童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集 福娘童話集 きょうの日本民話
 
     1月 5日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
イチゴの日
きょうの誕生花
うらじろ
きょうの誕生日・出来事
1941年 宮崎駿(アニメ作家)
  1月 5日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
じっと見つめていました
きょうの世界昔話
不思議なリンゴの木
きょうの日本民話
あの世でことづけられた話
きょうのイソップ童話
お百姓と息子たち
きょうの江戸小話
たこあげ
1月 5日の広告

福娘童話集 > きょうの日本民話 > 1月の日本民話 > あの世でことづけられた話

1月5日の日本民話

あの世でことづけられた話

あの世でことづけられた話
奈良県の民話奈良県情報

 むかしむかし、ある山奥のお寺で、一人の若いお坊さんが修行(しゅぎょう)をしていました。
 お坊さんは何日も食事をせずに、だまって心の中でお経をとなえつづけていました。
 そんなある日の事、お坊さんの体がとつぜん動かなくなって、息が止まってしまいました。
 お坊さんのたましいは体からはなれて、フワフワと空中にただよいはじめたのです。
 ひろいお寺の境内(けいだい)をただよって、木の枝で休んだり、風にふかれて林の中に入ったりしていると、むこうから年をとったお坊さんのたましいがやってきました。
 年をとったお坊さんのたましいは、ニコニコした顔で、
「どうじゃ。わしについてこぬか。あの世を案内してやるぞ」
と、いって、若いお坊さんのたましいを、あの世見物につれていってくれたのです。
 あの世の広場を見ていると、重い石を運ばされたり、ウシにされたり、オニに追いかけられてムチでたたかれている人たちがたくさんいました。
 そこへ、こわそうな身なりをした人や、白い衣を着たやさしい顔の人など、いろいろな姿の人たちが通りかかりました。
「おっほほ。めずらしいものに出会ったな。あの一行はな、こっちの世へきて、新しく神さまになった人たちじゃ。いくさの神もおるし。学問の神もおる。うらみの神、たたりの神、しあわせの神、病の神、いろいろな神がおる」
 年をとったお坊さんのたましいが、ていねいに教えてくれました。
 しばらくすると、おじいさんたちの一行が通りかかりました。
 すると、その人たちが近よってきて、
「わしは谷川村(たにかわむら)の善兵衛(ぜんべえ)です。元気でいるから心配するなと、ぜひ、つたえてくだされ」
「わしは大沼村(おおぬまむら)の平助(へいすけ)です。秋になったら大好物のカキをそなえてくれと、つたえてくだされ。たのみますよ」
 などと、たくさんのことづけをたのまれました。
 若いお坊さんのたましいは、それをきいてうなずいていました。
「ずいぶんとたのまれたな。このまま連れて行こうかと思ったが、たのまれた以上、ちゃんとつたえてやらなければならんな」
 年をとったお坊さんのたましいは、不思議な事をいいました。
 そして、
「わしは用事があるから、先に帰りなさい。そこが近道じゃ。どこまでもどこまでも、まっすぐいけばよい」
と、帰りの道を教えてくれました。
 まっ暗な岩穴の中を、たましいがフワフワ飛んでいくと、いつのまにか若いお坊さんのからだにすいこまれていました。
 若いお坊さんは息をふきかえして、ふたたびこの世に生きかえったのです。
 息が止まってから、なんと十三日がたっていました。
 息をふきかえした若いお坊さんは、それからしばらくすると、あの世でたのまれたことづけをつたえるために、あちこちの村々をたずね歩いたという事です。

おしまい

一覧へ移動   このページを閉じる   ホームへ移動

きょうの日本民話
ミニカレンダー
<<  1月  >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識