|
|
3月22日のイソップ童話
オオカミとヒツジ飼い
♪音声配信
亜姫のイソップ童話より
一ぴきのオオカミが、ヒツジの群れの後を、おとなしく、なんにも害をくわえずに、ついていきました。
ヒツジ飼いは、はじめはオオカミを敵だと思って、びくびくしながら見はっていました。
けれども、オオカミがずっとおとなしくついてくるだけで、ヒツジにおそいかかる気配がちっともないので、ヒツジ飼いは、
「どうやら、このオオカミは敵ではなくて、ヒツジの味方らしい」
と、思いました。
ちょうど、ヒツジ飼いは町にいく用事があったので、ヒツジたちをオオカミのそばにのこして町へ出かけました。
するとオオカミは、
「しめた。いまこそチャンスだ」
と、ヒツジにおそいかかり、だいぶぶんのヒツジを食い殺してしまいました。
町からもどってきて、殺されたヒツジたちを見たヒツジ飼いはさけびました。
「おれがバカだった。オオカミにヒツジをあずけるなんて、どうかしているよ」
人間でも同じことです。
欲ばりの人にだいじなものをあずければ、とられてしまうのがあたりまえです。
おしまい
|
|
|