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11月20日のイソップ童話
ネコとニワトリ
ネコが、ニワトリを捕まえました。
いつもなら、すぐ食べてしまうのですが、今日は一つ偉そうな理屈をつけてから食べようと思いました。
そこで、
「おい、ニワトリ、お前は悪い奴だ。
朝の暗いうちから大きな声で鳴いて、人間たちの眠りを妨げるのだからな」
と、言いました。
するとニワトリは、
「そんな事はありません。
反対に、わたしは人間の役に立っているのですよ。
寝坊して仕事に遅れない様に、起こしてあげているのですから」
「・・・・・・」
言いやられたネコは、別の理屈を考えて、
「お前は、自分の母親や女兄弟にタマゴを産ませる様、けしからん奴だ」
と、言いました。
ニワトリは、
「それだって、ご主人の為なのです。そのおかげで、タマゴがたくさん取れるんですもの」
「・・・・・・」
ネコは、またやり込められました。
しばらく考えましたが、良い考えが浮かばないので、いきなり怒鳴りました。
「やいやい、偉そうな事ばかり言っても駄目だぞ。
お前がいくらもったいつけても、おれは腹ぺこなんだから」
そして、ニワトリを食べてしまいました。
悪い人が悪巧みを思いついたら、たとえ始めは利口そうな事を言っていても、最後には正体を現して、平気で悪い事をする様になるものだと、このお話しは教えています。
おしまい
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