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福娘童話集 > 百物語 > 四月
4月10日の百物語
(4月10日的日本鬼故事)
逆立ち幽霊
倒立幽靈
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、那覇(なは)の町に、みえ橋という橋があって、その橋のたもとに一軒のアメ屋がありました。
到好久以前、那霸街上、有條喊美栄橋的橋、橋邊上就是個糖水鋪子
ある夏の夕暮れ、その日は朝から、しとしとと雨が降り続いていました。
夏天黃昏、雨從早上就一直開始下。
「ああ、こんな日に、アメを買いに来る人はいないだろう。少し早いが、店じまいをしよう」
這鬼天氣、生意不好做、今天門關早點算了。
アメ屋のおじいさんは、久しぶりに早く店を閉めました。
糖老闆這次就提前關門了。
そして一人で、のんびりとお茶を飲んでいると、
就到裡面一個人偷閒喝茶吃。
トントン、トントン
響聲
と、雨戸が鳴りました。
就聽到那個到外面敲門。
「おや、風がひどくなってきたかな?」
以為是大風刮的、還當外面是雨下的更大了。
おじいさんは、そう思いましたが、
老頭子這麼以為。
トントン、トントン。
響聲
今度ははっきりと、戸を叩く音がしました。
這次聽清楚了、確實是敲門聲。
「どなたじゃな? もう店じまいをしたから、また明日にしてくださらんか」
是那個啊?今天已經關門了、明天來。
トントン、トントン
響聲
何度も何度も戸を叩くので、おじいさんは仕方なく戸口を開けました。
經(一直)到敲、老頭子覓辦法就去看哈子情況。
すると外には白い着物を着た女の人が、雨にぐっしょりと濡れて立っていました。
外面就個穿白衣服女的、全身都被打溼完了、站到哪裡的。
「すみません。アメを少し、分けてくださいな」
女の人は、細い声で言いました。
女的聲音好小
客氣港喊老闆跟他過點糖水。
「これはこれは。せっかく買いに来てくれたのに、すぐに出なくてごめんよ。ささ、どれでも持って行ってください」
老闆也客套一下、原來是專門來賣東西的、自己還耽誤這麼久、就看女的自己要好多。
おじいさんは、アメを紙に包んで差し出しました。
老闆就用麥芽糖幫紙包起來、跟女的過。
「よかった。これで、家の子も喜びます。ありがとうございました」
女的也是港自己小兒有糖吃了、好高興。
女の人はニッコリ笑うと、お金をおじいさんに渡しました。
也跟老闆過糖錢、臉上還是笑到的。
「では、気をつけてお帰りよ」
老闆還喊女的回去小心點。
「はい」
女的就應了一聲
女の人は深くおじぎをすると、雨の中へ消えて行きました。
跟老闆打完招呼人也就回去了、往雨裡面走不見了。
それからも時々、女の人はアメを買いに来るようになりました。
後面女的也是經常來光顧
でも、四回、五回と続くうちに、おじいさんはある事に気がつきました。
變熟客之後、糖老闆注意到一件事。
それは、女の人がアメを買いに来るのは決まって夕暮れ時で、それも人目を避けてやって来るのです。
女的肯定都是黃昏的時候來、而且都是偷偷一個人、避人耳目。
「もしかして・・・」
糖老闆就到邏這裡面脈絡
おじいさんは大急ぎで、お金を入れた箱を持って来ました。
老闆突然一慌、幫錢抽屜一拉。
そしてお金を調べていたおじいさんは、
就開始檢查裡面的錢。
「わーっ!」
幹!
