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福娘童話集 > 百物語 > 六月
6月22日の百物語
(6月22日的日本鬼故事)
入らず山の鬼婆
禁山鬼婆
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、ある山のふもとの村に、キノコ採りの上手なおじいさんがいました。
好久以前、山腳有個村、有個老頭頭摘蘑菇就好厲害。
秋のある日、おじいさんはかごを背負って、いつもの山へキノコ取りに出かけました。
有個秋天、老頭頭就背條背簍、和往常一樣山上摘蘑菇
けれど他の人が取った後らしく、キノコはまったく見つかりません。
但是好像都著別個摘完了、就覓(沒)看到幾個蘑菇。
「せっかく来たのに、このまま手ぶらで帰るのもくやしいな。
我日、這山不是白上了啊、這要空手回去啦。
・・・そうじゃ、入らず山へ行ってみよう。
那我就去覓人的那條山。
あの山には鬼婆がおるというが、明るいうちに帰ればどうという事もあるめえ」
雖然港那山上有條鬼婆婆、但是只要白天回來不過夜、按港不得有事。
おじいさんが入らず山へ入ってみると、シメジでも、シイタケでも、マイタケでも、そこら中に生えています。
老頭頭這就去那條不能進去的山、甚麼卵都有、占地茸、椎茸、舞菇、這些都長到裡面的。
「これはすごい。誰も取らんから、キノコがいくらでも生えておるぞ」
這舒服、都覓人到這地方摘、全部都長滿了。
おじいさんが夢中でキノコを採っているうちに、日が暮れてしまいました。
老頭子就瘋狂摘蘑菇、這天一哈就黑了。
「さて、かごがいっぱいになったはいいが、こうも暗くては帰り道がわからんぞ。・・・仕方ない。一晩泊まっていくか」
雖港這背簍是滿了、但是烏漆麻黑的回去的路都看不到、只能到這山上過夜了。
おじいさんはたき火をおこすと、そのたき火でキノコをあぶって食べ始めました。
老頭子就起個小火堆、幫蘑菇烤起來吃。
するといきなり、鬼婆が現れたのです。
這時鬼婆就來啦。
「やい。おらにも食わせろ!」
喂、也分我一些嘛!
鬼婆は二本の角が生えたぼさぼさの白髪頭に、まっ赤に光る大きな目玉、そして耳まで裂けた大きな口にギザギザの歯が生えています。
鬼婆頭上二個角長到的、頭髮蓬蓬的、全是白傢伙、二顆紅玉大眼珠子光亮光亮的、嘴巴扎(張)到耳朵後面去了、牙齒一顆顆尖的和鯊魚樣的。
「へっ、へい、ただいま、焼きますで」
好、你試哈這個。
おじいさんが震えながらシシタケを取り出すと、鬼婆は怖い顔で言いました。
老爺子怕到抖、取個香菇過老婆子吃、
鬼婆子惡起個臉。
「シシタケ!
香菇!
おらでさえ、めったにとれんシシタケを!
連我自己都不怎麼捨得摘!
この入らず山は、おらの山だ。
這個禁山是我的山。
おらの山を荒らして、無事に帰れると思うなよ。
你到我山亂挖蘑菇、以為可以覓(沒)事走脫啊
足の一本ぐれえは、置いていってもらおうか」
我要你留一隻踋到我這裡。
「そんな、どうかごかんべんを。
對不起啊、對不起啊、我不曉得啊
入らず山には、二度と入りません。
這山我以後絕對不來了。
シシタケも、ほかのキノコも、全部差し上げますから、どうか見逃してくだせえ」
香菇還是其他的蘑菇我全部退起你、你放過我這一次好吧。
おじいさんがいくら謝っても、鬼婆は許してくれません。
老頭子怎麼港、鬼婆就是不準。
「さあ、足をよこせ! 右足か? それとも左足か?」
快點、我要取踋了、是右邊的還是左邊的?
その時です。
突然
たき火がパチッとはねて、鬼婆の大きな右目に飛び込みました。
火堆彈出個火星、一哈飛到鬼婆大眼睛裡面去了、右邊那顆。
「あちぢちぢっ!」
啊啊啊啊啊!
鬼婆が飛び跳ねているすきに、おじいさんは逃げ出しました。
鬼婆就急到處跳、老頭子馬上快跑。
「まてーっ、逃がしはせんぞー!」
莫動!我準你跑了啊!
鬼婆は右目を押さえながら、ものすごい勢いで追いかけてきます。
鬼婆就邊按到右邊眼睛、邊追。
おじいさんは、ありったけの声を張り上げました。
老頭子就用最大的聲音瘋狂呼救。
「山神(やまがみ)さま~! どうか、お助けくだせえ~!」
山神救命、神仙救命啊!
すると空から紫色の雲がすーっとおりてきて、おじいさんをすくい上げてくれました。
這真就天下下來一朵紫雲、幫老爺子救上去了。
鬼婆はくやしがりましたが、空の上ではどうする事も出来ません。
鬼婆子就只能到地上跺腳、對到天上看、覓點辦法。
紫色の雲はおじいさんを家まで運ぶと、また空へと戻っていきました。
幫老頭子送回屋、紫雲就又飛回天上去了。
「山神さま、ありがとうごぜえます!」
山神感謝啊、感謝啊!
命拾いをしたおじいさんは、それから山へ行くたびに、お礼のお供え物を持って行きました。
也是港撿回來一條狗命、那之後每次上山、都跟神仙帶些個貢品去。
でも入らず山には、二度と行かなかったそうです。
但是禁山、老頭子是再也不去了。
おしまい
结束
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