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6月27日の日本の昔話
大福虫
大福蟲
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、ある田舎のお話です。
頭過頭過,某某莊下个故事。
町から来た人が、道に大福もちを一つ落としていきました。
一個城肚來个人在路上跌忒一個粢粑大福。
「おや?おかしな物を落としていったぞ」
「唉哦?𠊎个東西跌忒囉。」
子どもたちが集まってきましたが、この田舎では誰も大福もちを見た事がないので、それが食べ物だとわかりません。
細人仔一大群擠過來,因為在這莊下毋識看過粢粑大福,所以也毋知該係做得食个東西。
子どもの一人が指でさわってみると、ぐにゃりとしています。
其中一個細人仔用手指去摸看後,軟濟搭碓。
「うへぇー、ブヨブヨして気味が悪いな」
「He24,還得人驚哪!」
子どもたちが不思議がっていると、一人のお百姓さんが通りかかりました。
細人仔想仰恁奇怪个時節,堵堵一個農夫經過。
「おや?どうしたのだ?何かいるのか?」
「唉哦?仰般?有麼个係無?」
「うん。これ、何だろうと思って」
「m11,這,這係麼个東西?」
「どれどれ」
「𠊎看,𠊎看。」
お百姓さんは大福もちを手に取ってみましたが、お百姓さんにも何だかわかりません。
農夫拈起粢粑大福,但係乜毋知該係麼个東西。
「うーん、このブヨブヨとした感触は、イモムシだな。これはイモムシの親玉に違いない」
「m11,這種摸著軟濟濟个東西、敢係芋仔蟲,這係芋仔蟲个頭仔無毋著。」
「なーんだ、イモムシか」
「麼个,芋仔蟲?」
安心した子どもの一人が指で突っつくと、中から黒いあんこが出てきました。
一個安心後个細人仔用手指揰隻空後,一粒烏疏疏个豆𩜄對裡背走出來。
びっくりしたお百姓は、あわてて大福もちを投げ捨てて言いました。
嚇著个農夫煞煞摎粢粑大福㧒忒。
「馬鹿! そんな事をして、指を食いつかれたらどうするんだ」
「戇牯!做該種事,手指若係分佢咬著,仰結煞?」
「でも、動かないから、死んでいるんじゃないの?」
「毋過,無停無動,毋係死忒嘎?」
子どもに言われて、お百姓さんが恐る恐る大福もちに近づいてみると、破れた大福もちの皮からつぶつぶのあずきが顔をのぞかせています。
分細人仔恁樣講阿去,農夫驚忸驚忸行兼粢粑大福來看,對爛空位所看著一粒一粒紅豆。
「うーん。どうやらこいつは、あずきを食う虫のようだ。
「m11。盡清楚,這就像係食紅豆个蟲仔樣,
こんな大きな虫なら、せっかくの小豆をみんな食べてしまうぞ。
這恁大个蟲仔,會摎紅豆食淨淨。
もう死んでいるようだが、念のために踏みつぶしておこう」
看起來像死忒了,為防萬一,跺分佢死好啦。」
そう言ってお百姓さんは大福もちを踏みつぶすと、たたられないように大福もちのお墓を作って、
講阿講,農夫就跺粢粑大福,為著驚受著責罰,起一隻粢粑大福个風水。
「どうか、成仏して下さい」
「請,恭請成佛。」
と、みんなで手を合わせたそうです。
逐個人都雙手合十。
おしまい
煞咧
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