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1月19日の日本の昔話
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イラスト たつよ 提供 らくがきの日常
一休のくそとなれ
變做一休个屎
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客家語 : 鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、一休さん(いっきゅうさん)と言う、とんちで評判の小僧さんがいました。
頭擺頭擺,有一個安到一休个人,大家都講佢係當伶俐个細沙彌。
一休さんがまだ小さい頃、始めて修行をしていたお寺の和尚(おしょう)さんは、ひどいけちん坊でした。
一休先生還細个時節,開始修行个寺廟住持和尚非常齧察。
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おまけにお寺では食べてはいけない、塩ザケをおみそ汁の中へ煮込んで、
還在廟肚煮做毋得食个鹹鰱魚米漿湯來食,
「ああ、うまい。体が温まるのう」
と、平気で食べているのです。
像無事人樣緊食緊講:「啊!還好食,完身燒暖起來。」
当然、一休さんたち小僧には、一切れも分けてはくれません。
當然,一休該兜細沙彌一垤都分毋著,
しかも塩ザケを食べる時の、和尚さんの言葉がとても気どっていました。
還過和尚住持食鹹鰱魚个時節,講个話特假精假怪:
「これなる、塩ザケよ。
そなたは、枯れ木と同じ。
「這、鹹鰱魚啊!
你這兜像燥忒个樹仔,
いくら助けたいと思うても、今さら生きて海を泳ぐ事など出来ぬ。
想盡方法來幫助你兜也無法度,準講這下返生放轉海肚,
よって、このわしに食べられ、やすらかに極楽(ごくらく)へまいられよ」
你兜也毋會泅水,所以𠊎正會摎你煮來食,祝福你平安去到極樂世界。」
それを聞いた一休さんは、
聽到這種話,一休先生講:
「ふん、自分で料理しておきながら、何が極楽だ」
「啍,自家摎人煮來食還講麽个極樂世界。」
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と、他の小僧たちと腹を立てていました。
其他个細沙彌乜常受氣。
ある日の事。
有一日,
一休さんは朝のお務めをすませると、魚屋へ走って行って大きなコイを一匹買って来ました。
一休先生做好朝晨頭个事以後,走去魚店買一尾大鯉嫲。
そしてお寺へ戻ると、まな板と包丁を取り出して、なベをかまどにかけました。
轉去廟項後,拿出砧板摎菜刀、灶頭火起著來。
それを見た和尚さんは、ビックリして言いました。
住持和尚看到著驚下講:
「一休! お前、そのコイをどうするつもりぞ!」
「一休!你買該尾大鯉嫲愛做麽个!」
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「はい。
このコイを、食べます。
この前、和尚さんに教わったお経を唱えますので、聞いて下さい」
「係哦!大鯉嫲愛煮來食啊!前幾日在你該學來个經,請你聽看阿!」
「お前、正気か!」
「較正經兜!」
「はい、正気でございますとも」
「𠊎當正常啊。」
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一休さんは少しもあわてず、コイをまな板へ乗せてお経を唱えました。
一休先生無半點緊張,摎大鯉嫲放在砧板頂,頌起經來:
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「これなる、生きゴイよ。 そなたは、この一休に食べられて、くそとなれ、くそとなれ」
「這、生生个大鯉嫲啊!你分一休食忒變做屎,變做屎。」
唱え終わると一休さんはコイを切り身にして、なベに放り込みました。
頌忒後一休先生就摎大鯉嫲切做一垤一垤放落鑊肚。
「むむっ。・・・『くそとなれ』か」
「m11...『變做屎』嘎?」
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和尚さんは、今まで塩ザケに向かって『極楽へまいられよ』と言っていたのが、恥ずかしくなりました。
住持和尚因為一溜來對鹹鮭魚講『去極樂世界』,這下嗄變做當見笑。
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『くそとなれ、くそとなれ』
と、本心を言った小さな一休さんに、してやられたと思ったのです。
愛來替會講真心話講『變做屎,變做屎』个細一休先生,做兜事,
(こいつはきっと、大物になるぞ。わしの所ではなく、もっと良い和尚の所にあずけるとするか)
(這个猴子下二擺定著會係大人物。來𠊎這位毋著咧,係毋係愛送佢去較好个和尚該位正著?!)
「それでは、頂きます」
「該就無客氣了!」
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一休さんは和尚さんの顔色をうかがう事なく、他の小僧たちと一緒にコイこくをおいしそうに食べました。
一休先生無插住持和尚个面色,摎該兜細沙彌共下食大鯉嫲切圈煮个米醬湯,食到sud2 sud2滾,像人當好食樣。
おしまい
煞咧
※ コイこくとは、コイを輪ぎりにして煮込んだおみそ汁です。
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