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福娘童話集 >えとのおはなし >うしのお話し >ライオンとウシ
牛のお話し 第 9 話
ライオンとウシ
あるライオンが、たいそう大きなウシを殺そうとたくらんで、だまし討ちの計画を立てました。
ライオンはウシに、
「神さまにそなえるために、ヒツジを殺したから、きみもお祭りの宴会(えんかい)にきたまえ」
と、いって、さそいました。
じつはウシがやってきて、テーブルについたら殺そうと考えていたのです。
ウシは、やってきました。
しかし、そこに大皿や長い焼き串はたくさんあるのに、ヒツジがぜんぜん見えないことに気がつくと、ひとこともあいさつしないで、すぐにかえろうとしました。
ライオンは、
「きみ、失礼じゃないか。気を悪するようなことは、なんにもしていないのに、なぜだまってかえってしまうのだ」
と、いいました。
するとウシは、
「ここにならんでいるのは、ヒツジではなくてウシを食べるための準備だからさ」
このお話しは、かしこい人は悪人の計画には引っかからない、ということをおしえています。
おしまい
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