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福娘童話集 > 百物語 > 六月
(移転中) 6月10日の百物語
(10月6日的日本鬼故事)
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ばばいるか
婆到吧
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、山の中の一軒家に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
到好久以前、山裡面一間屋、公婆住到的。
子宝にはめぐまれませんでしたが、二人は人もうらやむほどに、なかむつまじく暮らしていました。
雖然是覓(沒)得小兒、但過得都也還知足、關係也好、讓人妒恨這種。
ある日、体が弱くなったおじいさんが言いました。
有天、老頭子身體就不行了。
「ばば、わしもそろそろ寿命じゃ。
我人也差不多覓得了。
いつ死なんならんやもしれんが、わしゃ、死んでも墓にゃ入りとうない。
也不曉得甚麼時候死、記得不要下葬。
いつまでも、この座敷に置いてくれ」
一直就幫我放屋裡頭。
それから間もなく、おじいさんは本当に死んでしまったのです。
覓好久、老頭子是真死了。
「じいさまとの約束じゃ。墓に埋めるこたあでけん」
也是港跟老爺子答應好這遺體不能埋。
おばあさんはそう言って、おじいさんを生きていた時のまんまの姿で、座敷にかざっておいたそうです。
婆子看老爺子活到時候怎麼樣、就死到的時候也甚麼樣子、擺到客廳的。
そして不思議な事に、死んだおじいさんが夜になると言うのです。
怪事、這死人一到晚上還可以港話。
「ばばいるか、ばばいるか」
婆到吧、婆到吧
おばあさんはそのたびに
婆聽到就
「ああ、ああ、おるわいやあ」
到的、到的。
と、返事をしていましたが、毎晩毎晩これでは、用事があっても家を離れる事が出来ません。
就回、但是每天晚上都是這樣子、有事也抽不開身。
そんなある夜、誰かが家の戸を叩きました。
就有條晚上、那個到敲門。
「こんなおそうに、いったい誰やろう?」
這晚上敲門、那個啊?
おばあさんが戸を開けると、大きな荷物を背負った男が立っていました。
開門、就看到背好大一個包的男的到。
「わたしは薬売りじゃけんど、途中で道に迷うてしまい、日が暮れて困っとる。どうか今夜一晩、泊めてもらえんじゃろか?」
我是賣藥的、路走迷了、天也黑了、讓我借一夜到這裡好吧?
「そりゃあ、なんぎな事で。こがなきたなげな家でよけりゃあ、泊まりんさい」
你要是不嫌棄這屋子蛆卵黑的、將就一晚上也可以。
「ありがたい。地獄で仏とは、この事じゃ。そんなら一晩、お頼みもうします」
都港地獄碰佛、我這次也是看到了、感謝感謝。
こうして薬売りが家に入ると、おばあさんは薬売りに言いました。
賣藥一進屋、老婆婆就跟他港。
「薬屋さん、お客のあんたに頼んではすまんが、ちいとばかり用足しに出てくるからに、留守番をしとってもらえんやろか? じきに戻るけん」
你是客人拜託你也不好、我有點事、一哈就回來、幫我先守哈屋。
「ああ、そのくらいは、たやすい事。どうぞ、行ってきんさい」
好、這個簡單、你先去就是。
するとおばあさんは喜んで身支度をはじめ、家を出るところで薬売りに言いました。
老婆子這就好開心準備穿衣服出去了、出去的時候對賣藥的港。
「実はな、奥の座敷に死んだじいさまをまつってあるが、わしを恋しがって、時々『ばばいるか、ばばいるか』と言うんじゃ。その時にゃあ、『ああ、ああ、おるわいやあ』て言うてやってくだされ」
實際上客廳的那條老爺子是死的供到哪裡的、但是還是對我念念不忘、一哈就問我、到吧到吧、你這個時候港到就可以了啊。
「はあ? 死んだじいさまを」
啊、死了?
話を聞いた薬売りはびっくりしましたが、おばあさんはすぐに出かけてしまいました。
賣藥的一慌、老婆子都走啦。
「なんや、困った事になったぞ」
這是甚麼鬼
薬売りは逃げ出そうかと思いましたが、でも辺りには他に家がないので、仕方なく留守番を続ける事にしました。
賣藥的想跑了算了、但這山上也覓得其他地方有屋、就守屋算了。
留守番を始めてしばらくすると、奥の座敷から声がかかりました。
這就一哈、最裡面的房間聲音就來了。
「ばばいるか、ばばいるか」
婆到吧、婆到把。
薬売りの心臓がドキンとはね上がりましたが、薬売りはおばあさんに教えられた通りに返事をしました。
賣藥的心臟就到彈啊、就用老婆子交待起的話
「ああ、ああ、おるわいやあ」
我到啊、我到啊。
するとしばらくして、また声がかかります。
又過一哈
「ばばいるか、ばばいるか」
婆到吧?婆到吧?
不気味な声に、薬売りはブルブルと震えながらも答えました。
賣藥的這身體就抖啊、又繼續港。
「ああ、ああ、おるわいやあ」
我到啊、我到啊
するとまた、声がかかります。
聲音又來了。
「ばば、今夜は寒いのう。かぜひかんよう、ぬくうしとれや」
婆、婆、今天晚上冷啊、莫感冒了、穿暖和點拉。
(へっ?!)
啊啊啊!
さっきとは違う言葉に、薬売りは何と答えて良いか分からず、とにかく教えられた返事をしました。
這一哈變了、藥客不曉得回甚麼、急了、又是現(重複)話。
「ああ、ああ、おるわいやあ」
到啊、到啊。
すると奥から、少し怒った声がしました。
這次裡面屋就好像有點發火了。
「ばば、わしの言う事を聞いとらんのか!?」
喂、婆、我港甚麼你覓聽啊!?
あわてた薬売りは、また同じ返事をしました。
藥客又是
「ああ、ああ、おるわいやあ」
到啊、我到啊。
すると奥の座敷で、何かが立ち上がった音がしました。
這次客廳裡面好像是甚麼站起來的聲音。
「ばば、ばば、本当にばばかえ」
婆、婆、你真的是婆啊。
そしてふすまがスーッと開いて、奥の座敷から骨と皮ばかりになったおじいさんが出て来ました。
這就紙門一著(被)拉開
裡面一條皮包骨的老爺子就進來了。
「ウギャーーーー!」
啊啊啊!
薬売りは悲鳴を上げると、そのまま外に逃げ出してしまいました。
藥客一嬉、跑了。
すると骨と皮ばかりのおじいさんも、逃げた薬売りを追いかけました。
這老頭子就追藥客。
「ばば、待ってくれ。わしを置いていくな!」
嘴巴裡面還喊、婆、你不要離開我、等我啊。
逃げた薬売りも、追いかける骨と皮ばかりのおじいさんも、二度と戻って来なかったそうです。
藥客跟老爺子這一跑之後、這就都覓(沒)看到回來過了
おしまい
结束
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