福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 1月の江戸小話 > 雪
1月3日の小話
雪
ある日のこと。 まだうす暗いうちに、下男(げなん→下働きの男の人)が戸をあけてみますと、大雪でした。 「こりゃあ、まったくたいへんな雪がふったものだ」 下男は、おどろいて大声をあげました。 それをきいた主人が、 「ほう、いったい、どれほどふったのじゃな」 と、きくと、下男は、 「そうですねえ。雪の深さは、五寸(約十五センチメートル)ほどつもっておりますが、幅となりますと、どれほどあるか、わかりませぬ」
おしまい