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9月30日の百物語
(9月30日的日本鬼故事)
谷ぞこのわらい声

谷底の笑い声
谷底笑聲

日本語 ・日本語&中国語

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 「櫻井園子」  櫻井園子エス代表 《櫻井園子キャンドルWEB販売》

むかしむかし、土佐の国(とさのくに→高知県)の山あいの村に、佐市(さいち)という猟師(りょうし)がいました。
到好久以前、土佐國(現高知縣)、一條山村裡面有條喊佐市的獵人。

佐市がいつも一人で山奥に猟(りょう)へ行くので、猟師仲間が佐市に言いました。
佐市就喜歡一個人上山、其他獵戶就提醒佐市。

「佐市や。この山には化け物が住んでいると、聞いた事があるだろう?あんまり山奥に行くと、化け物が出て来て食われてしまうぞ」
這山鬼你曉得吧?我們山裡面就有、要是走太裡面去、絕對噶卵(稀爛)

「はん。大物は、山奥にいるのだ。それに化け物など、怖くない。もしも出て来たら一発で仕留めてやるから、楽しみに待っているんだな」
我不走裡面去怎麼打大傢伙啦、我火槍佩身上的、鬼來又怎麼樣、也就是一槍的案子。

ある夏の事。
這就一年夏。

佐市がいつもの様に山奥へ行くと、風もないのに山の木々が激しくゆれ出しました。
佐市又是彀(摸)到深山裡面去了、又覓(沒)吹風、這林子裡面的樹就一直搖。

その激しいゆれは佐市の近くを通って、やがて深い谷底へ消えてしまいました。
震動往自己這邊靠過來、最後是消失到谷底。

「今のは、何だったんだ? つむじ風なら木の葉がたくさん空へ吹き上がるはずだが、まったく静かなものだった」
剛剛那是條甚麼?也覓看到他幫地上的葉子卷上去、按港(應該)不是颶風啊。

佐市は鉄砲を構えながら、木々のゆれが消えていった谷底へ向かいました。
佐市這就幫火槍架好、往震動消失的地方去了。

「もしかすると、見た事もない大物を仕留められるかもしれんぞ」
港不來(說不定)可以捉條大傢伙啦。

谷底に近づくと、底の方から笑い声の様な物が聞こえてきました。
越是靠近、谷底傳來的笑聲就越明顯。

それは一人の声ではなく、何十人もの男たちが笑っている様です。
而且不是一條笑聲、是好幾十條人一起笑時發出的笑聲。

「猟の仲間たちが、こんなところまでやって来るはずはないが」
其他人估計這地方都覓(沒)來過、我是第一個

佐市は足元に注意しながら、谷底へおりていきました。
佐市注意好踋底下、慢慢往底下去。

すると谷川の大岩に大きな物が腰をかけて、足をブラブラさせていました。
這是條溪谷、底下河上的大嵒頭上面、一條大傢伙坐到的、踋一搖一搖的。

それは人の背丈をはるかにこえる、大入道です。
那條身長不是人可以比的一條大妖。

その大入道には八つの頭があり、その八つの頭が話しをしながら笑っていたのです。
大妖還有八條腦殼、這八條腦殼到邊港邊笑。

何十人もの男たちが笑っている様に聞こえたのは、この大入道の八つの頭だったのです。
好幾十條人的聲音、現在確定了來源、就是這個八頭大妖。

さすがの佐市も、恐ろしさのあまりガタガタと震えてしまいました。
看到是這條傢伙、佐市人一哈癲人了、人骸到打
㥬(恐懼發抖)


するとその震えに気づいたのか、大入道の八つの顔が、いっせいに佐市の方を見つめたのです。
這人一起動靜、也是被大妖注意了、八個腦殼全部一哈對到佐市看。

「誰だ! そこに隠れておるのは!」
躲到的是那個!

佐市は答える代わりに鉄砲を構えると、夢中で引き金を引きました。
佐市聲都不作、直接火槍一發打過去。

しかし八つの顔はヒョイと首を伸ばして、鉄砲の玉をよけてしまいました。
這八個腦殼都各自己伸縮、幫子彈過躲了。

佐市は続けて鉄砲を撃ちましたが、何発撃っても当たりません。
佐市繼續開槍、覓得一槍中。

とうとう玉は、最後の一発です。
這就只最後一發了。

「これが最後の一発か。頼むぞ」
賭了。

佐市は鉄砲を構えると、八つ顔の大入道が岩の上に立ち上がりました。
佐市架槍、八頭八臉大妖站起來了。

その時、大入道の着物の間から、人のこぶしよりも大きなへそが見えました。
這就看到衣服縫縫裡面一條比人拳套還大的大肚臍。

佐市はへそに狙いをつけると、最後の一発を撃ち放ちました。
佐市最後一發瞄準肚臍去了。

「ウギャアーーーー!」
嚎叫

玉は見事に命中して、大入道はものすごい声をあげて谷川へ転げ落ちました。
這槍中了、大妖一聲叫喊、絆河裡面去了。

「やっ、やっつけたか?!」
死了?

佐市が谷川へ行ってみると、不思議な事に大入道の体が水に溶けていったのです。
佐市下到最底下去探、不可思議、大妖的屍體到水裡面像條棉花糖一樣的融了。

「いかん。このままでは、みんな溶けてしまう!」
稀爛、快點撿起來、等哈全不見完了!

佐市は猟師仲間に見せてやろうと、まだ溶けていない大入道の頭を一つ取り上げました。
佐市也是想為了跟其他人顯擺、快點幫還覓融化的一顆腦殼撿到。

けれども、その頭も帰る途中で溶けてしまい、残ったのは三十本ばかりの赤い髪の毛だけだったという事です。
但是這條救落來的腦殼也到回去的途中慢慢過溶丟了、就只幫三十幾根的紅色頭髮留了落來。

おしまい
结束

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