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3月5日の日本の昔話
馬に乗る
騎馬
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもゆかいな人がいました。
頭擺頭擺,有一個安到吉四六个先生个人,非常樂線。
さて、今日は朝から良い天気なので、吉四六さんはウマを引いて山をテクテク登って行きました。
今晡日朝晨開始天時盡好,吉四六先生就牽等馬一步一步去山頂。
たきぎを取りに来たのです。
愛去撿樵。
「ほう、良いたきぎがあるわ」
「hou,有恁好恁多樵!」
吉四六さんは、オノでポンポンと枯れ木の枝を切っていきます。
吉四六先生就用斧頭去斬燥樹桍,
しばらくして、たきぎがいっぱいたまりました。
一下仔就斬一大堆。
「よしよし、今日は思ったよりも、たくさん取れたぞ」
「還好哦,今日撿个樵比𠊎想愛个還較多。」
吉四六さんは喜んで、それらを縄で結んでいくつものたきぎの束(たば)を作りました。
吉四六先生當歡喜,用索仔摎佢綑做幾下綑。
「さあ、これを背負っておくれ」
「噯,摎𠊎這兜樵背轉去!」
と、そのたきぎの束をみんな、ウマの背中へ積み上げました。
講煞,該綑好个樵全部堆在馬背囊頂。
やせたウマはたくさんのたきぎを背負って重いので、まるで地面をはいずるような格好になりました。
本旦瘦夾夾个馬,因為背恁多樵忒重咧,看起來斯像在地泥爬樣。
でも、のんきな吉四六さんは、そんな事を気にもしないで、
毋過樂線个吉四六先生並無掛心。
「では、帰るとしようかな」
「無來去轉哪!」
と、ウマの腰を、ポンポンと叩きました。
緊打馬肚屎,
ウマは仕方なく、ヨタヨタしながら山の坂を下りて行きます。
馬無法度,踜踜蹭蹭行等下山。
そしてその坂の途中まで来た時、吉四六さんはやっと、ウマの歩き方がノロノロしている事に気がつきました。
行到半路時節,吉四六先生注意到馬个脚步慢下來囉。
「おや、何だかヨタヨタしているなあ。おおっ、そうか、そうか。これは気がつかなくて悪かった。こんなにたくさん荷物を背負っては、さぞ重かったろうなあ」
「噯,仰會踜踜蹭蹭,噢,係無?係無?無注意著,壞了,背恁多東西,敢毋会忒重?」
そして、ウマの首をなでながら、
過後,手緊挲馬个頸筋。
「だが、もう安心しろよ。わたしも手伝ってやる。そのたきぎを少し背負ってやるからな」
「放心!𠊎會摎你𢯭手㧡多少仔。」
と、吉四六さんはウマの背中から、たきぎを二束ほど下ろしてやりました。
吉四六先生斯摎馬背囊頂个樵拿二綑下來。
そしてそれを、「うんとこしょ!」と、自分の背中に背負いました。
「ng!」聲,就背上自家个背囊頂。
それからウマと一緒に歩いて行くのかと思いきや、そうではありません。
佢想著這下開始愛摎馬共下行,做毋得。
たきぎを背負った吉四六さんは、そのまま自分もウマの背中の上に乗ったのです。
背等樵綑个吉四六先生就跳上馬背囊頂去。
「たきぎを二束も背負うと、なかなか重いものだわい」
「二綑樵背等,實在還重哪!」
吉四六さんは汗をかきながら、ウマの背中に乗っています。
吉四六先生汗流脈落騎在馬背囊頂。
「だが、わたしがこれだけでも手伝ってやれば、ウマも助かるだろう」
「𠊎背這一息仔,對馬多少乜有幫助。」
吉四六さんは、安心した様な顔をして言いますが、
吉四六先生看起來盡安心个樣仔在該講。
でもウマは、そんな吉四六さんとたきぎを乗せて、前よりも、もっとヨタヨタしながら歩いて行きました。
毋過,馬因為吉四六先生㧡等樵騎在馬頂,馬行路顛倒比頭下還較踜蹭。
おしまい
煞咧
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