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1月16日の日本民話
(1月16日的日本民間故事)
水中に見る妻

水の中に見える妻  (健全普通話版)
水面上的妻影

日本語 ・日本語&中国語

♪音声配信(html5)
朗読者 : スタヂオせんむ

むかしむかし、日本に仕事で来ていたオランダ人が国へ帰る時、通訳の人たちが船まで見送りに来ました。
在很久很久以前、一位來自荷蘭商人因工作之故便來到了日本出差、即將返鄉時懂得荷蘭語的同僚也都過來送行。

そして長崎の港にいる船の中で、お別れのパーティーをする事にしたのです。
大家選擇了最後在長崎荷蘭人要離去的港口船倉中為人舉行了離別的酒會。

通訳仲間が船の中で酒を酌み交わしていると、すっかり上機嫌になったオランダ人が言いました。
一大群人就這樣在酒桌上手舞足蹈暢所欲言、這種氛圍就連讓即將離去的荷蘭人也很開心、說出了這樣的話。

「みなさん方のおかげで、無事に仕事をすます事が出来ました。感謝します。ありがとう。そのお礼に、何でもお望みの物を本国からお送りしましょう」
這麼長久的時間以來、我很感謝各位朋友們的各種協助、讓你我的工作都能夠得到順利的進展、我在這裡再次為表感謝、想有禮品要送給大家、大家有甚麼我能做到的需求都儘管說、回國後荷蘭的各種特產我都可以差人屆時送達。

通訳の人たちは喜んで、あれやこれやと色々な物を頼みました。
這話說的讓酒會中的其他同僚都很開心、這個這個那個那個、每個人都說出了自己心中的那個想要禮物。

でも、その中でただ一人、西田長十郎(にしだちょうじゅうろう)だけが黙っています。
而就是這時酒會中唯獨只有一人卻是默不作聲、他就是西田長十郎。

通訳はみんな長崎の人間でしたが、この西田という通訳は江戸からやって来たのです。
同僚的大家都為長崎的本地人、而唯有西田一人是從江戶前來、這也許就是原因也說不定。

長十郎が何も言わずに黙っているので、オランダ人が尋ねました。
看著長十郎不發一語沈默的樣子、荷蘭人發出了疑問。

「長十郎さん、あなたは、何をお望みですか?」
朋友、你是叫長十郎吧、難道你就甚麼都不想要嗎?

「はい。わたしには、別に欲しい物はありません。ただ」
感謝你的關懷、朋友、但我的確就是沒有甚麼特別想要的禮物、我只是單純在想自己的事。

「ただ?」
自己的事?

「実は、残してきた妻子の事が気がかりなのです。江戸からこの長崎へ来てから、はや六年。その間、妻子の顔を見ておりませぬ。妻子がいま、どの様に暮らしておりますやら。それを知りたいだけが、願いでございます」
跟你說了吧、其實是我的妻子、我將妻子獨自一人留在江戶的家中、而我現在已經是來到長崎的快要第六個年頭了、這麼長久的時間、至今我與她仍未見過一面、我很擔心、她現在到底是在過著何種生活呢、如今我現在心中急切盼望的只有此念。

するとオランダ人は、にっこり笑って言いました。
聽到了這話的荷蘭人微微一笑。

「妻子を思う気持ち、よく分かります。そしてその願いは、簡単に叶います」
朋友、你想念妻子的心情我其實也很瞭解、但是想要達成這個願望其實也很簡單、我可以為你做到。

「本当ですか?」
你說的是真的嗎?

「はい、すぐに、叶えてあげましょう。・・・ただし、決して口を聞いてはなりませんよ。よろしいですか」
沒錯、準確無誤、我現在就能讓你們倆馬上見面、但是你也要遵守與我的約定才行、那就是途中不要發出任何的聲音、你能夠做到嗎?

「はい、決して」
好的、那就都按照你說的辦、我絕對遵守。

長十郎が約束すると、オランダ人は倉庫から持って来たガラスの大きなはちに、水をなみなみと入れました。
長十郎一口答應完、這位荷蘭人便去到了自己的倉庫拿過來了一隻玻璃的大缸、而後又向著缸中注入了水份

そして、
隨即。

「さあ、妻子を思い浮かべながら、はちの中をじーっと見つめください。そうすれば、どんなに離れていても妻子の様子がわかります」
朋友、趁這時快回想一下你妻子的樣子吧、想象她的容貌時也請一直緊緊的盯住大缸之中、若是順利的話、無論多遠你也是都能夠與她見上一面呢。

