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福娘童話集 > 百物語 > 一月
1月12日の百物語
(1月12日的日本鬼故事)
大うなぎのたたり
大鰻魚下咒
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、江戸(えど→東京都)に、うなぎの大嫌いな左官屋(さかんや)がいました。
到好久以前、江戶有條好恨鰻魚的喊左宮屋的人。
左官屋というのは、家の壁を塗る職人の事です。
左宮屋就是刷牆的工匠。
この左官屋は仕事に行って、うなぎのかば焼きを出されたりすると、見ただけで気分が悪くなってしまうのです。
這師傅做事的時候、要是盒飯裡面過的鰻魚、看到人就不舒服。
左官屋仲間からは、
其他刷牆的師傅
「もったいない。せっかくのごちそうを」
我日、你好可惜哦、鰻魚你都不吃啊。
と、かげぐちを言われます。
就到後面港他閒話
ですが左官屋には、どうしてもうなぎを食べられない訳がありました。
其實這位師傅不吃鰻魚是有個因緣到裡頭。
実は、この左官屋は、以前はうなぎ屋の婿(むこ)だったのです。
他以前當別個女婿、那一屋就是專門殺鰻魚的。
ある日の事、この婿は奥さんの父親である店の主人と一緒に、うなぎの買い出しに出かけました。
就跟他岳老頭一起出去買鰻魚。
活きの良いうなぎが手に入り、にこにこしながら家に戻って来た二人は、いけすのかごへうなぎを入れようとして、大変大きなうなぎが二匹いる事に気づきました。
幫新鮮的鰻魚笑到買回來、這就準備倒到生簀的籠子裡面、發現裡面有兩條鰻魚有好大。
「おかしいな? さっき買った時は、こんなうなぎはいなかったよな」
我剛剛買的時候、都米發現有這麼大的鰻魚啊、我看漏了啊。
「はい。確かに、こんなでっかいうなぎなんて、いませんでしたよ」
米、是沒得這麼大的鰻魚、這也太大了。
婿も不思議に思いながらも、にっこりと笑って言いました。
女婿也是覺得怪、但也只笑到港。
「でも、いいじゃないですか。
ほら、よく来るお客で、でっかいうなぎが好きな人がいるでしょう。
あのお客が来るまで、とっておきましょうよ」
大的也好、有些熟客就喜歡吃大的、我們就專門賣起他就是。
「そうだな。あの人なら、きっと喜ぶだろう」
那腳色是喜歡大傢伙。
次の日、大きなうなぎの好きな客が、仲間を連れてやって来ました。
第二天、喜歡大鰻魚的帶他玩的好的就到店子來了。
主人が昨日のうなぎの話をすると、客は大喜びです。
他岳老頭也是跟客人港昨天的事、客人就跟到好開心。
「では、すぐに焼いてくれ」
喊快點幫魚烤了
「はい」
好
主人はさっそく、いけすのかごの中から、特別に大きなうなぎを一匹捕まえてきました。
魚老闆也是馬上幫生簀籠子裡面那條大傢伙取上來。
ところがどうしたわけか、うなぎの頭に、うまくきりを刺す事が出来ません。
有點邪的是、這魚頭釘子老是穿不通。
「おかしいな? もう何十年も、この仕事をやっているのに」
我天天殺魚有十把年了、今天好鬼哦。
そしてやっと刺したと思ったら、あやまって自分の左手を刺してしまったのです。
好不容易以為穿過去了、哪曉得是幫自己手搞一哈。
「あいた! すまないが、代わりにやってくれ」
「はい」
這岳老頭出血不行了就喊女婿來。
そこで料理を代わった婿が、左手でうなぎを押さえつけようとすると、うなぎがくるくると腕に巻き付いて、ものすごい力でしめつけてきます。
他屋女婿是幫鰻魚左手一按、哪曉得鰻魚這就卷到女婿手上、用好大的勁幫他箍到。
巻き付かれた腕がしびれて、きりを刺すどころではありません。
手都被卷麻了、釘子也打不落去。
「なるほど、こいつはすごいぞ。とても、わたしの手にはおえない」
這魚是真的厲害、我這本事還是不夠。
しかし今さら、客に料理を断るわけにもいきません。
但是又不能跟客人港、你的大魚米得了。
困り果てた婿は、思わずうなぎに言いました。
他女婿米的辦法竟然跟鰻魚港。
「これ、うなぎ。
いくら暴れても、お前は人に食われるより仕方がないのだ。
頼むから、わたしにさかれておくれ。
もし言う事を聞いてくれたら、二度とこんな仕事はしないから」
鰻魚
你就算掙扎也是遲早被人吃
你現在聽我的、乖乖讓我割了
你若是聽我港、我以後就再也不殺魚
すると、どうでしょう。
這麼一來
あれほど暴れていたうなぎが、ぴたりと動かなくなったのです。
剛剛那麼動的鰻魚這次是真不動了。
「ありがてえ。今のうちだ」
好傢伙、就是這個樣子。
婿は急いでうなぎの頭にきりを突き刺し、お腹をさいて料理をしました。
女婿幫魚頭用釘子一穿、幫魚肚一割、這就開始烤了。
「はい、お待たせしました」
好、客人你魚來了。
ところが客たちは、焼きあがった大うなぎを食べたとたんに、気分が悪くなりました。
這些客人就試了一口、人一哈就不好了。
「何だ。このかば焼きは!」
你這烤的是甚麼!!
