變清了。
「おい、みんな引きかえそう。取って来た物を返そうではないか」
「噯,大家倒轉來去,搶來个東西還佢好無?」
親分の言葉に、子分たちも頷きました。
照賊仔頭講个,賊仔乜頷頭。
さて、それからしばらくすると、あの泥棒たちが引き返してきたので、博雅は驚いて笛を吹くのを止めました。
無幾久該兜海賊倒轉去,博雅看著著驚一下,歕等个笛仔續頓恬。
そして泥棒の親分は、驚く博雅の前に両手をついて言いました。
海賊頭在著驚个博雅面前兩手貼地講:
「あなたの笛の音を聞いているうちに、泥棒が恥ずかしくなりました。取った物はお返しします。
「聽著你歕个笛仔聲,𠊎兜感覺盡見笑,搶來个東西還你。
これからは心を入れ替えて、真面目に働きます。ですからどうか、お許し下さい」
以後𠊎兜愛改頭換面認真做事。望你原諒。」
手下たちも、そろって頭を下げました。
該兜脚仔乜共下頭犂犂。
そして盗んだ荷物を元の場所に置くと、泥棒たちはどこかへ行ってしまいました。
續等摎搶來个東西放轉原位後,該兜海賊毋知到瀉哪去了。
おしまい
煞了
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