と、いうのです。
荷蘭人這樣說道。

長十郎は言われた通り、水の中をじーっと見ていました。
長十郎按照荷蘭人所說照做、死死的一直盯著大缸之中的水面。

すると水中に、自分の家の近くの山や林がはっきりと見えて来たのです。
忽然、水面中清楚浮現出了自己家鄉附近的大山以及森林。

(これは、不思議な)
哇、竟然如此不可思議。

なおも見続けていると、いつの間にやら長十郎は、自分の家の門の前まで来ていました。
繼續觀察著水面的長十郎不多一會兒竟然已經來到自己家的大門口了。

門は修理中だったので、長十郎はそばの木に登って家をのぞいて見ました。
而因為大門正處於修繕中、所以導致了長十郎只能爬向自家附近的一顆大樹向著家中遠望。

すると女房がうつむいて、庭先で洗濯仕事をしています。
這一下子就把自己妻子正蹲坐在大院中洗著衣服的模樣給看見了。

(何とかして、こっちを向いてくれないものか)
難道沒有甚麼辦法可以吸引妻子的注意讓她轉頭看向這邊嗎?

じーっと待っていると、女房は洗濯の手を休めて、ひょいとこちらを見ました。
等待了許久的長十郎在妻子放下手中的衣物暫時休息一下時、妻子的臉終於是對著這邊望過來了。

長十郎と女房の、二人の目が合いました。
就這樣、夫妻之間交會了雙目。

(あっ・・・)
啊……

長十郎は思わず、何かを言おうとしました。
長十郎此時的內心有很多的話想要對妻子述說、不經意之間也許已經忘記了承諾。

(あっ・・・)
啊……

女房の方も、長十郎に言葉をかけようとしました。
同樣此時看向長十郎的妻子也與十郎的內心一樣。
有很多話想要與丈夫述說。


でもその途端、オランダ人がはちの水をかき回したので、それっきり何もかも消えてしまいました。
但就是這個當下、荷蘭人馬上用力攪動了大缸之中的水面、這樣一來、就甚麼都消失了。

長十郎は、がっかりして、
長十郎一下沮喪了起來。

「残念。もう少しで、妻と言葉を交わす事が出来たのに」
真是可惜、就差一點就連與妻子說上話都能辦到了。

と、言うと、オランダ人は、
而荷蘭人是這樣對著長十郎解釋到。

「すみません。でも、もしもここでお話しをなさると、お二人の命にかかわります。あなたが言葉をかけようとしたので、急いで消したのです」
實在很抱歉、打攪了您、但是這種情況下我出手阻止是千萬不行的、這可是關係到你們兩人的生命、看到您即將就要將話說出了口、所以我馬上就進行了強制的中止。

と、言いました。
荷蘭人對自己的行為進行了解釋。

それから数ヶ月後、ようやく長崎での仕事を終えた長十郎が江戸の家に帰って来て、あの時の事を女房に話すと、
但等到終於又是數月之後、在長崎的工作告一段落的長十郎今天也是回到了江戶的家中、首先便是與妻子說出了上次的事。

「まあ、そうでしたか。あの時、かきねの外にあなたがいらっしゃるのを見て、わたしも何か申し上げようと思いました。ところが、にわかに夕立ちが降り出して、お姿が見えなくなったのですよ。てっきり夢かと思っていましたが、本当だったのですね」
と、言ったそうです。
啊啊、原來是這樣啊、在那個時候、我當時在圍牆外看到你來、都激動的不知道要說甚麼、可就是一瞬、天上的烏雲密佈馬上下起了大雨、就這樣你的身影也從我面前立馬消失了、我當時還肯定以為這就是一個夢呢、沒有想到竟然真的是你。
妻子這樣對著長十郎說道

おしまい
结束

↓ ※オタク構文版 (翻訳者の改変意訳バージョンです) ↓

水の中に見える妻
巫術

むかしむかし、日本に仕事で来ていたオランダ人が国へ帰る時、通訳の人たちが船まで見送りに来ました。
到好久以前、過來了個來出差的外國荷蘭人、這就準備要返國的時候、一起作事的就都幫他送行。

そして長崎の港にいる船の中で、お別れのパーティーをする事にしたのです。
這就準備到最後要告別的船上一起吃餐好的。

通訳仲間が船の中で酒を酌み交わしていると、すっかり上機嫌になったオランダ人が言いました。
這就一群人扯到小酒、開始講東講西了。

「みなさん方のおかげで、無事に仕事をすます事が出来ました。感謝します。ありがとう。そのお礼に、何でもお望みの物を本国からお送りしましょう」
我這也要回去啦、多虧你們啦、這事總算是搞完了、你們有甚麼想要的吧、我回去之後到荷蘭幫你們寄過來。

通訳の人たちは喜んで、あれやこれやと色々な物を頼みました。
這就笑了個卵卯翻天、都講幫自己帶這個帶那個。

でも、その中でただ一人、西田長十郎(にしだちょうじゅうろう)だけが黙っています。
但是裡面有條人一直㫘作聲、西田長十郎。

通訳はみんな長崎の人間でしたが、この西田という通訳は江戸からやって来たのです。
所有人都是長崎本地人、就這個西田是從江戶過來的。

長十郎が何も言わずに黙っているので、オランダ人が尋ねました。
看他一直不講話荷蘭人就問。

「長十郎さん、あなたは、何をお望みですか?」
十郎你要幫忙帶點荷蘭的甚麼吧?

