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福娘童話集 > 百物語 > 十二月
12月24日の百物語
(12月24日的日本鬼故事)
怒った石灯篭(いしどうろう)
顯靈石燈籠
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、ある藩(はん)に、ご城代役(じょうだいやく)を務めている侍がいました。
到好久以前、一處藩領由大名心腹代治。
この侍は大変、風流(ふうりゅう)を好む人です。
這心腹雅意也濃。
ある日の夕暮れ、城代が近くの川原をぶらりぶらりと歩いていると、畑の中に何か黒い物が立っていました。
這就黃昏、城代的心腹這就走到溪邊、漫無目的、農田裡面這就一條黑黑的甚麼挺到的。
(はて? 灯篭(とうろう)の様であるが)
那是條甚麼?石燈啊。
そばへ行って見ると、古びてはいますが立派な石。灯篭です。
這過去還確實就是條石燈籠、雖然舊了點、不過是條好貨。
(ふーむ、これは見事。なかなかの名工(めいこう)が作ったに違いない。それにしても、なぜこんなところに?)
這一看就曉得雕這燈籠的人肯定有名、但是現在怎麼到這裡了啦。
不思議に思った城代は、近くで畑を耕しているおじいさんにたずねました。
這就問邊上種田的老家夥。
「これこれ。ちょっとたずねるが、なぜこの様な畑の中に、灯篭が立っておるのじゃ?」
就問田裡面插燈籠的緣由。
するとおじいさんは、相手がご城代役とは知らずに、『妙な事を聞くお侍じゃ』という様な顔で答えました。
種田的也不曉得別個就是現在的代藩、就當別個是條問些稀奇古怪的東西武士。
「へえ、へえ。
この石灯篭は、ずいぶんむかしからここにあった物だそうで。
這燈籠好早前就來了哦。
わしの親から聞いた話では、決してこの灯篭を、いじくってはならぬとの事。
我老頭有交待過我、這條燈籠撓都莫撓。
万が一にも、これを取り除けますと、その者にたたりが来ると申しておりました」
要是那個敢動了他、那就是稀爛。
「なに。たたりとな?」
這燈籠還得害人啊?
「へえ。わしら百姓には邪魔な灯篭ですが、親からの言い伝えなので、このままにしております」
得、不然我們早幫他搬走了、妨礙種田、但是先人有交待就㫘動。
「ふーむ。なるほど」
這樣子啊。
城代は、その石灯籠をつくづくと見つめました。
藩代這就又好甚布了這燈籠幾眼。
形はいいし、美しいこけが一面に生えていて、いかにも上品です。
發現這燈籠是真的好、苔蘚依附的那面亦是古色蒼然。
こんな畑の中に置くのは、どう考えても、もったいない品です。
這燈籠就這麼插到這農田裡面是好可惜哦。
(これを城内の庭に置いたら、さぞよかろうに)
代藩這就想幫這石燈籠移到城中的庭院。
そう思いながらも、その日はそのまま帰りました。
但也只是有這個意向、當天是先回了去。
城に戻った城代は、家来に石灯篭の事を調べさせました。
這就歸了城、先斥人去訪哈子這燈籠的來歷。
けれど、むかしその場所にお寺が建っていたというだけで、それ以上の事は何もわかりません。
但就只曉得當初農田上面是間廟、這就㫘得更多線索了。
「石灯籠もあんなところにあるよりも、城の庭に置かれた方が喜ぶであろう」
代藩就想比起插到農田、石燈籠自己估計也覺得到城裡的庭院要好吧。
城代はそう考えて、家来たちに石灯籠を持って来させました。
這就斥人去取燈籠了。
そして庭に運ばせて、築山(つきやま→庭園などに、山に見立てて土砂または石などを用いてきずいたもの)の植え込みの間に立てさせました。
這就院裡面一搬、土峰上面一插。
すると庭が、一段と立派になりました。
有這傢伙到院裡面就好看多了。
「なるほど、これはよい」
好傢伙好傢伙。
石灯籠を気に入った城代は、日が暮れるまで庭をながめていました。
代藩㫘得卵事作、就坐到院子裡面一直看燈籠、這就天都快黑了。
その日の夜更け、
這就夜深了。
ダン、ダン、ダン、ダン、ダン
ダン、ダン、ダン、ダン、ダン
達達達
と、激しくお城の門を叩く者があります。
一陣好用力的敲門聲音。
そして叩きながら、何かをしきりにわめいている様子です。
而且好像還是到邊敲邊唏。
門番が飛んで行くと、外から声がしました。
守門就去看。
「自分は、堀貫(ほりぬき)の彦兵衛(ひこべえ)と申す者。すぐに、ここを開けよ」
來人這就報姓、自己是堀貫的彦兵衛、講有急事。
門番が扉のすきまからそっとのぞいてみると、月明りの下に一人の男が仁王立ちに立っていました。
守門這就從門縫看外面、月光下、一條猛男站到的。
頭髪をわらで束ねて、ぼろ着物を着て、腰を荒なわでしばったむさくるしい男です。
但身上就好窮酸破爛。
(何とも汚い男だ)
這男的好䖰䘅。
門番は、男があまりにも汚い身なりをしていたので、門を開けずにいました。
別個看他是這樣子、門都不開。
すると男は、雷の様な大声でわめきたてたのです。
這男的就一哈大聲的唏。
「ご城代どのに! 堀貫の彦兵衛が! まいった事を! 急ぎ、お知らせ願いたい!」
講自己邏代藩有急事、好急。
(この夜更けに、とんでもない奴じゃ!)
