丑年特集 2021年 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
福娘童話集メニュー

福娘童話集 ホーム


えとのおはなし

えとのおはなしメニュー
イラストをクリック
ネズミ年
ねずみ
ウシ年
うし
トラ年
とら
ウサギ年
うさぎ
タツ・リュウ年
たつ
ヘビ年
へび
ウマ年
うま
ヒツジ年
ひつじ
サル年
さる
トリ年
とり
イヌ年
いぬ
イノシシ年
いのしし
 


福娘童話集 >えとのおはなし >うしのお話し >逃げた黒牛

牛のお話し 第 4 話

逃げた黒牛

逃げた黒牛

おりがみをつくろう ( おりがみくらぶ より)
牛の折り紙うし

♪音声配信(html5)
音声 スタヂオせんむ

 むかしむかし、きっちょむさんと言う、とてもゆかいな人がいました。
 きっちょむさんのおじさんは、りっぱな黒牛を一頭持っていました。
 ある日、その黒牛を連れて、きっちょむさんのところへやってきました。
「きっちょむ、実は急用で町へいくことになった。二、三日でもどってくるが、その留守(るす)のあいだ、こいつをあずかっていてくれないか」
「いいですよ。どうぞ、気をつけていってらっしゃい」
 きっちょむさんは、こころよく黒牛をあずかりました。
 さて、きっちょむさんがその黒牛を連れだし、原っぱで草を食べさせていると、一人のばくろうが通りかかりました。
 ばくろうとは、牛や馬を売ったり買ったりする人のことです。
「ほう、なかなかいい黒牛だな。どうだい、わしに十両(70万円ほど)で売らんか」
「十両?! ほんとうに、十両だすのか?」
「ああ、だすとも、こいつは十両だしてもおしくないほどの黒牛だ」
 十両ときいて、きっちょむさんは、急にそのお金がほしくなり、
「よし、売った!」
 きっちょむさんは、勝手におじさんの黒牛を売ってしまいました。
「それじゃあな、たしかに金は渡したよ」
 ばくろうが黒牛をひいていこうとすると、きっちょむさんがあわてて呼びとめました。
「ちょっと待ってくれ! すまんが、その黒牛の毛を二、三本くれないか」
「うん? まあ、いいが」
 きっちょむさんは、黒牛の毛を三本ほど抜いて、紙につつみました。
 それから、二、三日たって、おじさんがもどってきました。
「きっちょむ、すまなかったなあ、黒牛をひきとりにきた」
 その声を聞くと、きっちょむさんは、大いそぎで裏口からとびだしました。
 それから石垣(いしがき→石の壁)の穴に、牛の毛を三本つっこみ、そして片手をさしこむと、
「大変だ、大変だー! 牛が逃げる! だれかー! はやく、はやくー!」
「なに、牛が逃げるだと!」
 おじさんはビックリして、かけつけてきました。
 ところが、きっちょむさんが石垣に手をつっこんでいるだけで、黒牛の姿はどこにも見あたりません。
 きっちょむさんは、おじさんの顔を見て、またわめきたてました。
「おじさん、早く早く! 黒牛が石垣の中へ逃げこんだ。いま、しっぽをつかまえてる。しっぽがはずれるー!」
 おじさんがあわててかけよると、きっちょむさんは石垣から手を抜き、
「ああ、だめだ。とうとう逃げられた。おじさん、かんべんしてください。これは、あの黒牛の形見(かたみ)です」
と、言いながら、黒牛の毛を三本渡しました。
 おじさんが、いそいで石垣の裏にまわってみましたが、どこにも黒牛の姿はありません。
 おじさんはガッカリして、その場にヘナヘナとすわりこんでしまいました。

おしまい

前のページへ戻る

うしのお話し 12話
メスウシとライオン
牛のはなぐり(吉四六話)
ウシ飼いと裁判官
逃げた黒牛(吉四六話)
ウシと車軸
牛の恩返し
黒ウシの助け
牛に引かれて善光寺参り
ライオンとウシ
円海長者の大赤牛
ウシと野生のヤギ
牛になるまんじゅう
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識