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      ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >ひゃくものがたり(百物語) >四月 
         
      4月7日の百物語 
          
          
         
白ヘビのたたり 
    白蛇的惩戒 
     
    翻訳者 広東省恵州学院  張文燕 
     
    にほんご(日语)  ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文 
      
       むかしむかし、ある小さな里に、長さが一メートルほどの白いヘビが二匹一緒に出て来ました。 
           很久很久以前,在一个小村庄里同时出现了两条一米长的白蛇。 
         
 二匹の白いヘビはおとなしく、人に悪さをする様な事はありません。 
 这两条白蛇很温顺,不会做伤害人的事。 
 
 二匹は、いつも仲良く一緒でした。 
 它们关系很好总是在一起。 
 
「このヘビたちは、とても仲が良い」 
“这两条蛇关系非常好” 
 
「白ヘビは、神さまの使いだというぞ。 
“听说白蛇是神的使者。 
 
 それが一度に、二匹も現れたんじゃ。 
 一旦两条蛇出现, 
 
 この里に、何か良い事があるかもしれんな」 
 这个村庄也许会发生什么好事” 
 
 里の人たちは、白ヘビたちをほほえましく見守っていました。 
 村里的人都微笑地凝视着两条白蛇。 
 
 ところがこの里には、八郎次(はちろうじ)というならず者がいました。 
 然而这个村里有一个叫八郎次的流氓, 
 
 自分には何も怖い物はないと、いつも強がりを言っています。 
 经常逞强说自己不怕任何东西。 
 
 八郎次は白ヘビの話を耳にすると、みんなの見ている前で二匹の白ヘビを叩き殺してしまったのです。 
 八郎次听到关于白蛇的传闻后,就在大家的面前鞭打、杀了它们。 
 
「ヘビが、何をしたというんじゃ! 何もせんのに、殺す事はなかろう!」 
 一个农民抱怨说:“这两条蛇什么也没做啊!它们没做错什么事,为什么要杀它们!” 
 
 お百姓(ひゃくしょう)の一人が文句を言うと、八郎次は死んだ白ヘビにつばを吐きかけて言いました。 
 八郎次听到后就朝白蛇吐口水,然后说: 
 
「ふん! 
 殺すのは、おれの勝手だろう。 
“哼,杀不杀它们是我的自由。 
 
 第一、目玉の赤い白ヘビなど、気持ち悪くてしょうがねえ」 
 首先,它红色的眼珠让我感觉很不舒服,没办法。” 
 
「白ヘビはな、神さまの使いだぞ。たたりがあったら、どうする!」 
“白蛇啊,是神的使者。要是遭到报应的话,怎么办!” 
 
「何がたたりじゃ。そんな物、ちっとも怖くない」 
“什么报应啊,那些事情一点也不可怕。” 
 
 八郎次は、そのまま家に帰って行きました。 
 八郎次就那么回家了。 
 
 
 その夜の事です。 
 那个晚上, 
 
 八郎次の顔が、まるで皮をむいたトウガン(→ウリの一種)の様に、まっ白にふくれあがってしまったのです。 
 八郎次的脸就像完全剥了皮的冬瓜一样,变得纯白而且鼓了起来。 
 
 顔ばかりではありません。 
 不只是脸, 
 
 手も足も、体中が白くふくれあがり、全身に激しい痛みが襲ったのです。 
 他的手、脚、整个身体都变白、鼓了起来,刺痛袭向全身。 
 
 耐え切れなくなった八郎次は、家から飛び出すと、 
 忍不住痛的八郎次跑出了家门,喊道: 
 
「痛え! 痛えよう! 助けてくれー!」 
“好痛!好痛啊!救命啊!” 
 
と、叫びながら、里中を走り回りました。 
 一边喊一边在村里跑来跑去。 
 
 そして三日三晩苦しみ抜いて、やぶの中で死んだそうです。 
       然后,听说他在忍受了三天三夜的痛苦以后就在草丛里死掉了。 
      おしまい 
      结束 
         
       
        
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