|
|
福娘童話集 > 百物語 > 五月
5月20日の百物語
(5月20日的日本鬼故事)
海坊主にあった船乗り
船頭碰海妖
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、徳蔵(とくぞう)という船乗りがいました。
到好久以前、有個喊德藏的船老板
船乗りの名人として知られ、徳蔵の操る船は、どんな嵐も乗り切り、これまで一度として遭難(そうなん)した事はありません。
別個都港他技術好、大風大浪這船都回得來、事還一次覓(沒)出過。
だから船主たちは、大事な荷物を運ぶ時、必ず徳蔵の船を選ぶほどです。
當其他船老闆有不放心的貨物要送的時候、肯定都是放他的船上。
しかし、そんな徳蔵にも、肝(きも)を冷やす様な出来事がありました。
但是其實也有讓德藏虛毛(害怕)的事
ある日、徳蔵は荷物を降ろした後、のんびりと船をこいでいました。
有天德蔵卸完貨、就慢慢的划到船。
空は晴れ、おだやかな波の上で海鳥たちがたわむれています。
晴空、海面一群海鷗到嬉鬧。
「何て、静かな海だ」
平靜的海面。
すっかり良い気分になった徳蔵は、歌を口ずさんでいました。
心裡舒服、這就開始哼歌。
はるか向こうに、島影が見えた時です。
這對面遠方就看到小島影子了。
ふいに生暖かい風が吹いて来て、波が高くなりました。
一陣暖風、波浪高起來了。
沖の方を振り返ると、さっきまで晴れていた空に黒い雲がわき出し、みるみる広がって行きます。
回頭看後面的海面、晴空一哈聚烏雲、慢慢散佈開來了。
「おかしいなあ?」
怪事?
徳蔵は、首を傾げました。
德蔵歪到腦殼想。
これまで長年の経験で、こんな日は絶対に嵐などやってきません。
以自己多年經驗、今天肯定是覓(沒)得風浪。
それでも、あたりは暗くなり、船の上まで黒雲がたれてきました。
這一哈自己這邊也暗起來了、船頭上就全是烏雲。
波はいよいよ高くなり、船が大きく揺れます。
やがて雨が降り始めると、激しい嵐になりました。
海浪高起來了、船也一直搖。
(こういう時は波に逆らわず、じっとしている事だ)
這就時候就要乘到波浪莫動。
徳蔵は船をこぐのを止めると、ろ(→船をこぐための棒)を船に引き上げたまま、船のバランスを取る為に船底にうずくまっていました。
德蔵也不划船了、幫槳取上來、為維持平衡、自己到船底蹲到。
船はまるで、木の葉の様に揺れます。
船到海裡面碰到風浪、就跟片葉子一樣。
と、その時、目の前の海から黒い物が浮きあがり、あっと言う間に高さ一丈(いちじょう→約三メートル)ほどの大入道になりました。
這時、海裡面一個黑色東西一露頭、瞬間變到變到就有三米了、是條大海妖。
「ば、化け物!」
妖怪啊!!!
さすがの徳蔵も、ビックリです。
德蔵穩當、不代表別個不怕鬼。
けれど、腕ききの船乗りだけの事はあり、慌てずにその化け物をにらみつけました。
但自己畢竟也是開船老手、也不慌、對到妖怪就認到的。
化け物の両眼が、ランランと光っています。
大海怪二眼放光
そして、うなるような声で言いました。
用帶到摻雜情緒的聲音港、像條野獸。
「どうじゃ、わしの姿は恐ろしかろう!」
你是不是怕了個卵卯翻天啊!
すると徳蔵も、負けじと言い返します。
船老闆也不認慫。
「何が、恐ろしいもんか。
世の中には、お前より恐ろしい物はいくらでもいる。
とっとと消えうせないと、このろで叩き殺すぞ!」
比你厲害的世界上到處都是
你以為我怕你啊
快點滾、不然我就用槳幫你刷(敲)死了
徳蔵のすごいけんまくに、逆に化け物が慌てました。
船老闆雖然是虛張聲勢、但是火氣好大的樣子反而幫海妖骸到了。
「チビのくせに、恐ろしい男だ」
明明一條小卵日、火氣這麼大。
化け物はそのままスーッと海へ沈むと、それっきり姿を見せなくなりました。
妖怪往海裡面一沈、看不到了。
と、同時に嵐がやみ、再び空に日が戻ります。
同時風平浪靜、又是晴空。
家に戻って、この事を近所の物知り老人に話したら、それは海坊主という妖怪(ようかい)で、体がうるしの様に黒く、嵐を起こして船を沈めるというのです。
歸屋、幫這事港起住旁邊的老家夥聽、這就曉得那是條喊海坊主的妖怪、長的跟漆一樣黑、會起風浪幫船攪沈。
(なるほど、それにしても、よく船を沈められずにすんだものよ)
這樣子啊、我也是運氣好、幫船開到回來了。
この話しはすぐに広まり、海坊主を追い払った船乗りとして、徳蔵への仕事の依頼(いらい)は、ますます増えたという事です。
後面這事曉得的人也多了、都港船頭趕海妖、名頭一望、這事就都邏到德蔵來。
おしまい
结束
(回到上一页)
|
|
|