福娘童話集 > きょうの日本昔話 福娘童話集 きょうの日本昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 


福娘童話集 > きょうの日本昔話 > 4月の日本昔話 >ひげの長者

4月24日の日本の昔話

ひげの長者

ひげの長者
吉四六(きっちょむ)さん → 吉四六さんについて

にほんご(日语)  ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文

日本語&客家語

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 ナレーター熊崎友香のぐっすりおやすみ朗読
大人も眠れる睡眠朗読】日本昔話集10 優しいとんち話 元NHKフリーアナの絵本読み聞かせ

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 癒しのココロちゃんねる 【睡眠用朗読】

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

制作: フリーアナウンサーまい【元TBS番組キャスター】

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

制作 : 妖精が導くおやすみ朗読チャンネル

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 「眠りのねこカフェ

♪音声配信(html5)
音声 スタヂオせんむ

 むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもゆかいな人がいました。
 吉四六さんの村には長兵衛さんという、仙人の様に長いあごひげを生やしたお金持ちの老人がいました。
 そしてこの老人は、
「おれのひげは、日本一だ!」
と、いつも威張っているのです。
 そして自慢のひげを褒める人がいれば、誰でも家に連れて来てごちそうをするのでした。

 ある夜の事、吉四六さんが長兵衛さんの家に遊びに行ってみると、長兵衛さんは見知らぬ二人の旅人をもてなして、飲めや歌えの大騒ぎでした。
「こんばんは、長兵衛さん。今日はご機嫌ですね」
 吉四六さんが言うと、長兵衛さんはにこにこ顔で、
「吉四六さん、喜んでくれ。
 実はこの客人は、伊勢の国(いせのくに→三重県)のひげの長者のお使いだそうだ。
 ひげの長者は、その名の通り大変長いひげを持っておられたが、一年前に亡くなられる時、遺言として、
『これから日本一の長ひげの男を探し出して、その男に黄金千両をわたしてくれ』
と、言ったそうじゃ。
 それで、このお客さんたちは国々を探し歩いた末、やっとわしの日本一のひげを見つけて下されたのじゃ。
 だからわしは、明日から客人と一緒に伊勢の国へ行って、黄金千両をもらってくるんだ」
と、答えました。
「へえ、まあ、それはおめでたい事で」
 吉四六さんは適当に相づちを打って、自分もごちそうになりましたが、旅人が酔い潰れて寝てしまうと、長兵衛さんを別室に呼んで尋ねました。
「長兵衛さん。お前さんは寝る時、ひげはふとんの外に出して眠りますか? それとも入れて眠りますか?」
「おや? 吉四六さん、どうしてそんな事を聞くんだね?」
「いや、実はさっき、かわや(→トイレの事)に行った時、客人が二人で話しているのを何気なく耳にしたが、これもやはり長者の遺言で、黄金を渡す前にひげの出し入れを聞いて、はっきり答えが出なければ黄金を渡さないらしいんだ。遺言だから長兵衛さんに言って聞かせるわけにもいかず、うまく答えてくれればいいと話し合っていたんだよ」
「何だ、そんな事だったら、わけもなく答えられるよ。なにせ、自分のひげじゃないか」
 長兵衛さんはそう言いましたが、いよいよふとんに入ってみると、今まで気にもしなかった事なので、いくら考えてもどっちかわかりません。
 試しにひげをふとんの中に入れて眠ろうとすると、いつも出していた様な気がしますし、かといって出してみると、なんだか寒くて眠れません。
「こりゃ、困ったぞ」
 長兵衛さんがひげを入れたり出したりしているうちに、真夜中になってしまいました。
 するとどこからともなく、ミシリ、ミシリという足音が聞こえてきます。
「はて? 今頃、誰だろう?」
 顔をあげてみると、しょうじに二つの怪しい影がうつりました。
 後を付けてみると、その影は土蔵の前に忍び寄って、扉の錠を壊し始めました。
 驚いた長兵衛さんは、大声で、
「泥棒! 泥棒!」
と、叫びました。
 するとその声に家の人たちが目を覚まして騒ぎ出したので、泥棒はそのままどこかへ逃げてしまいました。

 さて、夜が明けると、吉四六さんがにこにこしながらやって来ました。
 そして、尋ねました。
「長兵衛さん、ひげの事はわかったかね?」
「ああ、吉四六さん。それどころか、あの客人は泥棒だったよ」
「で、何か盗まれたかね?」
「いや、昨夜はひげの出し入れが気になって、昨夜は眠れなかったんだ。
 その為、早くに泥棒に気がついたから、何も盗まれなかったよ。
 だが吉四六さん、あの泥棒は馬鹿な奴だな。
 ひげの出し入れの事を言わなければ、わしはぐっすりと眠っていただろうに」
 それを聞いた吉四六さんは、大笑いしました。
「わっはははっ。
 長兵衛さん、そのひげの出し入れは、実はおれの作り話なんだ。
 あの二人があやしいと思ったので、お前さんが眠らないように、あんな事を言ったんだよ」
「おや、そうだったのか。でも、どうしてあの客人が泥棒だという事に気がついたんだ?」
「それはだな。お前さんのひげが、日本一でないからだ。お前さんよりも長いひげを持つ者は、町へ行けばいくらでもいるさ。何でも自分が一番だとうぬぼれると、今度の様に人から騙されるんだ」
「・・・なるほど」
 この事にこりた長兵衛さんは、もうひげの自慢をしなくなったそうです。

おしまい

前のページへ戻る


     4月24日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
日本ダービー記念日
きょうの誕生花
群雀(むれすずめ)
きょうの誕生日・出来事
1985年 名塚 佳織 (声優)
恋の誕生日占い
人付き合いが上手で、人を引きつける魅力の持ち主
なぞなぞ小学校
おじいちゃんとする球技は?
あこがれの職業紹介
農業家
  4月24日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
ひげの長者
きょうの世界昔話
魔法のぼだいじゅ
きょうの日本民話
娘ギツネの恩返し
きょうの日本民話 2
魔法使いの文王
きょうのイソップ童話
ゼウスとサル
きょうの江戸小話
拾った手紙
きょうの百物語
首なし馬の行列

福娘のサイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