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福娘童話集 > 百物語 > 四月

4月29日の百物語
(4月29日的日本鬼故事)
茨木童子(羅生門の鬼)

茨木童子(羅生門の鬼)
茨木童子(羅生門大鬼)

日本語 ・日本語&中国語

♪音声配信(html5)
朗読 : 佐々木久美子

今から千年ほどむかし、摂津の国(せっつのくに→大阪府)の茨木の里に、一人の男の子が生まれました。
千年前、摂津国(現大阪府)茨木鄉、一個小男兒出生了。

この男の子は赤ん坊なのにとても大きな体で、髪の毛はすでに肩まで伸びているし、口には立派な歯が全部生えそろっているのです。
雖就只是個幼子、但是壯大、生落來就有了過肩的長髮、嘴巴裡面的牙齒也是全部長齊。

しかも生まれてすぐに、はいはいを始め、十日ほどすると普通のご飯を食べて、上手に歩き出したのでした。
一落肚馬上就學會了爬、十天就會吃飯、用腳走路了。

それを見た里の人たちは、
村裡人看到是這個樣子

「あれは、人の子か?」
這真是人的小兒啊?

「まさか」
莫心(難不成)

「きっと、鬼の子じゃ」
我看肯定是鬼的种。

「そうじゃ、鬼の子じゃ」
對、我看也像

と、うわさをしたのでした。
這就議論開了。

すると、それを聞いた男の子の両親も、だんだん心配になってきて、
娘老頭曉得這條風聲、自己也是擔心起來。

「このままこの子が成長したら、本当に鬼や化け物になるかもしれんぞ。ここは一つ、この子の運命を神さまにお任せしよう」
按這個程度生長落去、最後能力也肯定是不下鬼神、這就幫這個兒託付神靈、看命運安排。

と、両親は子どもを連れて、丹波(たんば)の山奥へ行きました。
娘老頭就帶到兒去了丹波山深處。

そして落ちている栗(くり)を拾うと、男の子に言いました。
撿起一個落到地上的板栗、跟兒港。

「この栗は丹波栗(たんばぐり)と言って、特別にうまい栗だ。あちこちに落ちているから、好きなだけ食べてもいいぞ」
這個板栗就喊丹波栗、也還好吃、到處落的是、你要吃好多就撿好多。

「わーい」
驚喜的叫聲

男の子が喜んで栗を拾い始めると、両親は男の子を置き去りにして帰ってしまいました。
看到兒自己開始撿板栗、娘老頭直接過幫他一個人甩到山裡跑了。

それに気づいた男の子は泣きながら両親を探しましたが、両親がどこにもいない事がわかると泣き止んで、一人で生きていく事にしたのです。
小男兒也發覺了、哭到邏自己娘老頭、後面也是曉得邏不到了、馬上不哭了、就靠自己一個人活。

やがて男の子は、素手でイノシシを倒すほどに成長しました。
到山裡成長、到了已經可以空手套野豬的程度。

ある日の事、若者になった男の子は、池に映る自分の姿を見てびっくりしました。
有天、小兒也變成年輕人了、就望到湖面、看到自己的樣子骸了一跳。

赤黒く日に焼けた毛むくじゃらの姿は、頭に角こそは生えていませんが、話に聞いた鬼にそっくりだったのです。
焦黑的太陽印記、茂盛的體毛、和傳聞中的鬼好像、就差頭上覓(沒)長二個角了。

「そうか、わしは人間でなく、鬼だったのか。
對、我不是人、是鬼。

それなら、人間の親に捨てられても仕方がないな。
被拋棄也是天註定。

でも、たとえ鬼であっても、わしを産んでくれた親には恩がある」
就算我生為鬼、幫我生落來的父母還是對我有恩。

男の子は両親に最後の別れを言う為に、生まれた村へと帰って行きました。
小夥子也是往出生的地方走、跟娘老頭道最後的別。

村に着いた男の子は、人に見つからない様に夜になってから自分の家に入りました。
鬼進村了、到覓(沒)人耳目的晚上摸到了自己屋。

そして男の子は、家の中を見てびっくりです。
鬼這麼多年根本就不曉得屋裡發生了甚麼。

何と自分の父親が病気で寝込んでおり、もう死ぬ寸前だったのです。
老頭害病已經癱到鋪上了、離死就一天二天、不遠了。

男の子が近づくと、父親は目を見開いて言いました。
看到鬼走近、老頭開眼了。

「おお、わしは夢を見ているのか?
わしの息子が、戻って来た。
二十年ぶりの、息子だ。
夢啊、還是現實啊、自己二十年的兒回來了啊。

息子よ、山に捨てたりして、すまんかった。
兒啊、當初不該甩你啊

わしも妻も、お前を捨てた事を後悔してな。
不管是我、還是你媽、一直都到後悔。

妻はあれからすぐに、体をくずして死んでしまった。
你媽之後也是覓過幾天、人就不行了。

このわしも、お前を捨てた事を後悔する毎日だった。
我自己每天就都到煎熬。

・・・すまんかった。
・・・本当に、すまんかった。
・・・そして、わしが死ぬ前に、よう帰って来てくれた。
・・・ありがとう」
道歉啊道歉、到了最後竟然是感激、感激自己死之前兒還是願意回來、讓老頭看到最後一眼。

父親はそう言うと、満足そうに死んでいったのです。
老頭話港了、人也走了、笑的好滿足。

男の子は死んだ父親に手を合わせると、近所の人たちに父親の葬式を頼みました。
兒幫老頭行了個禱告、託村裡人幫忙老頭的白事。

そして立ち去ろうとする男の子に、近所の人たちが尋ねました。
鬼準備走了、人就問啊

「そうか、お前が、あの時の子どもだったのか。
それでお前、今はどこに住んでいるのだ?」
當時的那個人就是你啊
你現在人到哪裡啊?


「ああ。わしは、この頃は、京の都の東寺の、羅生門(らしょうもん)に住んどります。
京都、羅生門。

京の人たちは、わしを『羅生門(らしょうもん)の鬼』と言うて怖がっております」
哪裡的人喊我、羅生門大鬼。

「らっ、羅生門の鬼!?」
羅生門大鬼!?

みんなは羅生門の鬼と聞いて、震え上がりました。
聽到這條名頭、所有人都到抖。

羅生門の鬼と言えば、日本の鬼の大親分です。
羅生門大鬼、就是全國第一的鬼王

でも男の子は、気にした様子もなく深々と頭を下げて、
但是男的覓關心這些、他只是幫腦殼低過去。

「それでは、あとをよろしく頼みます」
港自己老頭的事麻煩你們了

と、再びどこかへ行ってしまいました。
這就不曉得又往哪裡去了。

おしまい
结束

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