昔話の英語《福娘童話集》昔話の英語 日本語昔話の英語《福娘童話集》 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 


ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) > がいこくご > にほんむかしばなし

子育てゆうれい
イラスト たつよ   提供 らくがきの日常

こそだて ゆうれい

(日本昔話)

♪Reading in Japanese
音声 ☆横島小次郎☆



にほんご  ・ えいご  ・ はんたい ちゅうごくごかんたい ちゅうごくご

にほんご&えいご ・ にほんご&はんたい ちゅうごくご ・ にほんご&かんたいちゅうごくご

 むかしむかし、ある むら に、いっけん の アメや が ありました。

子育てゆうれい

 ある とし の なつ の こと、よる も おそくなった ので、アメやさん が そろそろ みせ を しめようかと おもっていると、

 トントントントン

と、と を たたく おと が しました。

「はて、こんな おそく に だれ だろう?」

と、アメやさん が と を あけて みますと、ひとり の おんなのひと が たっていました。

子育てゆうれい

「あの、アメ を くださいな」

「あっ、はい。しょうしょう おまち を」

 アメやさん は おんなのひと が もってきた うつわ に、つぼ から みずアメ を すくって いれました。

「へい。いちもん(→30えんほど)いただきます」

「ありがとう」

 おんなのひと は おかね を はらう と、きえる ように いって しまいました。



 その つぎ の ひ。

 きょう も アメやさん が とじまり を しようと おもっている と、また と を たたく おと が します。

「あの、アメ を くださいな」

 やはり、あの おんなのひと でした。

 おんなのひと は きのう と おなじ ように アメ を かう と、スーッ と、どこか へ かえっていきます。

 それから まいばん、おんなのひと はよふけ に なると アメ を かい に きました。

 つぎのひ も、その つぎのひ も、きまって よふけ に あらわれて は アメ を かって いくのです。



 さて、ある あめ の よる。

子育てゆうれい

 このひ は となりむら の アメやさん が たずねて きて、いろいろ と はなしこんで いたのですが、

「あの、アメ を くださいな」

と、いつも の よう に あらわれた おんなのひと を みて、となりむら の アメやさん は ガタガタ ふるえだしたのです。

子育てゆうれい

「あ、あ、あの おんな は、ひとつき ほど まえ に しんだ、まつきち の かかあ に ちげえねえ」

「えっ!」

 ふたり は、かお を みあわせました。

 しんだ はず の おんなのひと が、よなよな アメ を かい に くる はず は ありません。

 しかし となりむら の アメや は、まちがいない と いいます。

 そこで ふたり は、おんな の あと を つけてみる こと に しました。

子育てゆうれい

 アメ を かった おんなのひと は はやし を ぬけ、となりむら へと あるいていきます。

 その ばしょは、

「はっ、はか だ!」

 おんなのひと は はかば の なか に はいって いく と、スーッ と むけり の ように きえて しまったのです。

「お、おばけだー!」

子育てゆうれい

 ふたり は おてら に かけこむ と、おしょうさん に これまで の こと を はなしました。

 しかし おしょうさん は、

子育てゆうれい

「そんな ばかな こと が あるものか。きっと、なにか の みまちがい じゃろう」

と、いいました が、ふたり が あまりにも しんけん なので、しかたなく ふたり と いっしょ に はかば へ いってみること に しました。

 すると、

 オンギャー、オンギャー

子育てゆうれい

と、 かすか に あかんぼう の なきごえ が きこえてきます。

 こえ の する ほう へ いってみると、

「あっ、にんげん の あかんぼう じゃないか! どうして こんなところに?!」

子育てゆうれい

 おしょうさん が ちょうちん の あかり を てらしてみると、そばに てがみ が そえられています。

 それに よると、あかんぼう は すてご でした。

「てがみ に よると、すてられた のは すうじつまえ。それから なんにち も たつ のに、どうして いきられたんじゃ?」

 ふと みると、あの おんなのひと が まいばん アメ を かっていった うつわ が、あかんぼう の よこ に ころがって いたのです。

 そして、あかんぼう が すてられた そば の はか を みると。

子育てゆうれい

「おお、これ は このまえ に しんだ、まつきち の にょうぼう の はか じゃ!」

 なんと ゆうれい が、にんげん の こども を そだてて いたのです。

「なるほど、それ で アメ を かい に きたんだな。それ も じぶん の むら では かお を しられているので、わざわざ となりむら まで」

 きっと じぶん の はか の そば に すてられた あかんぼう を、みるにみかねた に ちがいありません。

 おしょうさん は こころ を うたれて、まつきち の にょうぼう の はか に て を あわせました。

子育てゆうれい

「やさしい ほとけさま じゃ。この こ は わし が そだてる に、あんしんして くだされよ」

 こうして おはか に すてられた あかんぼう は、おしょうさん に ひきとられました。

 それから あの おんなのひと が アメやさん に あらわれる こと は、もう にど と なかったそうです。

おしまい

前のページへ戻る

福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識