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1月15日の日本の昔話
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イラスト 「夢宮 愛」 運営サイト 「夢見る小さな部屋」
わらしべ長者
禾稈富翁
・日本語 ・客家語 ・日本語&客家語
客家語 : 鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
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むかしむかし、ある若者が、お寺で観音様(かんのんさま)にお願いをしました。
頭擺頭擺,有一個後生人,在廟寺拜觀音菩薩許願講:
「どうか、お金持ちになれますように」
「拜託,請你摎𠊎變做有錢人。」
すると、観音様が言いました。
過後,觀音菩薩講:
「ここを出て、始めにつかんだ物が、お前を金持ちにしてくれるだろう」
「在這出去,第一件抓到个東西就會分你變做有錢人。」
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喜んだ若者は、お寺を出た途端、石につまずいてスッテンと転びました。
非常歡喜个後生人在廟寺出去个時節徑著石牯,種下觔斗。
そしてそのひょうしに、一本のわらしべ(→イネの穂の芯)をつかみました。
所以,當下佢抓一支禾稈。
「観音様がおっしゃった、始めにつかんだ物って、これの事かなあ? とても、これで金持ちになるとは思えないが」
「觀音菩薩講過,廟寺出來第一件抓著个東西,敢會係這件?想毋解,這禾稈仰會有可能變成有錢人?」
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若者が首をひねりながら歩いていると、プーンと一匹のアブが飛んできました。
後生人想去想轉緊想緊行,bu11聲,一隻虻仔飛過來,
若者はそのアブを捕まえると、持っていたわらしべに結んで遊んでいました。
後生人摎佢捉到來,用拈著禾稈䌈等來搞。
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すると向こうから立派な牛車(ぎっしゃ)がやって来て、中に乗っている子どもが言いました。
對面一輛牛車駛等過來,車頂坐一個細人仔,摎佢講:
「あのアブが、欲しいよう」
「該隻虻仔𠊎想愛。
「ああ、いいとも」
「啊,當然做得。」
若者が子どもにアブを結んだわらしべをあげると、家来の者がお礼にミカンを三つくれました。
後生人摎禾稈䌈等个虻仔分該細人仔,管家就拿三个柑仔回禮。
「わらしべが、ミカンになったな」
「禾稈變柑仔咧。」
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また歩いていると、道ばたで女の人が、喉が渇いたと言って苦しんでいます。
再過行,路脣有個細妹仔,講佢嘴渴盡艱苦。
「さあ、水の代わりに、このミカンをどうぞ」
「噯,無水,請你食柑仔好咧。」
女の人はミカンを食べて、元気になりました。
そしてお礼にと、美しい布をくれました。
細妹仔食了柑仔後變盡有精神,所以拿當靚个布仔來答謝佢。
「今度は、ミカンが布になったな」
「這下柑仔又變布咧。」
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若者がその布を持って歩いていると、ウマが倒れて困っている男の人がいました。
後生人拿等布繼續行,又堵著因為馬橫忒,困著个細倈仔。
「どうしました?」
「仰般形?」
「ウマが病気で倒れてしまったのです。町に行って布と交換(こうかん)する予定だったのに。今日中に布を手に入れないと、困るのです」
「馬發病仔橫等,本旦摎人約定好,拿東西去街路換布,今晡日𠊎看拿毋到布咧,還無結煞。」
「では、この布とウマを交換してあげましょうか?」
「無就𠊎个布摎你交換若个馬好無?」
若者が言うと、男の人は大喜びで布を持って帰りました。
後生人恁仰講,細倈仔非常歡喜拿等布轉去。
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若者がウマに水をやったり体をさすったりすると、ウマはたちまち元気になりました。
後生人拿水分馬食又摎其个身體挲挲仔,一下仔有精神了。
よく見ると、大変立派なウマです。
詳細看係一條當湛斗个馬。
「今度は布が、ウマになったな」
「這擺布仔又變做馬囉。」
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そのウマを連れて、また若者が歩いていると、今度は引っ越しをしている家がありました。
牽等該條馬緊行,這擺堵到徙屋个人家,
そしてそこの主人が、若者の立派なウマを見て言いました。
該家个主人看中意佢个馬,講:
「急に旅に出る事になってウマが必要なのじゃが、そのウマをわしの家や畑と交換してもらえないかね」
「𠊎緊觸觸愛出去旅行,需要馬,𠊎个屋、園摎你換該條馬好無?」
若者は立派な家と広い畑をもらって、大金持ちになりました。
後生人這下有間靚靚个屋摎當濶个園,變大有錢人咧。
一本のわらしべから大金持ちになったので、みんなはこの若者を『わらしべ長者(ちょうじゃ)』と呼びました。
一支禾稈變到大有錢人个関係,大家喊這个後生人『禾稈富翁』。
おしまい
煞咧
註:
観音様: 観音様(かんのんさま)は、「観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)」、「観自在菩薩(かんじざいぼさつ)」の略称で、観世音、観自在とは、救いをもとめる者があれば、数かぎりない手段をつかって救済するという意味を持ちます。
觀音:觀世音菩薩、觀自在菩薩个簡稱,觀世音、觀自在係講若係有人求佢救苦救難,佢會用盡多方法來救个意思。
救済をもとめる者に応じて、さまざまな変化相をもつことでも知られています。
看請求佢救濟个人个情况,觀音會變做各種身份出現。
観音は、もともと阿弥陀仏の脇侍(きょうじ:仏の両わきにひかえる)として左におかれ、右にひかえる知恵の象徴である勢至(せいし)菩薩とともに阿弥陀三尊を形成します。
觀音原旦係阿彌陀佛兩片个侍衛裡肚左片該個,正片該個係象徵智慧个大勢至菩薩,三尊鬥起來人稱呼阿彌陀西方三聖。
観音が阿弥陀三尊から独立して信仰されるようになったのは、インドでは1世紀ごろのことで、日本では推古天皇の時代にすでにみられ、奈良時代には、観音を本尊とする長谷寺が建立されるなど、とくに顕著な信仰がありました。
觀音在阿彌陀西方三聖獨立出來个信仰,係印度一世紀左右个事情,日本係在推古天皇時代就有咧,奈良時代起,有祀奉觀音為主神个長谷寺等等,特別明顯个信仰。
昔話では、ゆめまくらに出てきてお告げをしたり、お参りする人のねがいごとをかなえたりする、とてもありがたい存在です。
傳說故事肚夢中出現神明个指示,滿足拜神个人个願望,特別存在。
長者: 長者(ちょうじゃ)とは、裕福な人をさす言葉で、要するにお金持ちの事です。
長者:係講好額个人,総講有錢人。
何かの商売で成功した人には、その商売の名前を取って、○○長者と呼ばれます。
做麼个頭路成功,就取佢做个頭路个名仔,就喊佢某某富翁。
お金があって、生活に不自由がないので、歌や俳句を作ったり、囲碁や将棋をして、気楽に暮らしている人が多かったそうです。
聽講有錢,日仔過著盡豐湧,唱歌仔無斯作俳句,行象棋無斯行圍棋,逐日過著當快樂个人盡多。
例:炭焼長者、材木長者、麦長者
例:燒炭長者、木材長者、麥仔富翁。
おまけ
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日本昔話を現代っぽくアレンジしたらこうなったシリーズ。
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