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8月22日の小話
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へなへなへな
むかし、西の国に、「こうのいけ」という、それはたいした長者(ちょうじゃ→詳細)さまがおりました。
大きなお屋敷には、おおぜいの人がはたらいています。
あるとき、やさい畑になんとも大きなダイコンができました。
そのダイコンの大きくて、太いこと。
まるで、大木の様です。
「おばけダイコンじゃ」
と、ひょうばんになって、見物の人たちが集まってきました。
すると、ダイコンはとくいそうに、さらに大きくなりました。
ところが、「こうのいけ」のだんなさんが、
「大きい、大きいといったって、うちの者に食わせる朝のみそしるに入れれば、一回分にもならん」
と、いうと、ダイコンはがっかりしたのか、
へなへなへな。
たちまち、消えてなくなりました。
おしまい
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