福娘童話集 > きょうの百物語 福娘童話集 きょうの百物語 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 


福娘童話集 > きょうの百物語 > 6月の百物語 > 揚松明

6月28日の百物語

揚松明

揚松明
京都府の民話 → 京都府の情報

日本語 ・日本語&中国語

♪音声配信(html5)
音声 ひかる

 舞鶴(まいづる)にある雨引神社(あめびきじんじゃ)は蛇神さまとも呼ばれて、今でも八月十四日の夜になると、揚松明(あげたいまつ)を夜空にかかげる火祭りが行われています。
 これは、それにまつわるお話しです。

 むかしむかし、蛇ヶ池(へびがいけ)という池に、恐ろしい大蛇が住んでいて、村人たちを困らせていました。

 ある日の事、森脇宗坡(もりわきそうは)という侍の娘が、この大蛇に飲み込まれてしまったのです。
 怒った宗坡(そうは)は、娘のかたきを討つ為に蛇ヶ池へと向かいました。
 宗坡が蛇ヶ池のほとりにやって来ると、今まで静かな水面が急に波打ち始め、池の中から大きな大蛇が姿を現して、口から火を吐きながら宗坡に襲いかかろうとしたのです。
「お主が、娘の仇か!」
 宗坡が手にした弓で矢を放つと、矢は見事に大蛇の右目を射貫きました。
 これに怒った大蛇が暴れ狂いましたが、宗坡は落ちついて、もう一本の矢を大蛇の左目に命中させました。
 さすがの大蛇も両目をつぶされてはどうする事もできず、ついに宗坡の槍でとどめをさされたのです。
 ところが宗坡は、心のやさしい侍で、
「娘のかたきにお主を倒したが、お主とて、生きる為に食っただけの事。もう、恨みはない。ねんごろに弔ってやろう」
と、宗坡は大蛇の死体を雨引神社(あめびきじんじゃ)に運ぶと、ねんごろに弔ってやったという事です。

 それから毎年八月十四日の夜になると、大蛇が火を吹く姿をした揚松明が夜空に揚げられる様になったのです。

→ 揚松明について (京都新聞 ふるさと昔語り)

おしまい

前のページへ戻る


     6月28日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
ニワトリの日
きょうの誕生花
柘榴(ざくろ)
きょうの誕生日・出来事
1971年 藤原紀香(女優)
恋の誕生日占い
明るくて優しく世話好き
なぞなぞ小学校
いくらひいても、来ない物は?
あこがれの職業紹介
ジェルネイリスト
恋の魔法とおまじない 180
願いが叶うおまじない
  6月28日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
川に落ちた下駄
きょうの世界昔話
ほら吹き男爵 老将軍の秘密
きょうの日本民話
お花とごんべえ
きょうのイソップ童話
漁師とマグロ
きょうの江戸小話
急病
きょうの百物語
揚松明

福娘のサイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