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9月12日の百物語

おんぼろ寺のカニもんどう

おんぼろ寺のカニ問答(もんどう)

おりがみをつくろう ( おりがみくらぶ より)
蟹の折り紙かに@    蟹Aの折り紙かにA

 むかしむかし、ある村の外れに、和尚(おしょう)さんのいないオンボロの空き寺がありました。
 いつまでも空き寺では困るので、村人たちは、これまでにも何度か新しい和尚さんに来てもらいました。
 けれど、どの和尚さんも夜のうちに化け物に襲われて、次の朝には食い殺されてしまったのです。
 今までに、何人の和尚さんが化け物に食い殺されたことでしょう。
 やがて村人たちは新しい和尚さんを頼むのを、あきらめてしまいました。

 ある日の夕方、この村に旅のお坊さんがやって来て言いました。
「この辺りに、寺はないでしょうか? 泊めてもらおうと思っているのですが」
「はあ。この先の空き寺がありますが、化け物が出るとの話ですよ」
 村人はお坊さんにそう言いましたが、お坊さんは気にした様子も無く空き寺に向かいました。

 さて、お坊さんが空き寺に行ってみると、これがひどい荒れ寺です。
「まあ、夜つゆがしのげるだけでもありがたい」
 お坊さんは本堂に行くと、お経をあげはじめました。

 夜が更けても、お坊さんがお経を続けていると、風もないのにローソクの火がユラユラとゆれて、本堂の阿弥陀(あみだ)さまが恐ろしい顔になりました。
 阿弥陀さまは顔をまっ赤にして、大きな目の玉をグルグルと動かしながらお坊さんをにらみつけます。
「グフフフフッ、よく来たな」
 お坊さんは、お経を続けながら無視をしました。
(これが、この寺に住みついている化け物か。まあ、ほっておこう)
 するとどこからか、黒いはかまの小坊主が現れて言いました。
「こら坊主、お前と問答(もんどう)をしたい。答えられねば取って食うが、いいか?」
(やれやれ、仕方がない。相手をしてやるか)
 お坊さんはお経をやめると、小坊主に言いました。
「いいだろう。問答をしてやろう」
「では、行くぞ。大足二足(たいそくにそく)、両足八足(りょうそくはっそく)、二眼天眼通(にがんてんがんつう)にして、色紅(いろべに)とは、これいかに?」
「あははははは。これはたやすい問答だ。足の数ですぐにわかる。それは、カニだ!」
 お坊さんが言うと小坊主が、
「ギャアアーッ!」
と、叫び声をあげて消えました。
 見ると、怖い顔をしていた阿弥陀さまも、いつものおだやかな顔に戻っていました。

 次の朝、心配した村人たちが空き寺にやって来ると、お坊さんが寺の掃除をしていました。
「あんれ? お坊さま、化け物は出なかったかね?」
「いや、出ることは出たが、問答をといてどなりつけたら、どこかへ消えよった。今、掃除をしながら探しているところだ。すまんが、手伝ってくれんか?」
 そこでみんなが探し回ると、お寺のえんの下に大きなカニが死んでいました。
 その死んだカニの近くには、カニに食い殺された人間の骨が散らばっています。
「どういう理由でカニが住み着いたかは知らぬが、これでもう化け物は出ないだろう」
 お坊さんはカニの化け物に殺された人たちと、化け物ガニをねんごろにとむらってやると、村人たちにお願いされるまま、このお寺の和尚さんになったそうです。

おしまい

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