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11月25日の日本の昔話
すす竹売り
賣烏𪐞竹
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもゆかいな人がいました。
頭擺頭擺,有個安到吉四六先生个人,非常樂線。
以前、吉四六さんはキジを売っていると勘違いさせて、カラスを売りつけて大もうけした事がありますが(→おとりのキジ)、これはそれからしばらくたったある日のお話しです。
以前,吉四六先生用雉雞做餌,騙人摎佢買烏鴉,賺著當多錢(做餌个雉雞) ,這故事係過後某日个故事,
今度は吉四六さん、町にすす竹を売りにやって来ました。
這擺,吉四六先生,去街路賣烏𪐞竹。
「ささや~ぁ、すす竹~ぇ」
「箭竹(sasaya~a)、烏𪐞竹(susudake~e)。」
吉四六さんが声を張り上げて町の中を歩いていると、その姿を見た一人の商人が隣の店に飛び込みました。
吉四六先生在街路緊行緊大聲喊,一個看著該身影个生理人,走落隔壁店仔。
「河内屋(かわちや)さん!ちょっと、ちょっと」
「河内屋先生!等一下、等一下。」
「これはこれは、虎屋(とらや)さん。どうしました?」
「唉哦,虎屋先生,仰般形?」
「ほれ、いつか。
かごの上にキジを乗せて安い値で『カラス、カラス』と言って売りに来た男がいましたね。
それを見て『きっと、カラスとキジの見分けがつかない田舎者だ』と思って、『カラスをくれ』と言うと、中から本物のカラスを取り出して売りつけたではありませんか」
「你看,有一擺,箱仔頂放一隻雉雞,嘴喊便宜个『烏鴉、烏鴉』,該个細倈仔又來了,看著該你為認為『定著、看毋出烏鴉抑係雉雞鄉下人』,等你講『愛一隻烏鴉』時節,佢就在箱肚捉一隻正經个烏鴉分你,毋係嘎?」
「ああ、ありました。覚えていますよ」
「啊,有,想起來了。」
「そう、その男が今、すす竹売りに来たんですよ。
どうです?
あの時の腹いせに、うーんと油をしぼってやろうじゃありませんか」
「係,該個細倈仔,這下來賣烏𪐞竹,仰般?該當時个怨恨,這下想好好來教訓佢係無?」
そう言って虎屋と呼ばれた男は、河内屋にある作戦をささやきました。
恁樣講个安到虎屋个細倈仔,在河内屋耳空脣細聲講作戰个事。
「なるほど、これはおもしろい」
「有影,這盡生趣。」
「でしょう。そら、やって来ましたよ。・・・おい、すす竹売り!」
「係無?噯,來了,・・・噯,賣烏𪐞竹个!」
虎屋が吉四六さんに、声をかけました。
虎屋大聲喊吉四六先生。
すると吉四六さんは、すぐにやって来て、
所以吉四六先生黏時行過來。
「へい、ありがとうございます」
と、頭を下げました。
「hei,承蒙你。」
行禮。
「ささを、一本くれないか。いくらだ?」
「箭竹買一支,幾多錢?」
「はい。十文でございます」
「係,十文錢。」
「それ十文だ。とっときな」
「十文錢拿去。」
「はい、ありがとうございます」
「好,承蒙你。」
「おい、おれには、すす竹一本くれ」
「噯,𠊎乜愛買一支箭竹。」
今度は、河内屋が声をかけました。
這擺換河内屋出聲。
「はい、ただいま」
「好,黏時來。」
吉四六さんが何気なくすす竹を一本渡すと、河内屋はいきなり怒り出しました。
吉四六先生隨手拿支烏𪐞竹分佢,河内屋忽然間發閼。
「おいこら!これは虎屋に売ったのと同じではないか!虎屋は『ささ』で、おれは『すす竹』と言ったんだ!」
「噯!這摎賣分虎屋个無共樣嘎!虎屋个係『箭竹(sasaささ)』,𠊎个係『烏𪐞竹(susudakeすす竹』)!」
虎屋も、吉四六さんに詰め寄りました。
虎屋乜追問吉四六先生。
「そうだ!『ささや、すす竹』と言うからには、違う物でなければならん。
「無毋著!『箭竹(sasayaささや)、烏𪐞竹(susudakeすす竹』定著無共樣。
見れば、みんな同じ物だ。
看起來全部共樣个東西。
お前はかたり(→人をだまして、お金を取ること)だ!
你係落仔(騙人錢財。)
ふといやろうだ!」
面皮賁个小人!」
全くのいちゃもんですが、でも吉四六さんは平気な顔で言いました。
完全係使梟,毋過,吉四六先生無要無緊講︰
「これはこれは、誰かと思ったら、虎屋の旦那で」
「若係你想該係麼人,佢就係虎屋个老爺。」
「うん、いかにもおれは虎屋だ」
「m11,確實係虎屋。」
「お名前は、権兵衛さんで?」
「名仔係權兵衛先生無?」
「ああ、権兵衛だが、それがどうかしたか?」
「啊,係權兵衛,該又仰般?」
「ヘヘへ、そちらさまは、河内屋の久六(きゅうろく)さんで?」,
「hehehe,該位係河内屋个久六先生無?」
「そうだ。河内屋が屋号(やごう)で、名が久六だ。さあそれよりも早く、ささでないすす竹を寄こせっ!」
「係,河内屋係店號,名仔安到久六,比該較遽,毋係箭竹、烏𪐞竹拿過來!」
すると吉四六さんは、腹をかかえて笑い出しました。
所以吉四六先生揇肚大笑。
「な、なにを笑う!」
「麼、麼个東西恁好笑!」
「いや、実はわたしの売っている竹は、屋号が笹屋で、名前がすす竹と申すのです。
「毋係,事實𠊎賣个竹仔係店號安到箭竹仔,名仔安到烏𪐞竹。
屋号で呼んでも名前で呼んでも、物はどちらも同じ物ですよ」
無論係喊佢个店號抑係喊佢个名仔,全係共樣東西。」
それを聞いた二人の商人は、
聽著該个兩個生理人,
「ちくしょう、またやられたわ!」
「畜牲,又分佢落著了!」
と、言って、おとなしく店の中に帰って行きました。
講煞,脧脧行轉店肚去。
おしまい
煞咧
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