福娘童話集 > きょうの百物語 福娘童話集 きょうの百物語 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 


福娘童話集 > きょうの百物語 > 12月の百物語 >夕焼けナスビ

12月2日の百物語

夕やけナスビ

夕焼けナスビ

日本語 ・日本語&中国語

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 「櫻井園子」  櫻井園子エス代表 《櫻井園子キャンドルWEB販売》

おりがみをつくろう ( おりがみくらぶ より)
茄子の折り紙なすび

 むかしむかし、深い山の中に、鬼山村(おにやまむら)という村がありました。
 ここ村人たちは人と付き合うのをひどく嫌って、村から外へ出る事がありません。
 それでも生活に必要な塩を買う時だけは、いくら人嫌いな村人たちも仕方なく浜野村(はまのむら)まで塩を買いに行くのでした。
 けれど自分たちの姿が見られるのが嫌なので、買い物をすませるとまるで消える様に帰ってしまうのです。
 だからよその村人たちは、鬼山村の者をほとんど見た事がありませんでした。

 ある日の事。
 浜野村の男が鬼山村の人をからかってやろうと、一人で村を訪ねていきました。
 ところが村には人影どころか、ネコの子一匹見えません。
「なんだ、これではからかいようがないではないか」
 そこで男は、誰でもいいから外に呼び出してやろうと大声で叫びました。
「おらの畑のナスビは、すごくでっかくて、たくさんあるんだぞー!」
「・・・・・・」
 家の中に人がいる気配はするのですが、誰も外へは出てきません。
 男は前より、もっと大きな声で叫びました。
「おーい! お前んとこの塩をちっとくれたら、おれの広い畑のでっかいナスビを、みんなくれてやるぞー!」
 それでも家からは、誰も出てきません。
「ちえっ。おもしろくねえ」
 男はぶつぶつ言いながら、自分の村の方へ帰って行きました。
 すると、どうでしょう。
 たくさんのナスビが夕焼けの空をうずめるようにして、自分の頭の上を飛んで行くではありませんか。
 ナスビは浜野村の方から飛んできて、鬼山村の方へと向かっています。
「もしかして!」
 男があわてて自分の畑に行ってみると、なんとナスビは一つ残らずなくなって、一面のぼうず畑になっていたのです。
「おっ、おれのナスビが・・・」
 男がガッカリして家に帰ってみると、家の門の前に塩が一つまみ、チョコンと置いててあったそうです。

おしまい

前のページへ戻る


     12月 2日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
原子炉の日
きょうの誕生花
ユーカリ(Eucalyptus)
きょうの誕生日・出来事
1995年 水瀬いのり(声優)
恋の誕生日占い
明るくてまじめな、友達思いの女の子
なぞなぞ小学校
羊が大きくなると、どうなる?
あこがれの職業紹介
不動産鑑定士
  12月 2日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
山の神がくれたお嫁さん
きょうの世界昔話
けものたちの内緒話
きょうの日本民話
人魚が教えてくれた秘密
きょうの日本民話 2
文吾のへそ岩
きょうのイソップ童話
コウモリとイバラとカモメ
きょうの江戸小話
富士山の入れ物
きょうの百物語
夕焼けナスビ

福娘のサイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