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妖精(ようせい)・仙女(せんにょ)・精霊(せいれい)

　妖精(ようせい)と仙女(せんにょ)と精霊(せいれい)は、厳密(げんみつ)にはちがう存在(そんざい)ですが、福娘童話集(ふくむすめどうわしゅう)では同様(どうよう)の物(もの)として説明(せつめい)いたします。

　妖精(ようせい)(Fairy)は、西洋(せいよう)で信(しん)じられている超自然的存在(ちょうしぜんてきそんざい)で、多(おお)くは人間(にんげん)の姿(すがた)をしており、フェアリーランド(→妖精(ようせい)の国(くに))とよばれる架空(かくう)の国(くに)にすみ、魔法(まほう)をつかって人間(にんげん)にいたずらをしたりします。
　ブラウニー、グノーム、エルフ、ゴブリン、コーボルト、シルフ、ウンディーネといったものも、妖精(ようせい)の仲間(なかま)です。
　妖精(ようせい)たちはフェアリーランドだけに生活(せいかつ)しているのではなく、丘(おか)や樹木(じゅもく)、小川(おがわ)など日常的環境(にちじょうてきかんきょう)のいたるところにいると考(かんが)えられ、自然(しぜん)の中(なか)には、妖精(ようせい)がダンスをした跡(あと)という「妖精(ようせい)の輪(わ)」をはじめ、「妖精(ようせい)の食卓(しょくたく)」、「妖精(ようせい)の馬(うま)」などがあるとされています。

　一般的(いっぱんてき)な妖精(ようせい)の描写(びょうしゃ)は、「背丈(せたけ)は数(すう)インチ、体(からだ)は空気(くうき)のように軽(かる)く透明(とうめい)に近(ちか)い、たとえ露(つゆ)のしずくの上(うえ)でダンスしても、しずくがこわれないほど華奢(きゃしゃ)にできている」とされています。
　
　妖精(ようせい)は人間(にんげん)に恩恵(おんけい)をもたらすとされていますが、わるい妖精(ようせい)は人間(にんげん)の子供(こども)に魔法(まほう)をかけたり、赤ん坊(あかんぼう)をさらって、かわりに「取り替(とりか)え子(こ)」とよばれるみにくい赤ん坊(あかんぼう)をおいていったり、家畜(かちく)の突然死(とつぜんし)をひきおこしたりするとされています。

　妖精(ようせい)・仙女(せんにょ)・精霊(せいれい)などが登場(とうじょう)する主(おも)な世界昔話(せかいむかしばなし)。

・ミツバチマーヤの大(だい)ぼうけん
・魔法(まほう)のあみぼう
・王子(おうじ)さまの耳(みみ)はロバの耳(みみ)
・水(みず)の妖精(ようせい)
・シンデレラ
・ピーター・パン
・秘密(ひみつ)の花園(はなぞの)
・騎士(きし)と水(みず)の精(せい)
・タニシ王子(おうじ)
・チワンの錦(にしき)
・花(はな)のおじいさん