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ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >にほんむかしばなし(日本民间故事) >十月
白ギツネの恩返し
白狐狸的报恩
翻訳者 周口師範学院 二年生 黄鴻偉
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、加賀の殿さまに可愛がられていた、弥三右衛門(やざえもん)という弓の名人がいました。
很久很久以前,在加贺有个深受领主大人器重的神射手,他名叫弥三右卫门。
ある日の事、弥三右衛門は殿さまと一緒に狩りに出かけました。
有一天,弥三右卫门和领主大人一块儿外出打猎。
その時、やぶの中から白いキツネが飛び出してきたのです。
那时,一只白色的狐狸突然从竹林中跳了出来。
白いキツネはとても縁起の良いキツネなので、殿さまはすぐに欲しくなって、
白狐是十分吉祥的狐狸,领主大人十分想要得到它。他下令道:
「おおっ、白ギツネじゃ。弥三よ、あれを射よ」
と、命じました。
“哦唷!这居然是白狐!弥三,快将它射来给我!”
「はっ!」
“是!”
弥三右衛門は馬にまたがると、キツネを追いつめて矢をはなとうとしました。
弥三右卫门飞身上马,紧追白狐,准备拉弓射它。
するとキツネはくるりとあおむけにひっくりかえって、お腹のあたりを前脚でさししめしたのです。
这时白狐突然翻转了身体,用前腿指了指自己的肚子。
見てみてるとキツネはメスギツネで、大きなお腹をしていました。
弥三右卫门仔细一看,原来这是一只怀着孕的母狐狸。
キツネの目には、大粒のなみだがうかんでいます。
白狐的眼里含着豆大的泪珠。
「そうか。お前は母親で、お腹には子がいるのか。・・・わかった、行くがよい」
“原来你是个母亲,肚子里有崽了。罢了,你去吧。”
弥三右衛門は白ギツネを、そのまま逃がしてやりました。
就这样,弥三右卫门放走了白狐。
するとこれを見た殿さまがかんかんに怒って、その場で弥三右衛門を首にしたのです。
见到这一幕的领主大人勃然大怒,当场将弥三右卫门遣走了。
城を追い出された弥三右衛門は、ほかの地でくらそうと旅立ちました。
被赶出城的弥三右卫门为了在其他地方生活而踏上了旅途。
そして旅の途中の峠の宿で寝ていると、あの白ギツネが女の人の姿になって夢に現れたのです。
旅途中,弥三右卫门在半山腰的一家客栈借宿,到了夜晚,那只白狐化作女人的样子在他梦中现身了。
「わたしのために、まことに申しわけありません。その代わりといってはなんですが、これから江戸へお行きなさい。必ず、恩返しをしますので」
“您为了我才如此受罪,真的十分抱歉。虽说算不上什么,但接下来请您前往江户,我一定会报恩的。”
白ギツネはそう言うと、夢の中から消えていきました。
说完,白狐便从弥三右卫门的梦中消失了。
「・・・夢か。まあよい、どうせ行く当てもないのだから、江戸に行ってみるか」
“原来是做梦啊,不过算了,反正也没有要去的地方,就去江户看看吧。”
次の朝、弥三右衛門は夢で言われた通り江戸にむかい、浅草に住む事にしました。
第二天一早,弥三右卫门就像白狐在梦中所说的那样前往江户,在浅草住了下来。
弥三右衛門が浅草に来てからしばらくたった年の暮れ、また白ギツネが夢に現れました。
弥三右卫门到浅草后过了不久,年末之时,白狐又在他的梦里出现了。
「あなたさまに命を助けられた子どもたちは、みな元気に育っております。本当にありがとうございました。では約束の恩返しに、病を治すお札を差し上げましょう。これからはこのお札で、病気の人たちを治してあげてください」
“承蒙您搭救的孩子们现在正健康成长着,真的是非常感谢您。作为约定的报恩,还请您收下这枚治病的护符。请您往后用这枚护符,医治患病的人们吧。”
白ギツネはそう言うと枕元にお札を一枚置いて、病気の治し方を教えてくれたのです。
白狐说完之后,将一枚护符放在枕边,又将治病的方法告诉了弥三右卫门。
そのお札は不思議な力を持っていて、弥三右衛門が教えられた通りにお札を使って治療をはじめると、どんな病気もすぐに治ったのです。
护符有着不可思议的力量。按照白狐所说,弥三右卫门开始用护符行医,不管多复杂的病症,都能很快地被护符医好。
お札の治療はたちまち評判となって、弥三右衛門は大金持ちになりました。
护符的疗效大受好评,弥三右卫门也因此成了大富豪。
弥三右衛門はそのお金で、白ギツネのために立派な神社をたてたという事です。
后来,靠着挣来的钱,弥三右卫门为白狐建了一座气派的神社。
おしまい
結束
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