守門就想自己莫不是碰到癲子了、這麼深更半夜。
門番は無視をして、番小屋に戻ろうとしました。
すると外から、
這就準備回去了
這就一哈。
「やっ!」
發力狀。
と、ひと声、声が聞こえたかと思うと、男が門を飛び越えて中に入ってきたのです。
這男的就破門進去了。
「くせ者、くせ者でござる!」
有人鬧事!有人鬧事!來人啊!
門番がそう言ったとたん、門番は男に倒されてしまいました。
這就一哈、守門的就倒地上了、被男的。
翌朝、家来の一人が門の近くへ行くと、門番が地面に倒れて気絶しているではありませんか。
到了白天、這才來了個人看到守門的昏死到地上的。
介抱(かいほう)されて気がついた門番が昨夜の事を話しましたが、誰も信じてはくれませんでした。
幫人扶起來喊醒、這就講晚上的怪事、㫘得一條人信。
その日の夜更け、
這就天又黑了、半夜。
ダン、ダン、ダン、ダン、ダン
ダン、ダン、ダン、ダン、ダン
達達達
と、また激しく門を叩く者があります。
昨天那條批兒又來了。
門番が近づくと、
守門的就過去看。
「堀貫の彦兵衛でござる。ご城代どのに、お目通り願いたい」
講自己是堀貫の彦兵衛、喊守門的去通報、自己要見藩代。
と、言うのです。
這麼講了。
門番は昨日とは違う者でしたが、昨夜の出来事は聞いていました。
今天守門的是另外一個、交班了、但也聽講了昨天的鬼事。
(あの話は、本当であったのか)
違真有這鬼事?
気味悪く思った門番が、どうしようかと考えていると、
這守門的就想要怎麼搞。
「えいっ!」
發力狀。
と、彦兵衛と名乗った男が門を乗り越えて、屋敷の方へ走って行ったのです。
這人過直接破門進去了。
彦兵衛は城代の寝間(ねま)に入ると、その枕元に仁王立ちに立って、雷の様な声で怒鳴りつけました。
直接進到代藩主的屋、就直接到枕頭邊上假勁唏。
「その方! なにゆえあって、我が石灯篭を奪ったのじゃ!
燈籠!我的燈籠!
あの石灯籠は、我なきあとのしるしとして、ほんの形ばかりを残したもの。
那是我死後的墓碑。
すぐさま、元に返せばよし。
快點插回去。
さもなき時は、うらみをなさん!」
不然你就稀爛!
それを聞いた城代は、枕元の一刀を取るなり、
代藩主聽到這話直接取刀。
「無礼者っ!」
死!
と、彦兵衛に切りつけました。
這就直接刀一據。
しかし刀は、
但是刀。
カチーン!
碰撞聲。
と、石を叩いた様な音とともにはじかれ、彦兵衛の姿は消えてしまいました。
這就像砍到塊石頭樣的往回一彈、男的也消失不見了去。
夜が明けると、城代はすぐに庭へ出て行きました。
天亮了、代藩馬上去庭院看燈籠。
そして築山の植え込みに立っている石灯篭を調べてみると、笠石(かさいし)のところに昨夜の刀の傷跡がはっきりと残っていたのです。
這就看到石燈籠腦鬠上面一條刀印子刮到的。
「うむ。この石灯籠には、よほどの深い訳があるに違いない」
這裡面肯定有個甚麼脈絡到。
城代はその日のうちに、石灯籠を元の場所に返しました。
這就當天幫到燈籠又移了回去。
それからは、あの彦兵衛が現れる事はありませんでした。
這後面半夜也是㫘人來敲門了。
おしまい
结束
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