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福娘童話集 > 百物語 > 五月
5月12日の百物語
(5月12日的日本鬼故事)
抱きつく白骨
骨拉人
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、美濃の国(みののくに→岐阜県)に、長間佐太(ながまのさた)という武士(ぶし)がいました。
到好久以前、美濃国(現岐阜県)、有個喊長間佐太的武士。
佐太(さた)は将軍を守る為に京の都へ行ったのですが、戦(いくさ)が終わると自分の仕事が嫌になりました。
佐太奉將軍命上洛、戰役結束、自己也開始厭倦了。
(人と人が争うとは、何とおろかな事だろう。もはや、二度と武器は手にしたくない)
人與人的鬥爭之間、充滿愚昧、也是港自己放下刀劍不在參與相爭了。
そして佐太は国へは戻らずに武士の身分を捨てると、草ぶきの小屋を建てて一人で住む事にしたのです。
這就放棄武士身份、和原本奉侍的主君、也不回原來的地方、自己搭條茅草棚棚。一個人住了。
仕事はというと、元武士が乞食(こじき)をするわけにもいかないので、近くの山でしばを買い求めて、それを町で売って暮らしていました。
原本武士的身份也不可能去討米、這就到附近山上收點柴火挑到街上去賣。
しば売りの仕事ではとても貧しい暮らししか出来ませんが、佐太にとっては心休まる日々でした。
靠柴火這點小錢當然只可以過些貧苦日子、但是佐太自己心裡滿足。
「わずかな金で安物の酒を買い、心ゆくまで山をながめ、月を見ては歌をよむ。何とも素晴らしいではないか」
用這點錢買些便宜酒、品山川風月、在念二句和歌、佐太覺得其實還可以。
佐太のそんな暮らしを知って、むかしの仲間が金と食べ物を持って来ましたが、
曉得以前同僚是這個樣子、別個也是帶錢跟東西來看。
「ほどこしを受ければ、生活は豊かになっても心が貧しくなる」
也是港受人恩惠、得者施、缺者求、自己已無可失、亦不願去求。
と、言って、何も受け取ろうとはしませんでした。
東西是怎麼都不肯收。
そんなある晩の事、佐太が墓地の近くを歩いていたら、いきなり目の前の古い墓が二つに割れて、中からたいまつの様な明かりがもれてきたのです。
就有天晚上、佐太接近墓地、墓碑是突然劈開二半、
佐太はびっくりしましたが、しかし元は凄腕の武士です。
幫佐太骸了一跳、但原本也是武士出身。
二つに割れた古い墓に近づくと、
就上前探個仔細。
「何事だ?」
恩?
と、墓の中をのぞいてみました。
這就看墓堆。
すると墓の中にあった白骨(はっこつ→ガイコツ)がムクリと起き上がり、佐太に抱きついてきたのです。
裡面的死人骨頭就站起來抱到佐太。
佐太はあわてず、白骨にたずねました。
佐太也不慌、就問死人骨頭
「拙者(せっしゃに)に、何か用か?」
想曉得其中緣由
しかし白骨は黙ったまま、佐太を墓の中へ引きずり込もうとします。
但是骨頭不做聲、就想幫佐太往墳裡面拖。
「やめぬか。いかに世捨て人とて、まだ死ぬわけにはいかぬのだ」
佐太就港、就算自己早就是待死之身、也不必這麼早就進墳墓。
佐太が白骨を突き飛ばすと、倒れた白骨はバラバラになってしまいました。
佐太一把幫骨頭推開、一倒地也就嘩啦嘩啦垮了。
それと同時に墓の中からの明かりが消えて、辺りは再び真っ暗になりました。
墳墓也覓(沒)得了光亮、周圍又是一片黑起來了。
「こうも暗くては、何も出来ぬな」
太黑了、我甚麼都做不了。
佐太は仕方なく家に帰ると、翌朝になって再び戻ってきました。
佐太歸屋、等到了第二天一早。
すると墓が崩れており、周りに白骨が散らばっていました。
零落的墳墓旁邊散了一地白骨。
「世捨て人の拙者にまで抱きつくとは、よほどくやしい事があったに違いない。だが拙者に出来る事は、これぐらいだ」
無用之身、早無價值、即便如此、你仍尋我定是要事、但我能做也只有這些了。
佐太は散らばった白骨を拾い集めて墓に戻すと、安物の酒を墓に供えて手を合わせました。
佐太撿骨重新歸位、又對到墳前灑了點便宜酒、在雙手一合幫骨頭做個禱告。
おしまい
结束
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