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ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >にほんむかしばなし(日本民间故事) >七月
7月20日の日本の昔話
金の鳥居(とりい)
金牌坊
翻訳者 広東省恵州学院 関清倩
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもとんちの出来る人がいました。
很久很久以前,有一个非常聪明的人叫吉四六。
ある日の事、吉四六さんは村の家々をまわって頼みました。
「八幡さまの木の鳥居(とりい)が、古くなって壊れそうじゃ。
みんなでいくらかずつを出し合って、金の鳥居を寄付したいと思うが。
どうだろうか?」
有一天,吉四六去到村里的家家户户提出请求说:“八幡大神的木牌坊变旧了,好像快要坏掉了。我想每个人多多少少出一点钱,做个金牌坊怎么样?”
「それは良い考えだ。吉四六さんも、たまには良い事を言うの」
こうして村人たちは、吉四六さんにお金を預けました。
“好主意,吉四六偶尔也有想做好事的时候啊。”就这样,村里的人就把钱放在吉四六那里。
さて、それからいく日もたたないうちに吉四六さんが、
「金の鳥居が、出来ました」
と、ふれまわったので、
「ほう、ずいぶんと早くに出来たな」
之后不过几天,吉四六就四处对村里的人说:“金牌坊做好了。”
“噢,这么快就做好了啊。”
「一体、どんなに立派な鳥居だろう?」
と、さっそく村人たちは、八幡さまヘ出かけて行きました。
“究竟会是多么宏伟的牌坊呢?”说完,村里的人就出发去到了八幡神社那里。
ところが鳥居はそのままで、どこにも金の鳥居なんてありません。
但牌坊还是老样子在那里,哪里都没有看见金牌坊。
「どういう事だ? 吉四六さんを呼んで訳を聞こう」
“这究竟是怎么回事啊?把吉四六叫出来问问理由。”
そこで呼ばれた吉四六さんが、やって来ると、
「ほら、ちゃんとそこに、金の鳥居が建ててあるではないか」
と、みんなの足元を指差しました。
于是,被叫出来的吉四六终于来了,说:“看,不是好好地在这里吗?”说完就往大家的前面指着。
みんなが見てみると、そこには縫い物に使う木綿針で作った小さな鳥居が、ちょこんと置かれていたのです。
大家一看,那里正放着一个用木棉针缝的小小的牌坊。
「なるほど、確かにこれも、金の鳥居だ。こりゃあ吉四六さんに、いっぱい食わされたわ」
村人たちは、笑いながら帰って行きました。
“原来如此。确实这也是金牌坊。这可真是败给了吉四六这家伙啊。”说完村里的人就笑着回去了。
おしまい
結束
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