「はい。わたしには、別に欲しい物はありません。ただ」
也㫘甚麼特別想要、我到想其他的事。

「ただ?」
想甚麼?

「実は、残してきた妻子の事が気がかりなのです。江戸からこの長崎へ来てから、はや六年。その間、妻子の顔を見ておりませぬ。妻子がいま、どの様に暮らしておりますやら。それを知りたいだけが、願いでございます」
我自己屋裡堂客、這從江戶過來這裡已經差不多六年了、這都不曉得屋裡怎麼樣了、我現在就想曉得個音信。

するとオランダ人は、にっこり笑って言いました。
荷蘭人這就一笑。

「妻子を思う気持ち、よく分かります。そしてその願いは、簡単に叶います」
你是到想屋裡人是把、我有門路。

「本当ですか?」
這有甚麼門路?

「はい、すぐに、叶えてあげましょう。・・・ただし、決して口を聞いてはなりませんよ。よろしいですか」
你等我一哈馬上就好、記得到時莫作聲啦。

「はい、決して」
好。

長十郎が約束すると、オランダ人は倉庫から持って来たガラスの大きなはちに、水をなみなみと入れました。
這荷蘭人就從倉庫取來條大玻璃缸、往裡面注水。

そして、
交待了。

「さあ、妻子を思い浮かべながら、はちの中をじーっと見つめください。そうすれば、どんなに離れていても妻子の様子がわかります」
現在就想你堂客的樣子、一直對到水裡面望到、這就像打電話樣的、不管隔好遠都有用。

と、いうのです。
跟十郎講使用的方法。

長十郎は言われた通り、水の中をじーっと見ていました。
十郎就按交待的作。

すると水中に、自分の家の近くの山や林がはっきりと見えて来たのです。
這一哈水裡面就看到自己屋邊上的山還有林子了。

(これは、不思議な)
奇了。

なおも見続けていると、いつの間にやら長十郎は、自分の家の門の前まで来ていました。
這就繼續望到、十郎過就到自己屋門口了。

門は修理中だったので、長十郎はそばの木に登って家をのぞいて見ました。
門剛好爛了到修、十郎就爬上邊上的一顆樹看屋裡面。

すると女房がうつむいて、庭先で洗濯仕事をしています。
這就看到堂客腦鬠佝到、⻊屈(音ズゥオィ、足屈垂手而歇、跩之原意)到院子裡面洗衣服

(何とかして、こっちを向いてくれないものか)
十郎這就想讓堂客幫腦鬠轉過來。

じーっと待っていると、女房は洗濯の手を休めて、ひょいとこちらを見ました。
這就㫘好久、堂客洗完衣服一歇、腦鬠就這就哪裡看。

長十郎と女房の、二人の目が合いました。
二條人這就看對眼了。

(あっ・・・)
我、我、我。

長十郎は思わず、何かを言おうとしました。
十郎不經意的出了聲、想講話又發現講不出。

(あっ・・・)
女房の方も、長十郎に言葉をかけようとしました。
堂客那邊也是想對到十郎喊。

でもその途端、オランダ人がはちの水をかき回したので、それっきり何もかも消えてしまいました。
這就突然荷蘭人幫水面用手指頭快攪幾哈、這就甚麼都消失了。

長十郎は、がっかりして、
十郎有點不盡興。

「残念。もう少しで、妻と言葉を交わす事が出来たのに」
差點就可以講上話啦。

と、言うと、オランダ人は、
荷蘭人這就解釋。

「すみません。でも、もしもここでお話しをなさると、お二人の命にかかわります。あなたが言葉をかけようとしたので、急いで消したのです」
と、言いました。
這萬一真講上話那就稀爛了、我這也是㫘得辦法、就趕快幫水滑二哈。

それから数ヶ月後、ようやく長崎での仕事を終えた長十郎が江戸の家に帰って来て、あの時の事を女房に話すと、
這後面又是過了幾個月、十郎回江戶了、到屋就幫當時荷蘭人的事跟堂客講。

「まあ、そうでしたか。あの時、かきねの外にあなたがいらっしゃるのを見て、わたしも何か申し上げようと思いました。ところが、にわかに夕立ちが降り出して、お姿が見えなくなったのですよ。てっきり夢かと思っていましたが、本当だったのですね」
就聽堂客講自己當時還到圍牆外面看到你人了、想講話但是天一哈落顆顆雨了、這人就一哈不見啦、我還講是作夢。

と、言ったそうです。
這麼到講。

おしまい
结束

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