と、腰を抜かしてしまいました。
臉一哈著骸青了。
なんとお金の中から、半分やけた紙銭(かみぜに)が出てきたのです。
裡面一半是掛青、燒的死人錢。
紙銭というのは、死んだ人が死の旅の途中で使う様にと、紙で作ったお金の事です。
死人錢就是冥幣。
おじいさんが紙銭を持って、ブルブルと震えていると、
老頭子捏到這些錢身上就一直抖。
トントン、トントン
敲門聲
と、雨戸を叩く音がしました。
又敲門來了
「来たな」
來了
おじいさんは、そーっと戸を開けました。
老頭子開門了
するとやはり、外には白い着物の女の人が立っていました。
外面站到的還是那個女的
「おじいさん、アメをくださいな」
一樣的路數、買糖
女の人は、細い声で言いました。
女的小聲港到的。
「はい、ではこれを」
糖老闆也只是答應。
おじいさんが震えながらアメを差し出すと、女の人はアメの包みを大切そうに胸にかかえて帰って行きました。
老頭子過糖的時候人慌了個卵卯翻天、女的得糖之後是幫他好甚護到心口前。
「・・・怖いが、後をつけてみるか」
老闆想、現在是跟還是不跟、跟、怕、不跟、一直怕。
おじいさんは女の人の後を、つけて行く事にしました。
老頭頭就偷偷跟到女的後面。
女の人は山道を進んで行き、山の中にあるお墓にたどり着きました。
爬坡、上山、到達墳地。
「やはり、あの女は幽霊だな」
果真是條女鬼。
おじいさんが息を殺して見ていると、女の人はチラリとおじいさんの方を振り向いて、そのままお墓の中に消えていきました。
老頭頭就連呼吸都不敢、偷偷蹲到、女的突然一個轉身、剛好正對老頭頭方向、就那麼不見到墓碑裡面去了。
おじいさんが、そのお墓の前まで行ってみると、
老頭子上前看墳。
「オギャー! オギャー!」
哭聲
と、お墓の中から、赤ん坊の泣き声が聞こえてきたのです。
墓裡面有幼兒哭聲。
「うわーっ!」
老頭子著骸一跳
びっくりしたおじいさんは、すぐに町へ帰ると、見て来た事をみんなに知らせました。
抽身就跑、馬上跑到街上、幫這個事到處港。
そしてお墓の持ち主とお坊さんを連れて、お墓の前に集まりました。
在就帶到和尚還有死人家屬、就上山進到墳前。
さっそくお墓の石を取り除き、中をのぞいて見てびっくり。
開始挖、看裡面骸一跳。
何と赤ん坊が、アメをしゃぶりながら死んだお母さんのそばにいるのです。
就有個幼兒到裡面敷糖、他媽就死到旁邊了。
お母さんの顔は、確かにアメを買いに来た女の人でした。
這女的確實就是過來買糖的人。
お墓の持ち主の話では、この女の人は赤ん坊を生む前に病気で死んだとの事です。
親屬港是、女的生小孩之前剛好得病死了。
きっと、葬式が終わってお墓の中へ入れられた後で、この赤ん坊を生んだのでしょう。
是人下葬之後到墳裡面生的、肯定。
お坊さんは念仏を唱えると、女の人の足をひもでゆわえました。
和尚念完經、又用繩子幫女的踋打死結。
「もう、アメを買いに行かなくてもいいんだよ。
你現在就不要買糖啦
赤ん坊は、我々が育てるからね。
這個小孩現在由我們撫養
お前さんの両足を縛っておくから、もう出て来てはいけないよ」
你現在兩個踋也著捆到了、想來也來不了啦。
そしてみんなも、女の人の成仏を手を合わせて祈りました。
大家也是一起祈禱、超度女的。
さて、それからしばらくたった、ある夕暮れ時。
後面就過了一陣、又是一個黃昏
アメ屋のおじいさんが、店を閉めて休んでいると。
糖老闆準備關門。
トントン、トントン。
トントン、トントン。
敲門聲
と、戸を叩く音がしました。
就有人來敲門口。
「すみません、アメをくださいな」
客氣的港、自己要糖。
「はいはい、ちょっとお待ちを」
好好、等哈、我來了
おじいさんが戸を開けて見ると、あの白い着物を来た女の人が逆立ちをして立っていました。
老頭頭開門一看、就是上次的白衣服女鬼、用腦殼當踋站到的。
お坊さんに両足をひもで縛られたので、逆立ちのままやって来たのです。
因為踋著和尚捆了、只能這麼過來啦。
「ひぇーーっ!」
叫聲!
おじいさんは腰を抜かして、言葉が出ません。
糖老闆人著骸到港不出話了。
「すみません、アメをくださいな」
女鬼又重複一聲、自己要糖。
逆立ちの女の人がもう一度言ったので、おじいさんは何とかアメを差し出すと、女の人はアメの包みを大切そうに胸に抱えて闇の中へ消えて行きました。
老頭子也是服了孤、取糖跟倒立的女鬼過、女的還是幫糖好小心的護到自己心口前、慢慢的走不見了。
アメ屋のおじいさんの知らせを受けて、お墓の持ち主とお坊さんは、それから何度も女の人の供養をしましたが、それから何年もの間、女の人はおじいさんの店にアメを買いに来たそうです。
糖老闆後面又是委託和尚武士啊、別個也是想盡辦法、該做都做了、但是覓得卵用、就這麼到、女鬼、一直繼續光顧了糖老闆好多年。
おしまい
结束
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