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6月4日の日本の昔話
少女ギツネ
女狐
京都府の民話→ 京都府情報
翻訳者 恵州学院 李冰麗
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、仁和寺(にんなじ)の東にある高陽川(こうようがわ)のほとりに、夕暮れ時になると可愛い少女に化けたキツネが現われて、馬で京に向かう人に声をかけるという噂がたちました。
很久很久以前,有这么一个传言:每到黄昏,就会有一个可爱少女出现在仁和寺东边的高阳河河岸边,和骑着马赶往京城的人搭话。而这个少女是狐狸变成的。
「どうぞ、私をお連れ下さいませ」
“请把我也带去京城吧”
そう言って馬に乗せてもらうのですが、すぐに姿を消して乗せてもらった人をびっくりさせると言うのです。
她会跟骑马的人这么说。而当骑马的人同意让她上马时,她会突然消失,让骑马的人吓一跳。
ある日、一人の若者が馬でその場所を通りかかりました。
有一天,有个年轻人独自骑马路过那个地方。
そこへいつもの様に少女ギツネが現われて、若者に声をかけました。
而那只少女狐和往常一样出现在那里,并向年轻人搭话。
「そこのお馬の人。私をあなたさまの後ろへ、乗せてはいただけませんでしょうか?」
“那位骑着马的人,能让我上马坐在你后面吗?”
「ああっ、いいですよ」
“可以啊。”
若者はこころよく引き受けると、その少女を自分の馬に乗せてあげました。
那年轻人一口答应,让少女坐上自己的马。
そして何と、すでに用意していたひもを取り出すと、その少女を馬の鞍(くら)にしばりつけてしまったのです。
然后他拿出之前就准备好的绳子,将少女绑在马鞍上。
「これで逃げられまい」
“这样你就跑不了了。”
実はこの若者、その少女がキツネだという事を仲間から聞いて知っていたのです。
其实,这个年轻人事先已经从朋友们那里得知少女是狐狸这件事了。
そしてそのいたずらギツネを捕まえようと、ここにやって来たのでした。
他正是为了抓住这只淘气的狐狸而来到这里的。
少女ギツネを捕まえた若者は、仲間の待つ土御門(つちみかどもん)へと急ぎました。
抓到少女狐的年轻人急忙赶去土御门与朋友们会合。
若者の仲間は、たき火を囲んで待っていました。
年轻人的朋友们围着篝火等着。
「おお、約束通りキツネを捕まえてきたぞ。逃げられないように、みんなで取り囲んでくれ」
“跟约定的一样,我抓到了少女狐。大家把她围起来不要让她逃跑了。”
仲間たちが周りを取り囲んだのを見ると、若者は少女ギツネをしばっているひもを解いて放してやりました。
年轻人看到朋友们把周围都围了起来后,就解开了绑着少女狐的绳子。
しかしそのとたん、キツネも仲間のみんなも、すーっと消えてしまったのです。
但是,就在那一瞬间,少女狐、朋友全都消失不见了。
「なに! ・・・しまった! あの仲間は本物ではなく、キツネが化けた物だったのか!」
“什么?....糟了。原来那些人根本就不是我的朋友,是少女狐变出来的啊!”
若者はじだんだをふんでくやしがりましたが、でも数日後、再び少女ギツネを捕まえたのです。
年轻人直跺脚,后悔不已。但是,几天后,他又抓到了少女狐。
若者は、キツネに化かされないためのおまじないにまゆ毛につばをつけると、注意しながら本当の仲間の所へ行きました。
这次,为了防止被少女狐迷惑,年轻人用符咒在眉毛上做了记号。并小心谨慎地往朋友们真正所处的地方走去。
そして仲間と一緒に、さんざん少女ギツネをこらしめてから放してやりました。
他和朋友们一起狠狠地惩罚了少女狐之后就把她放走了。
それからしばらくたって、若者はその少女ギツネの事が妙に気にかかり、高陽川(こうようがわ)のほとりまで様子を見に行きました。
过了一段时间,年轻人还是放心不下少女狐的事情,所以就去了高阳河河岸边。
するとやはり、あの少女ギツネが現われました。
一到那里,少女狐果然又出现了。
でも着物は薄汚れていて、顔色もよくありません。
但是,少女狐的和服看起来有点脏,颜色也不太鲜艳。
若者は、少女ギツネにやさしく声をかけました。
年轻人温柔地和少女狐说:
「この前は、少しやりすぎたようだ。今日は何もしないから、京まで乗せていってやろう」
“似乎之前惩罚得有点过分了,今天带你去京城吧,不过不会对你做什么事情的。”
すると少女ギツネは、悲しそうな目で若者を見ると、
听他这么一说,少女悲伤地看了他一眼。
「どんなに乗せてもらいたくても、またこの前の様に、こらしめられるのは怖いから、いやや」
“不管多想坐到马上去,我都不会再上你的马了。我怕又像之前一样被欺负。”
と、言って姿を消して、二度と現われる事はなかったそうです。
少女狐说完这句话就消失了,据说再也没有出现过。
おしまい
结束
朗読者情報 台湾居住者 Judy
日本で20年の生活を経た後、本国の台湾に戻ったジュディーは日本と台湾の架け橋となり、通訳、翻訳、日本語教師を経験後、現在は日本語を使い、様々な分野の録音に携わっています。
台湾日文配音者です。
朗読に関するご意見ご要望はjudy.yen1204@gmail.comまでお願いいたします。
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