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ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >にほんむかしばなし(日本民间故事) >五月
5月6日の日本の昔話
米の飯
米饭
翻訳者 広東省恵州学院 鄭暁芳
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもゆかいな人がいました。
在很久很久以前,有一个非常快乐的人,叫吉四六。
むかしは生活が貧しかったので、お米の飯などはあまり食べられません。
因为以前生活贫困,所以很难吃到米饭之类的东西,
お祭りとか、お祝い事でもなければ、お米を炊かなかったのです。
只有在祭典和节日的时候才会煮米饭。
それほどお米は大切な物で、そしておいしい物でした。
因此在当时看来,米饭十分珍贵也十分美味。
さて、今の時期は畑仕事も中休みで、吉四六さんは暇でした。
有一天,刚好是农闲时期,吉四六也在休息,
でも、何もしないでいても、お腹は空きます。
但是,就算什么都没干,肚子还是饿了,
そしてどういうわけか、その日はやたらとお米の飯が食べたくなりました。
也不知为何,那一天他非常想吃米饭。
そこで吉四六さんは、考えました。
于是,他便想:
「何かがなければ、かみさんはお米を出してくれないだろう。何とかして米の飯を食う方法は、ねえかな? ・・・そうだ!」
“如果没有什么事的话,老婆肯定不会把米拿出来的。难道就没有其他能吃到米饭的方法吗?啊,有啦!”
次の朝早く起き出した吉四六さんは、外へ出て空を見上げました。
第二天早上,吉四六早早起床,走到外面抬头看了看天空。
どんよりした天気で、今にも雨が降りそうです。
天气阴阴沉沉的,看起来今天也会下雨。
吉四六さんは一人で頷くと、急に大きな声で言いました。
吉四六一个人在点头,突然用很大声的、好像在回答某个人的语气说道:
「おお! そうかあ! わかったぞお!」
まるで、誰かに答える様な声です。
「それは、大変だなあ! 橋をかけるのか! よし、行くぞお!」
“哦!是吗?明白了!这真是要命啊,要建桥吗?好的,马上去!”
それから、家の中のおかみさんにむかって言いました。
说完,吉四六便冲着他家中的老婆说:
「おい、今日は代官さまの言いつけで、橋をかけに行かねばならぬ。きつい仕事で、腹が減っては働けんから、米の飯を炊いて弁当を作ってくれや」
“县令吩咐了,今天必须去帮忙建桥,因为这是非常累人的工作,肚子不饱的话是没法干的,你煮点米饭给我做便当吧。”
その頃は畑仕事がひまになると、よく村の仕事に駆り出されたのです。
那个时候一到农闲,大家就都要被叫去完成村里的工作,
そしてそんな時に粗末な弁当では恥をかくので、みんなは見栄を張って大切なお米を炊いたのです。
而且这时如果吃简陋的便当的话,会被人家看不起,因此大家都会为了撑场面而把米煮了吃。
ようやく弁当が出来る頃になって、吉四六さんはふいに外へ出て行きました。
米饭终于煮好了,吉四六突然向外面走去,说道
「何々? また、呼んでるな」
“什么什么?又在说什么”。
実は誰も呼んでいないのですが、吉四六さんが外に出る見ると吉四六さんの予想通り、ポツポツと雨が降って来ました。
实际上没有谁在说话。吉四六走到外面一看,天气果然如他所料想的那样,淅淅沥沥下起了兩。
吉四六さんはニンマリ笑うと、小さな声で人の声を真似て言いました。
吉四六满意地笑了,小声地模仿别人的声音说:
「おーい、吉四六さんよーぉ。雨が降って来たから、橋かけは止めじゃあー」
“喂,吉四六,因为下雨了,不用去建桥啦!”
それから、わざと大声で、
然后又故意大声地回答说:
「そうか、分かったぞぉー!」
“是吗?知道啦!”
と、答えると、家の中にいるおかみさんに言いました。
这样回答之后就跟家里的老婆说:
「聞いたか? 今日の仕事は止めじゃ。仕方ねえから、炊けた米の飯を食おうや」
“听到了吗?今天不用去工作啦。没办法,那我们就把煮好的米饭吃了吧。”
そして吉四六さんは、おいしそうにお米の飯をほおばりました。
说完,吉四六就津津有味地大口大口地吃起了米饭。
おしまい
結束
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