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8月25日の日本の昔話

はなよめになりそこねたネコ

花嫁になりそこねたネコ
差息仔嫁出去个貓仔

福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)

♪音声配信(html5)
音声 ☆横島小次郎☆

むかしむかし、あるところに、観音さま(かんのんさま)につかえているネコがいました。
頭擺頭擺,在某隻位所,有一隻敬奉觀音菩薩个貓仔。


ネコは人間の花嫁
(はなよめ)を見るたびに、自分も美しい娘になって人間のところへ嫁入りしたいと思っていました。
貓仔看著人做新娘出嫁時節,佢也想愛打伴靚靚做一個新娘,嫁分人類。


そこで観音さまに、「わたしを、人間の嫁にしてください」と、頼んだのです。

所以,佢對觀音菩薩祈求,講:「分𠊎做人類个新娘。」


「お前はこれまで、わたしによくつかえてくれた。お前なら立派な花嫁になれるでしょう。わたしがいい若者を見つけてやろう」

「你到目前為止,一直敬奉𠊎,你定著會變一個竳線个新娘。𠊎會摎你尋一個得人惜个後生人。」

観音さまはネコに約束すると、いつもお参りにくる若者の夢枕
(ゆめまくら夢の中)に立って言いました。
觀音菩薩答應該條貓仔後,斯在一個長透去敬拜个後生人該托夢講:


「明日の夕方、お堂の前にいる娘を嫁にするがよい」

「天光日臨暗仔,大殿頭前該個細妹仔做得討轉去做餔娘。」


若者はすぐに、この事を両親に話しました。

這後生人黏時摎這事情摎爺哀報告。


すると信心深い
(しんじんぶかい神仏を思う気持ちが強いこと)両親は喜んで、次の日の夕方、若者といっしょに観音堂へ出かけました。
第二日臨暗仔,虔誠个爺哀摎後生人共下去觀音寺。


観音堂の前には、人間の娘に化けたネコが立っています。

觀音寺頭前,一個貓仔變成人類个細妹仔。


「おい、あの娘ではないか?」

「噯,會係該個細妹仔無?」


「あら、なかなかの器量よしだこと」

「唉哦,拗蠻竳線。」

「あれが、おれの花嫁か」

「該個細妹仔係𠊎个餔娘無?」


三人は娘のそばへ行きました。

三儕行兼去細妹仔脣頭。


「娘さん。ここで誰か待っているのかい?」

「細阿妹仔,在這等麼人係無?」


父親がたずねると、娘が恥ずかしそうに答えます。

爺仔問个時節,細妹仔盡畏羞樣回答,講:

