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5月26日の日本民話 2
嫁殺し田
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むかしむかし、長寿の村として有名な長野県の松川村に、意地の悪いおばあさんと嫁が暮らしていました。
おばあさんは嫁が嫌いだったので、何かにつけて文句を言ったり、わざときつい仕事させたりしたのです。
ある年の田植えの日。
おばあさんは嫁を呼びつけると、怖い顔でこんな事を言い出しました。
「うちはね、田植えは一日でやってしまうのが決まりだよ。わしは腰の具合が悪いから、おめえが一人で植えろ」
「あの、でも、一人で一日は、とても」
「なんだい! 逆らうのか!」
「・・・・・・」
「いいな、一人で植えるんだぞ!」
「・・・はい」
嫁さんはなくなく、苗を持って田んぼに出ました。
田植えを一人が一日で終わらすなんて、とても無理な話です。
それでもやらなかったら、嫁さんはおばあさんにどんな仕打ちをされるかわかりません。
嫁さんは、それこそ死にものぐるいで苗を植え続けました。
やがてお天道さまも西に傾いて、気がつくと夕暮れでした。
それでも嫁さんは、必死で苗を植えました。
手も足もしびれて思うように動きませんが、歯をくいしばって頑張りました。
そうしてとうとう、あともう少しというところまできたのです。
(もう少しだわ)
その時、嫁さんはつい、股ぐらの間からお天道さまを拝んでしまったのです。
するとそのとたん、嫁さんはバッタリ倒れてしまいました。
股の間からお天道さまを拝んだため、バチが当たってしまったのです。
かわいそうに嫁さんは、そのまま死んでしまいました。
その後、その田んぼは『嫁殺し田』と呼ばれるようになりました。
今も松川村のはずれには、その嫁殺し田が残っているそうです。
おしまい
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