「全く! おれたちを殺そうというのか!」
是想幫我們全吃死啊
「ここへは、二度と来るものか!」
我以後都不得來這裡了
客たちは怒って、店を飛び出していきました。
客人一發火就都走了。
さて、その日の真夜中。
那天晚上大半夜
裏の川の方から、
屋後面的水道裡面
きゅっきゅっ。きゅっきゅっ。
叫聲
と、おかしな鳴き声がします。
一直發出奇怪的叫聲
不思議に思った婿が起きて見に行くと、鳴き声は、いけすのかごの中から聞こえて来るではありませんか。
還以為是甚麼、聲音就是生簀籠子裡面發出來的。
「はて? うなぎの鳴き声にしては大きすぎるが」
鰻魚叫聲為(難道)有這麼大啊
婿が思い切って、かごのふたを取ってみると、何と何百匹といううなぎがヘビの様にかま首をもたげて、こっちをにらんでいるではありませんか。
女婿就幫蓋子打開一看、幾年好幾百條鰻魚、都挺起條蛇腦殼、一直看到自己。
「うぎゃあーっ!」
叫聲
婿はそれっきり、気を失ってしまいました。
女婿人著(被)這一骸、人就暈了。
「何だ! どうした!」
搞甚麼了啊!!
その声を聞いてかけつけて来た店の主人も、恐ろしいうなぎの姿を見てびっくりです。
他岳老頭聽到聲音也是跑過來、看到鰻魚的樣子也是骸死人。
「う、う、うなぎの化け物だ!」
這魚全中邪了。
そのとたん、うなぎは次々とかごの中から飛び出して、かま首をもたげたまま川をくだっていったのです。
這個時候、鰻魚一條一條籠子裡面跳出來、像蛇一樣都挺起個腦殼、往水道裡面去了。
やがて気がついた婿は、もう二度とうなぎを見たくないと思いました。
後面女婿是好不容易緩過氣人醒了、這都不想看到鰻魚了。
それに、殺したうなぎとの約束を思い出すと、じっとしてはいられません。
然後想起來自己港過得話、不殺鰻魚、人就直冒冷汗。
次の日の朝、婿はだまって店を飛び出して、親戚の家へ逃げて行きました。
第二天早上、女婿聲都不作、就跑到親戚屋裡去了。
こうして一年ばかり過ぎた頃、婿のところへ主人の店の小僧が来て、
這才過一年、岳老頭那邊夥計就過來了。
「大旦那さまが、病気で死にそうです。早く帰ってください!」
と、言うのです。
跟到港要死人了、要女婿馬上回去。
仕方なく店へ行ってみると、店はあいかわらずはんじょうしていました。
米得辦法人也只好過去、好久過來一哈、這生意還是這麼好。
店をとりしきっているのは、おかみさんと若い男で、自分の旦那が来たというのに、おかみさんは全くの無視です。
現在管事的是他堂客和一條新的年輕男的、他堂客看男的回來了、態度也是好冷清。
「仕方ないな。あいつを捨てて、だまって飛び出したのだから」
米辦法、畢竟是自己一個人先跑了。
婿はあきらめて、主人のところへ行きました。
女婿也不管這些了、就跑到自己岳老頭那裡。
主人は枯れ木の様にやせおとろえた姿で、薄い布団に寝かされていました。
岳老頭是瘦到只有皮包骨了、人就蓋到一個薄薄的毯子睡到。
しかもそこは納戸(なんど→物置部屋)で、日も当たらず、婿を迎えに来た小僧が一人で看病しているというのです。
而且住到是柴房、都不透光的、還是夥計自己一個人幫岳老頭到跑這跑那。
「実の親をこんなところへ押し込むとは、なんてひどい娘だ!」
讓自己老頭住柴房這女也是可以。
婿はかんかんに腹を立てると、すぐ主人を座敷へ移して医者を呼びました。
他女婿也是氣、跟到幫岳老頭換了個房、然後又是喊醫生。
しかし主人は、もう薬を飲む事も出来ません。
但是他屋岳老頭是已經連藥都米力氣吃了。
「どうして、こんな体になったのだ?」
他人是怎麼搞成這個樣子的哦。
小僧にたずねると、小僧は首を横に振りながら言いました。
問夥計、夥計也就是擺腦殼。
「原因はわかりませんが、 あの大うなぎを殺した日から、急に寝込んでしまわれたのです。
原因不曉得、就那天幫那條大鰻魚一殺、人就開始癱了。
あれから一言もしゃべる事が出来ず、うなぎみたいに下あごをふくらませて、ぱくぱくと息をするだけです。
從那之後就米開始港過一句話、還像鰻魚一樣幫自己臉頰上的肉鼓起來呼吸(就和蛤蟆一樣的、原文這裡不是臉頰是下顎)
「・・・これはきっと、大うなぎのたたりに違いない」
這肯定是被大鰻魚咒了。
婿はお坊さんに頼んで、殺した大うなぎのために、お経をあげてもらいました。
女婿就托和尚幫岳老頭唸經、也是超度鰻魚。
でも、そのかいもなく、主人は間もなく死んでしまいました。
那曉得經一念完、也是沒甚麼碌用、沒過好久這人也還是死了。
それから婿は主人の葬式をすませたあと、正式にこの家を出て左官屋になったという事です。
這幫自己岳老頭喪事做完、就正式從這個屋出去刷牆去了。
おしまい
结束
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