「はい、観音さまのお告げで、ここに待っているように言われました」

「係,觀音菩薩喊𠊎在這等。」


見れば見るほど美しい娘で、若者はこの娘が気に入りました。

越看越靚个細妹仔,後生人非常中意。


「そうですか。実はわたしも観音さまのお告げで、ここにいる娘さんを嫁にするようにと言われたのです」

「係無?事實,𠊎係觀音菩薩摎𠊎講个,愛摎在這位个細妹仔討轉去做餔娘。」


「えっ、そんな・・・」

「唉,該...」

娘が、ポッとほおをそめます。

細妹仔嗄面紅漬炸。


「どうだろう。うちの息子の嫁になってもらえないだろうか」

「仰般,做得嫁分吾倈仔無?」


父親の言葉に、娘はこっくりうなずきました。

聽著爺仔个話,細妹仔就點頭。


「よかった。それじゃ、さっそく話をすすめよう」

「還好,請煞煞來去講親。」


「では、わたしの両親にも会ってください」

「該就請來去見吾爺哀。」

娘は三人を連れて、観音堂の裏手
(うらて)へ行きました。
細妹仔渡等三個人,行轉觀音寺个後背。


そこには古くて立派な屋敷があって、年老いた娘の両親がいました。

該位有一座古老又派頭个大座屋,細妹仔个爺哀戴在該。

娘の両親が、若者の父親に頭を下げます。

細妹仔个爺哀摎後生人个爺哀點頭行禮。


「観音さまのお告げで、なんともありがたい事になりました。ですがごらんの通り、我が家は貧乏で、娘には何の仕度もしてあげられません」

「觀音菩薩指點,非常承蒙,毋過,像你看著个,𠊎屋下當苦,無法度準備麼个嫁妝。」


「いや、仕度(したく)の方は、いっさいこちらでいたします。こちらはもう、娘さんさえいただければ」

「毋使,講到準備麼个嫁妝,全部𠊎會準備,斯準備摎若妹仔嫁過來就好。」


若者の両親は古い屋敷を見て、むかしは相当な家柄
(いえがら)に違いないと思いました。
後生人个爺哀看著該座舊屋,認為頭擺家世盡好毋會差。


若者と両親が帰って行くと、娘の両親はネコの姿にもどって屋敷を出て行きます。

後生人摎爺哀行轉去後,細妹仔个爺哀變倒轉貓仔原形,行出大座屋。


立派な屋敷といっても、よく見ればただの空き家で、今では野良ネコたちの住まいになっています。

雖然講係大座屋,毋過係一間空屋,這下變野貓个竇。


娘に化けたネコは、すぐに観音さまのところへ報告
(ほうこく)に行きました。
變做細妹仔該條貓仔黏時去摎觀音菩薩報告。


「おかげさまで、人間の花嫁になれそうです」

「打幫你,正會做人類个新娘。」


「それは良かった。これでお前も人の花嫁ですから、決してネコのようなまねをしてはいけませんよ」

「該斯好,你做人類个餔娘,所以絕對做毋得有貓仔个行狀。


さて
いよいよ婚礼(こんれんいけっこんしきがやってきました
新婚之夜總算到了。


若者の家では約束通り、花嫁の着物から
カゴまで用意して娘をむかえにきました。
後生人屋下照答應條件,準備好新娘衫,新娘轎,去迎娶新娘。


古い屋敷の前には明かりがつけられ、人間に化けた野良ネコたちが忙しそうに働いています。

舊大座屋面前點燈籠火點到光華華,變做人个野貓當當在該無閒直掣。


やがて花嫁が出てきて、カゴに乗りました。

無幾久,新娘出來,上轎。


花嫁行列は
ちょうちんの明かりにかこまれて、しずしずと進んでいきます。
新娘迎娶隊伍在燈籠火包圍下,慢慢前進。


(これでもう、思い残すことはないわ)
(恁樣形就無半滴遺憾了。)


カゴの中のネコは、心から満足しました。

轎肚个貓仔,非常滿足。

花嫁行列
むこの屋敷につくとすぐに座敷祝言(しゅうげんおいわいのことば)まりました
迎娶隊伍一到新郎屋下,開始拜祖、點蠋、唸四句。


花嫁
になったネコはむこのとなりにってウットリとしています
變做新娘个貓仔坐在新娘公隔壁,在幸福个氣氛肚。


おごそかな謡(うたい
おいわいの歌)とともに、三三九度の盃(さんさんくどのさかづきお祝いのぎしきで、三つ組のさかづきで、三度ずつ、三回酒杯をいただくこと)がかわされ、花嫁が盃(さかづき)を口に持っていこうとしたそのときです。
一首隆重个歌曲同時,三三九到个交杯酒,(三三九到酒杯→節日慶典,三套酒杯,一套三杯,三到。),新娘想摎一杯酒拿到嘴脣時節。


ふいにおぜんの横へ、ネズミが出てきました。

無想著一隻老鼠對菜盤脣頭趖出來。

そのとたん、花嫁は、

該下,新娘


「ニャオーン!」と、鳴くなり、ネコの姿になってネズミに飛びついてしまったのです。

ngiau!」聲叫出來,變轉貓仔原形去追老鼠。

「なんだ、あれは!」
「該係麼个!」


祝いの席に並んでいた人たちは、ビックリです。

參加慶祝活動个人嗄嚇著。


花嫁の両親に化けていたネコたちもすっかりあわてて、次
にネコの姿になって座敷を飛び出していきました。
變做新娘爺哀个貓仔緊觸觸對人客間瀉走。


花嫁
けていたネコはどうすることも出来ネズミをくわえたまましました
該條變做新娘个貓仔無結無煞,含等老鼠瀉走了。


されたむこや両親すぐに花嫁屋敷かいました
伸著新娘公摎厥爺哀黏時走去新娘个大座屋。


ところが観音堂の裏手には空き家になったボロ屋敷があるだけで、誰もいません。

毋過,在觀音寺後背,斯有一間空空个爛屋仔,無半個人在該。


「ネコを花嫁によこすなんて、なんてひどい観音さまだ!」

「摎貓仔送來做新娘,還無著个觀音菩薩!」


両親はカンカンに怒って、二度と観音堂へはお参りに行きませんでした。

爺哀越想越閼,該擺以後無再過去觀音寺參拜。


観音さまは、花嫁になりそこねたネコにあきれて言いました。

觀音菩薩對差息仔嫁出去个貓仔講:


「あれほど、よく言い聞かせておいたのに。もう決して、ネコを人間の嫁にはしません」

𠊎事先交代你了,你還‧‧‧,𠊎以後絕對不會摎貓仔嫁分人類。」

 

おしまい
煞咧


:ちょうちんとは、照明具の一つで、紙張りの火袋の中にろうそくを立てます。
註:燈籠火係照明設備个一種,用紙膏在籠仔頂,裡肚點蠟燭。

古く、折りたたみの出来ない籠提灯でしたが、
16世紀末の天正・文禄頃に伸縮自在な構造の箱提灯が現れ、それ便利さから一気に普及しました。
上古時代,採用做毋得摺个手擎燈籠,十六世紀末天正、文祿年間,出現一種結構靈活个手擎燈籠,因為佢个便利,所以一下仔斯流傳出去。


現在ではろうそくの代りに電球を用いています。

這下,使用電珠仔無用蠟燭了。


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