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福娘童話集 > 百物語 > 九月
9月11日の百物語
(9月11日的日本鬼故事)
海坊主
海妖
・日本語 ・日本語&中国語
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「櫻井園子」 櫻井園子エス代表 《櫻井園子キャンドルWEB販売》
むかしむかし、荷物船で賑わう港が、夏だというのに今にも雪が降り出しそうな肌寒い天気になりました。
到好久以前、熱鬧的出海港口、明明是夏天、卻跟條下雪天一樣的幫人冷彈(好冷)。
船頭たちが、空を見上げて言いました。
船老闆們就對到天上認
「どうしたわけだ? 夏だというのに、寒うてかなわん」
這是夏天啦、怎麼得這麼冷哦。
「おかしな日よりじゃ。こんな日は、船を出さん方がええな」
怪事、今天還是莫出海的好。
「ああ、何が起こるか、わからんからな」
是啊、不曉得、到時候碰到甚麼鬼事。
すると、それを聞いていた一人の気の強い船頭が、他の船頭たちを鼻で笑って言いました。
其中一條船老闆聽別個這麼港、自己就開始耍本事了、意思看不起其他人。
「なさけない。一日休めば、それだけ駄賃が減るではないか。たとえ幽霊船や海坊主が出て来よっても、とっつかまえてやるわい」
覓(沒)卵用、休一天錢就少一天、就算來的是幽靈船大海妖、我都幫他捉起來當魚打。
そして他の船頭たちが止めるのも聞かずに、一人で荷物船をあやつって港を出て行きました。
其他船老板勸他算了也是不聽、就他一條開到拉貨的船出港了。
気の強い船頭が、沖へ出てしばらくすると、
這船老板要強、這海出得還覓好久。
「お~い、お~い」
喂喂
と、誰かが、呼ぶ声が聞こえてきました。
這就聽到那個到海上面上喊人的聲音了。
「はて? こんな海のなかで、何じゃろ?」
這海上面是那個到喊哦?
船頭は、ろを休めて辺りを見渡しましたが、何も見えません。
船老板停落來手裡面的槳、海面上四處往一眼、甚麼卵都覓得。
「ふん、空耳か」
巧卵了(怪事)我心裡作用啊
船頭は、またろをこぎ始めました。
船老闆這就又取槳開始划了
それからもこんな呼び声が何度か続きましたが、船頭が気に止めずに船を進めていると、今度はすぐ後ろからはっきりした声で聞こえたのです。
這條聲音從這時開始就出現了好幾次、船老闆乾脆不管了、自己划自己的、這時背後一條好清楚的聲音就過來了。
「お~い、お~い」
喂喂
船頭が思わず振り返って見ると、生白い物が大きくなったり小さくなったりしながら、船の後ろに取り付いていました。
船老闆就下意識的轉了一哈腦殼、一條白色的甚麼東西一哈大一哈小、就巴(附)到船後面的。
「海坊主だ!」
是海妖、幹!
船頭はひしゃくを手にすると、船に取り付いている海坊主を殴りつけました。
船老板就取到船上舀水的那條瓢、對到海妖就是一直刷、
「こうしてくれるわ! こうしてくれるわ!」
讓你上我船!讓你爬!
すると海坊主は、海の中へ沈んでしまいました。
海妖著這麼一刷就海裡面一沈。
「ふん。大した事はない」
也不是甚麼好大的案子嘛
船頭がそう思った時、今度は二人の海坊主が海から顔を出して、また船の後ろに取り付いたのです。
船老板以為這就覓事了、哪曉得這次船上上來兩條海妖幫船拖到了。
船頭が再び海坊主をひしゃくで殴りつけると、海に沈んだ海坊主は四人になって現れました。
船老板繼續用瓢作死的刷、海妖又是一沈、就幫海妖刷成四條了。
「なっ、何て奴らだ!」
幹!稀爛
船頭が殴れば殴るほど、海坊主は二倍に増えていきます。
船老闆越刷海妖越多。
そして八人にまで増えた海坊主は船の周りに取り付くと、薄気味悪い笑い声を出しながら船をゆさぶり始めました。
這一哈海妖有八條了、就幫船一圍、就好邪的全部笑起來了、邊笑邊搖船。
「こりゃ、どうもならん」
這哈是真噶卵了。
船頭はひしゃくを投げ捨てると、力任せに船をこぎ出しました。
船老板直接幫瓢都甩了、取槳直接用最大的力氣划船
ところが海坊主たちが船をゆさぶり続けるので、船はなかなか前へ進みません。
但是這些個海妖一直到搖船、這船是要動不動的。
さすがにこれには気の強い船長も、肝をつぶして叫びました。
本來船老闆還可以耍哈子氣派、幫這事一碰、是狗膽都骸破了。
「たっ、助けてくれ~!」
大聲嬉要死人了、聲音好大喊救命。
すると叫び声にびっくりしたのか、海坊主が次々と海に沈んでいきました。
不曉得是不是這聲音太大了、過幫海妖全骸跑下到海裡面去了。
「・・・助かったのか?」
沒事了?
船頭がほっと息をついて辺りを見渡すと、海がザワザワと騒ぎ始め、さっき投げ捨てたひしゃくと同じひしゃくを持った海坊主が何十人も海から顔を出して、ザブンザブンとひしゃくで船の中に水をくみ入れ始めたのです。
船老板這口氣一松、看一哈海面、水面激盪、這一哈就不平靜了、好幾十條海妖從海裡面一露頭、取的是剛剛和船老闆同款式的瓢、這就一起用瓢幫水往船上舀。
「何をするか!」
啊啊啊啊啊!
船頭は必死にくみ入れられた水をかき出しますが、間に合いません。
船老闆就作死的用兩個小手幫水往外面刨、覓得點卵用。
海坊主たちは薄気味悪い笑い声を出しながら、
這些海妖還邊舀水邊好駭人的到笑。
「はよう、沈んでしまえ。はよう、沈んでしまえ」
と、ひしゃくで水を入れ続けます。
嘴巴裡面喊快點沈快點沈
瘋狂加水
「やめてくれえ~。助けてくれえ~」
船老闆這時候已經覓點辦法了
只能一直求饒
哭喊
船頭が泣き叫びますが海坊主は水を入れ続け、ついに船は沈んでしまいました。
但是海妖不管這些、你哭不哭跟他沒關係、反正他要繼續幫水往船裡面舀、這船就沈啦。
そして海へ投げ出された船頭は死に物狂いで泳ぎ始めましたが、海坊主に足をつかまれて、そのまま暗い海の底へと引きずり込まれてしまったのです。
這一哈船老闆也就落水啦、就作死的遊啊游、海妖看到你遊、還要幫你兩個踋一扯、船老板就被這麼到拖入無盡的深海裡面去啦。
おしまい
结束
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