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      福娘童話集 > 百物語 > 三月 
         
      3月22日の百物語 
       (3月22日的日本鬼故事) 
        
       
タヌキ屋敷 
狸子屋 
 
・日本語 ・日本語&中国語 
     
    ※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先 
    
     
    投稿者 「櫻井園子」  櫻井園子エス代表 《櫻井園子キャンドルWEB販売》 
      
      むかしむかし、播磨の国(はりまのくに→兵庫県)の逢坂山(おうさかやま)に、『タヌキ屋敷』と呼ばれる古い屋敷がありました。 
        到好久以前、播磨国(現兵庫縣)逢坂山、有條喊狸子屋的老房子。 
         
      ある日の事、一人の侍が逢坂山にさしかかった時、日が暮れてしまいました。 
      有天一個武士就上山、天也黑了。 
       
      「夏とはいえ、知らない夜の山道を歩くのは危険だ。どこかに、泊まるところはないものか」 
      也是港夏天的山路晚上還是有點危險、想邏個地方歇。 
       
      辺りを探していると、山の登り口に一軒の屋敷がありました。 
      轉一圈、上山的口口上有一間屋。 
       
      「おおっ、これは助かった。ずいぶんと古いが、なかなかの屋敷ではないか」 
      這屋也還可以啊、就是老了點。 
       
      侍が近づいてみると、屋敷の奥の方に明かりがついています。 
        靠過去、裡面還點到燈的。 
         
      侍は屋敷の中へ入ると、大きな声で言いました。 
      武士一進屋、聲音好大的到吼。 
       
      「たのもう! わしは旅の者だが、日が暮れて困っておる。どうか今夜一晩、泊めてもらえぬか」 
      也是港自己的情況、想住落來一晚。 
       
      すると奥から、老婆がよろよろしながら出て来ました。 
      裡面就出來一個老婆婆、看走路樣子估計踋不好。 
       
      「まあまあ、それはお困りでしょう。 
        
        こんなところでよかったら、どうぞ泊まっていきなされ。 
        
        わたしは突然の腹痛で、さっきから休んでいたところ。 
        
        一人暮らしゆえ、何のおかまいも出来ませんが。 
        
        ・・・あいたた」 
        老婆婆也是先客套一哈 
        那你住嘛 
        我剛剛突然肚子痛一直到休息 
        這地方就我一個人住 
        也服侍不了你 
      疼疼疼 
       
      そう言うと、老婆は腹を押さえてしゃがみ込みました。 
      老婆婆就按到肚子蹲落去了。 
       
      侍は、あわてて老婆を抱き起こすと、 
        武士就扶老婆婆 
         
      「さあ、これを。秘伝の薬です」 
        剛好我有藥 
         
      と、印籠(いんろう→薬入れ)から薬を取り出して、老婆に飲ませました。 
      幫自己專門佩藥的小盒子取出來、讓老婆婆吃。 
       
      すると薬が効いてきたのか、しばらくして老婆は、ゆっくりと立ちあがりました。 
      藥估計是有效了、老婆婆可以站穩了。 
       
      「おかげさまで、痛みはなくなったようです。助かりました。さあ、こちらへ」 
      幸虧有你、我人好了、你來這邊。 
       
      老婆は侍を案内して、座敷に連れて行きました。 
      老婆婆幫武士往裡面帶。 
       
      「また腹が痛くなっては申しわけないから、薬の効いている間に休ませてもらいます。どうぞ、ごゆっくり。・・・・ああ、ふとんは、そこの押し入れにありますから」 
      我肚子又痛了、讓我先休息一哈、你也休息、那邊櫃子裡面有床鋪蓋。 
       
      老婆は、さっさと自分の部屋へ帰って行きました。 
      老婆婆跟到往自己房跑了。 
       
      侍は一人になると、ふとんを敷いて横になりましたが、眠ろうとはしませんでした。 
      武士就困到鋪蓋上面、還不準備睡。 
       
      それというのも、さっき老婆を抱えた時、老婆の体からけもののにおいがしたからです。 
        也是因為剛剛抱老婆婆的時候、身上的味道、野獸。 
         
      (念の為に、刀を抱いておこう) 
      以防萬一、幫刀抱到的。 
       
      刀を抱いた侍が布団の中で寝たふりをしていると、真夜中に、ふすまがすーっと開いて、誰かが入って来たではありませんか。 
      武士裝到個睡覺的樣子、深夜門一開、有人進來了。 
       
      侍がそっと目を開けてみると、まくら元にさっきの老婆が立っていて、みるみるうちにけものの姿に変わっていったのです。 
      武士眼一開、老婆婆就到自己枕頭旁邊的、樣子一哈就慢慢變了、野獸。 
       
      (やはり、化物であったか) 
      果然有問題。 
       
      侍はふとんの中で刀をにぎりなおすと、飛びかかって来た相手を切り倒しました。 
        武士幫刀一捏、野獸一撲、這刀就砍了。 
         
      「ウギャャャーーー!」 
        叫聲! 
         
        老婆は恐ろしい悲鳴を上げると、その場に倒れて死んでしまいました。 
        老婆婆、一吼、一躺、死了。 
         
      見てみると、そこに倒れていたのは老婆ではなく、一匹の古ダヌキだったのです。 
      再一看、死的不是老婆婆而是好老的大狸子。 
       
      こんな事があってから、人々はこの屋敷を『タヌキ屋敷』と呼ぶようになったそうです。 
      這事發生之後、都喊這屋狸子屋了。 
      おしまい 
        结束 
         
        (回到上一页) 
         
        
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