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7月3日の世界の昔話
ハツカネズミと小鳥とソーセージ
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※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「天乃悠の朗読アート」 天乃悠の朗読アート
むかしむかし、ハツカネズミと小鳥とソーセージが、仲良く暮らしていました。
「さあ、今日もご飯をつくろうか」
小鳥の仕事は、森の中へまきを取ってくることです。
ハツカネズミはナベに水をくんで、火をおこします。
そしてソーセージは料理をにたきし、その中を泳いで味をつけるのが仕事でした。
ある時、小鳥が仲間の鳥に、自分たちの生活が、いかにすばらしいかをじまんしていました。
ところが、相手の鳥は、
「まき取りだって?
お前の仕事は、損な仕事をしているな。
だって、他の二人は外へ出ることもないのに、お前は重い荷物を運ばなければいけないじゃないか。
おれらな、仕事を代わってもらうけどな」
こう言われて、小鳥もすっかりその気になってしまいました。
そしてご飯をつくろうとする時、小鳥は言いました。
「今までわたしは、あなたたちの下働きのようなことをしてきたわけだ。
いつまでもこんなのは、不公平だ。
これからは、役割(やくわり)を変えてみようじゃないか」
「だって、小鳥さんは空が飛べるから、とおい森でもすぐに行けるじゃないか」
「そうだよ。なれた仕事をするのが一番だ」
ハツカネズミとソーセージは反対(はんたい)しましたが、小鳥は役割を変えると言ってききません。
「しかたない、そこまで言うのなら、一度仕事を変えてみようか?」
「そうだね。一度くらいは」
役割の交代は、くじ引きで決めることにしました。
くじ引きの結果(けっか)、
ソーセージが、まきを取る仕事。
ハツカネズミが、料理をする仕事。
小鳥が、ナベに水をくむ仕事です。
ところがこの交代で、事件が起きました。
まきを取るために森に行ったソーセージが、帰ってこないのです。
心配した小鳥が森へ飛んで行くと、イヌがソーセージを食い殺していたのです。
小鳥は悲しみながら、まきを抱えて家に帰りました。
ハツカネズミもそれを聞いて、悲しみました。
小鳥が料理の準備をすると、ハツカネズミが料理を始めました。
ソーセージと同じように料理の中を泳いで、味つけをしようとしたのです。
ところがその途中でハツカネズミの長い尻尾が料理に引っかかったために、ハツカネズミは料理におぼれて死んでしまいました。
小鳥は食べ物をテーブルに並べようとしたとき、ハツカネズミが見あたらないのに気づきました。
「ハツカネズミ君。どこに行ったんだい?!」
小鳥が飛び回って探していると、羽の風がまきの火を飛び火させて、あたりが火事になってしまいました。
「わあわあ、はやく火を消さないと!」
あわてた小鳥は水をくみに行こうとしましたが、運悪く足がすべって水の中に落ちてしまい、おぼれ死んでしまいました。
こうして役割を交代したために、誰もいなくなってしまったのです。
おしまい
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