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7月7日の百物語
(7月7日的日本鬼故事)
母親にばけたネコ

母親に化けたネコ
貓變媽

日本語 ・日本語&中国語

年を取り過ぎたネコは人間を噛み殺し、その人間に化ける事があると言われています。
年老的大貓化妖啃食人類、並將其取代、經常有被提及

むかしむかし、あるところに、すっかり年を取った母親と、その一人息子がいました。
到好久以前、一個地方、上了年紀的老母親和自己的兒。

とても親孝行な息子で、珍しい食べ物が手に入ると、自分は食べないで母親に食べさせました。
兒孝、有甚麼好東西都是先跟媽留到。

それほど大事にしている母親が、病気になってしまったのです。
悉心照料也敵不過病痛的突然到來。

心配した息子は少ない貯金をはたいて高い薬を飲ませたり、町から医者を呼んできたりと、それこそ夜も寝ないで母親の看病(かんびょう)をしました。
兒這就幫為數不多的積蓄、請名醫購靈藥、晚上覺也不困就守到老母親身邊。

そんな息子の想いが天に通じたのか、ある朝、母親の病気が突然治って、元通りの元気な体に戻ったのです。
估計也是孝心感天、一個早上媽的病是突然一好、可以下床了。

でも、息子が喜んだのもつかの間、病気が治った母親の性格がガラリと変わってしまい、少しでも気に入らない事があると狂った様に怒り出す様になったのです。
兒這才覓(沒)高興好久、媽的病情恢復之後、這性情是突然豹變、只要一點不順到自己意、就要來好大的脾氣。

そればかりか母親は、生き物を捕まえてきては水につけたり火にあぶったりと、残酷(ざんこく)な事をする様になりました。
不僅如此、還會捉來一些活物、用水淹火餤、透過這種方式來虐殺。

「おっかさん。なぜ、そんなひどい事をする」
兒也是不清楚自己媽怎麼變成這麼一個人了。

息子がいくら注意をしても、母親は怖い顔でにらむばかりです。
也是提醒自己媽不要這個樣子、一港他媽對惡起一副臉對自己一直認到的。

近所の人たちは怖がって、この母親に近づかなくなりました。
旁邊人也開始注意到了這人的異常、都開始保持距離了。

(はて、どうしたものか? おっかさんが変わってしまったのは、病気のせいだろうか?)
兒想不出其中緣由、只是想到自己媽是不是被甚麼怪病纏身了。

考え込んでいた息子は、ふと思いました。
甚麼都開始猜、突來一個念頭。

(もしかすると、あのおっかさんは本物ではなく、ネコが化けたものでは)
莫心(難不成)這不是我媽、是貓妖變化。

そう考えると、思い当たる事はたくさんあります。
這麼一想好多東西就可以得以解釋了。

母親が病気で寝込んでいた時、不気味なネコがいつも母親をじっと見つめていました。
媽害病的時候一直有條毛人的貓盯看到的。

それに以前は大好きだったイヌを、病気が治ってからはひどく怖がる様になりました。
之前媽最喜歡的狗、病好之後又是疏遠、懼怕。

そもそも、医者から助からないと言われていた病気が、どうして突然に治ったのか。
既然醫生都港了自己無力迴天、那這病豈不是就好的莫名。

(おっかさんは、あの時のネコに食い殺されたのでは?)
媽當時已經死了、被貓嗎?

そこで息子は、母親の様子を詳しく見る事にしました。
兒對的自己媽好甚到觀察起來了。

ある晩の事、母親が酒に酔いつぶて眠り込んでしまいました。
晚上、媽醉酒了、睡沈了。

(やはり、怪しい。おっかさんは、酒なんか一滴(いってき)も飲めなかったのに)
怪啊、媽平時都是滴酒不沾。

怪しんだ息子が、母親の部屋をのぞいて見るとどうでしょう。
兒起疑、就進到媽房間窺探。

母親の着物を着た一匹の古ネコが、行灯(あんどん)をつけたまま、いびきをかいて寝ているではありませんか。
一條老貓就幫媽衣服披到的、房間裡面點到燈、正到酣睡。

(あっ! やっぱりそうだったのか。この、よくもおらをだましたな!)
兒甚麼都曉得了、怒上心頭。

息子は刀を持って母親の部屋に飛び込むと、寝ている古ネコの胸へ刀を突き刺しました。
取刀進屋、對到老貓心口前就是一據(刺)

「ギャオオオーーーッ!!」
哇嗚哇嗚哇嗚!

古ネコは鋭い悲鳴をあげて、そのまま動かなくなりました。
貓嚎完、動不了了。

「よし、化けネコをやっつけたぞ! ・・・あっ!」
這案子也算是結了。

ところがよく見てみたら、そこにいたのは古ネコではなく、胸から血を流して死んだ母親だったのです。
但再看一眼、流血而死的是自己真正的媽、而不是老貓。

「し、しまった」
兒急了

いくらひどい母親でも、殺すなんてとんでもありません。
母慈子孝、即便是反過來、弒親仍為大逆、需定罪。

「どっ、どうしよう?」
一哈不曉得怎麼搞

息子は仕方なく、近所の人たちを呼んで訳を話しました。
只有先把附近的人都喊過來了。

「親を殺すとは、おら、もう世の中に顔向けが出来ない。
港自己無臉面再活。

役人に捕まる前に腹を切って死ぬから、後の事をよろしく頼みます」
這就準備自決了、到衙役趕來之前。

すると、近所の人たちの一人が言いました。
就有個人阻撓

「待て、早まってはいかん。
為時尚早。

ネコは一度人間に化けると、死んでもなかなか正体を現さないと言うぞ。
貓若是化人、死時也難現正體。

死ぬのはそれを確かめてからでも、遅くはないはずだ」
不必急到死、可以在等一哈確認。

「・・・わかった。朝まで待つとしよう」
好吧、那就再等到早上吧

そこで息子と近所の人たちは、母親の死骸(しがい)が古ネコの正体を現すのを待ちました。
兒和近鄰這就等媽屍體能否化現原型。

やがて東の空が白みはじめた頃、母親の死骸の顔が、だんだんとネコの顔に変わりはじめました。
天快要亮了、一點白光浮現、媽的臉也慢慢變成貓了。

「おう、ネコの顔になったぞ!」
看、是貓臉。

そして顔ばかりか、着物から出ている手足もネコの手足に変わりました。
非只是臉、手腳也產生變化了。

やはり古ネコが、母親に化けていたのです。
確實是貓妖變化。

「よかった。よかった」
這哈救命了啊

近所の人たちも息子もホッとして、思わず手を握りしめました。
不僅是兒、鄰居也替他松口氣、幫幾個手都捏緊到一起。

「それにしても、この化けネコをどうしてくれよう?!」
這就商量怎麼處理這貓。

死んだ古ネコは、大切な母親を殺した憎いかたきです。
貓有殺親之恨

八つ裂きにしても気がおさまりませんが、下手な事をすれば、どんなたたりをされるかわかりません。
但又怕處理不當、死後怨氣恐成禍端、

そこで古ネコの死骸を寺に運んで、手厚くほうむる事にしました。
移交廟裡、厚葬。

その後、息子と近所の人たちが母親が寝ていた部屋の床下を調べると、古ネコに食われた人間の骨がたくさん出てきました。
後面兒又和鄰居翻開了床底、人骨堆積甚多。

息子はその骨も寺へ持って行き、あらためて母親の弔い(ともらい→お葬式)をしたそうです。
兒又撿骨送到廟裡面、重新為媽悼喪。

おしまい
结束

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