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福娘童話集 > きょうの日本昔話 > 1月の日本昔話 >芝居見物 吉四六(きっちょむ)話
1月6日の日本の昔話
芝居見物
戲院看戲
吉四六(きっちょむ)さん → 吉四六さんについて
・日本語 ・中国語 ・客家語
・日本語&中国語 ・日本語&客家語
客家語 : 鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもゆかいな人がいました。
頭擺頭擺,有一個安著吉四六先生个人,非常樂線。
ある日、臼杵(うすき→大分県)の町に、都から芝居がやって来ました。
有一日,在大分縣臼杵街路有一隻大都市來个戲班仔。
この辺りでは、これほどの大芝居は初めてです。
這搭仔,第一擺有恁大个戲班演出。
毎日多くの人が押しかけ、うわさを聞いた吉四六さんも、臼杵まで山を越えてやって来ました。
逐日當多人相爭去看,聽到風聲个吉四六先生也翻山過嶺來著臼杵。
町に着くと、大きな芝居小屋がたっていました。
來到街路後,有一間大院。
芝居小屋の前には役者の名をそめたのぼりが立っていて、入口には綺麗な絵看板が並んでいます。
在戲院面前插當多彩色个旗仔,頂背寫等演出人員个名仔,入口排等靚靚圖畫廣告牌仔。
吉四六さんは、さっそく入ろうと思いましたが、
吉四六先生想愛煞煞落去,毋過,
「しまった!」
「慘了!」
かんじんのお金を、忘れてきたのです。
最重要个錢無袋著。
「これでは、入る事は出来んな」
「恁樣斯無辦法落去咧。」
そこで吉四六さんはあれこれと考えて、一つの名案を思いつきました。
吉四六先生想來想去,想著一隻妙計。
「よし、この手でいこう」
「好!用這種方法試看啊仔!」
吉四六さんは人混みに紛れて芝居小屋の入口までやって来ると、くるりと向きを変えて、わざと大きな声で言いました。
吉四六先生來到人群當亂个戲院入口,轉過身來挑挑大聲講:
「どうしたのかなー! あいつはー!」
「仰會恁樣哪!像該種人!」
そして、人を探すふりを始めたのです。
續等佢就開始詐意尋人。
まるで人を探しながら、今、この芝居小屋の中から出てきたと言わんばかりです。
像形這下堵堵對戲院肚出來。
キョロキョロしている吉四六さんの後ろに、芝居小屋へ入ろうとする大勢のお客が詰めかけてきました。
東看西看个吉四六先生後背,想愛落戲院个人客人山人海尖等來。
それでもまだ、「来ないなあー! あいつー!」と
雖然恁樣,佢還係講:「無來哪!該個人!」
わざと入ってくる人の邪魔をする様にしていると、芝居小屋の番人がやって来て、
詐意像形非常麻煩來看戲个人客樣時節,掌門个人講:
「もしもし、そこの人。
「噯,噯,這位先生,
出るのかね?入るのかね?出るなら出る、入るなら入るで、早くしておくれよ。
邪魔になるじゃないか」
愛出來?愛落去?愛出去斯出去,愛落來斯落來請你較遽兜!毋好杈著人客。」
すると吉四六さんは、すまなそうに言いました。
過後,吉四六先生像儘失禮个講:
「いやー、連れとはぐれたんだが。
「實在哦!共下來仰般會行散忒?
・・・仕方ない、中で待つとするか」
...無奈何,來去裡肚等好啦!」
こうして吉四六さんは芝居小屋に入って行き、ただで芝居見物をしたのです。
斯恁樣,吉四六先生行落戲院肚去,看一擺免費个戲。
おしまい
煞咧
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