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福娘童話集 > 百物語 > 四月
4月23日の百物語
(4月23日的日本鬼故事)
老母とヘビ
老婆子跟蛇
・日本語 ・日本語&中国語
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「櫻井園子」 櫻井園子エス代表 《櫻井園子キャンドルWEB販売》
むかしむかし、江戸の役人が、用事で大阪へと出かけていきました。
到好久以前、江戶的公差、要到大阪去辦事。
その留守宅には、年老いた母親と嫁さんが残っています。
就喊他老母親還有堂客守屋
ある日の昼下がり、嫁さんが手洗いに入ろうとすると、茶色のまだらもようのヘビが体をくねらせながら窓の外へ出て行こうとしていました。
那天下午、他屋堂客就準備上廁所、這就看到一條茶色紋路的大蛇正準備往窗戶外面躬(爬)
「キャーーー!」
啊啊!
嫁さんは、思わず声をあげました。
堂客著骸到的。
「何事です!」
搞甚麼了啊!
その声を聞いた老母が飛んで行くと、ヘビは窓から姿を消した後でした。
老婆子聽聲音馬上過來了、但那也是蛇從窗戶爬走之後的事了。
でも、ヘビがはった手洗いの壁には、ピカピカと光る跡がついていました。
但是射爬過得痕蹟還是留到廁所牆上的、還閃閃發光、亮晶晶
「ヘビの跡なんて、気味が悪いね」
這痕蹟好稀奇哦、有點毛人。
老母と嫁さんはヘビの跡を水で洗いましたが、いくら洗ってもヘビの跡は消えませんでした。
婆媳就用水擦、想幫牆搞乾淨、但是蛇印子怎麼都擦不丟、就死死留到那裡的。
それから、五日後の夜の事。
這是五天後的一個晚上。
老母がふと目を覚ますと、枕元に大きなヘビがいました。
婆子睡到鋪上突然一醒、枕頭邊上就一條大蟒蛇到哪裡的。
老母は少しも怖がらず、ふとんの上に座りなおすと、ヘビに向かって静かに言いました。
老婆子也是神人、一點都不怕的、就重新擺姿勢坐好、跟蛇扯家常。
「よく、お聞き。
我曉得
お前はこの間、嫁を驚かせたヘビだね。
你就是之前骸我屋媳婦的蛇
何かわたしたちに、うらみでもあるのですか?
我們之間有甚麼恩怨嗎?
息子がいない間は、このわたしが家の主です。
我兒覓(到)、這屋就是我做主
言いたい事があるなら、申してみなさい。
你有話你都可以港。
もしないのなら、もう出て来てはいけません」
覓得、那就不要再來打擾我們了。
するとヘビは、ぺこりと頭を下げて、部屋から出て行きました。
蛇聽完還不好意思、頭低到從屋裡爬出去了。
次の日の夜、老母の夢に茶色のまだらもようのある着物を着た、りりしい若者が現れました。
第二天晚上、老婆子做夢、有條穿到茶色紋路衣服的氣派年輕人、出現到夢裡了。
若者は老母に頭を下げると、こう言いました。
年輕人就還算客氣的港。
「わたしは、昨夜のヘビです。うらみがあれば申せとの事でしたので、こうしてやって来ました」
我就是昨天的蛇、這也是來港清楚昨天的緣由。
老母がうなづくと、若者は話をしました。
老婆子點頭、年輕人也開始了。
「あれは、この間の事です。
這就是最近發生的事。
庭で見つけたカエルが、こちらの手洗いの中に逃げ込んだのです。
院裡面有條蛤蟆跑到這邊廁所的
追いかけて捕まえようとしたら、あなたの息子に頭から小便をかけられました。
我就進去捉、就被你兒幫尿、尿到我頭上。
そのためにあちこちのうろこの色が茶色に変わってしまい、同じヘビ仲間から仲間外れにされて、わたしは住処を失ったのです。
我這就過全身傳染、所有鱗片都變成茶色、別個蛇現在都不茈(扯上關係)我了、我都覓(沒有)得容身地方了。
そこでそのうらみをはらそうとしましたが、あなたに言われて、こうしてお話しに来たのです」
我就是為了這件事來、被你一港、也是知會你緣由。
「なるほど。
それは、気の毒な事です。
那你是也背時
息子の事は、わたしからお詫びします。
我只能先帶我兒道歉啦。
しかし、住むところがなくなったのは、困りものですね」
但是你這住哪裡、確實是個麻煩事。
「あの、お詫びをしてくださるのなら、どうかお庭のすみに、小さな社をつくってください」
你如果真有誠意、那就到你屋院子角角、幫我搭個小廟。
「わかりました。では、その様にしましょう」
老婆子港自己曉得了、就按蛇港到辦。
老母の言葉にヘビの若者は深々と頭を下げると、すーっと消えてしまいました。
蛇行了老婆子一個禮、不見了。
次の朝、目を覚ました老母に、嫁さんがこんな事を言いました。
第二天老婆子醒來、媳婦就港這個事。
「お母さま。
これは夢の話ですが、あのヘビが若者の姿になって現れました。
港自己做了一個夢、夢裡面蛇變成一個年輕人
お母さまにうらみのわけを話し、お庭に小さな社をつくってもらえる約束が出来たと言っていました。
年輕人港老婆子答應幫自己蓋個小廟、還港了這其中緣由。
それを聞いた老母は、嫁さんに大きく頷きました。
老婆子點頭。
「確かにわたしは、夢でヘビと約束をしました。
ではさっそく、社をつくりましょう」
我是有到夢裡面答應蛇、那我們現在就開始搞。
そこで二人はすぐに大工を呼んで、庭のすみに小さな社を建てました。
就喊條木匠師傅、到院子角角開修。
するとその日からヘビは姿を現さなくなり、手洗いの壁についた不気味に光るヘビの跡も、きれいに消えてなくなったという事です。
從這天起、蛇就這也覓出來過了、廁所牆上的痕蹟也自己消失了。
おしまい
结束
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