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3月26日の日本民話
(3月26日的日本民間故事)

沼女の手紙
幽潭女
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、あるところに、みぞう沼という沼があり、その沼の近くに孫四郎(そんしろう)というお百姓が住んでいました。
到好久以前、溝浦沼這溼地的邊上就有條喊孫四郎的農民住到的。
ある日、村人たちが大勢で、お伊勢参りへ出かける事になりました。
有天節慶、這村裡人就都去走神社。
孫四郎も誘われたのですが、家が貧乏だったので誘いを断ると、いつもの様にみぞう沼へ行って岸の草を刈っていました。
四郎也被邀了、但是自己屋裡窮㫘功夫搞這些其他的、就又跑到溼原去割自己的牛草。
すると突然、沼から美しい女の人が現れて、孫四郎にこう言ったのです。
突然這就幽潭裡面出來條乖女的、跟四郎這麼講。
「お前さんが、毎日そうやって岸の草を刈ってくれるので、本当にありがたく思っております。何か礼をしたい思うが、望みの物はありませんか?」
就講你每天來這裡幫我割雜草、自己表示感激、你有甚麼想要的東西吧、我可以幫你實現。
「はい、わたしはお伊勢参りがしたいのですが、お金がなくて、それが出来ません」
四郎就講自己也想跟其他人一起到神社玩去、但是自己窮。
孫四郎が言うと、女の人はにっこりして、
女就一笑。
「それは、たやすい事。
わたしが、お伊勢参りに行くお金をあげましょう。
這事太簡單了、錢就我出啦。
しかし、一つ頼みがあります。
但是先。
途中、富士山のふもとに青沼と言うのがあるから、そこへ寄って来てもらいたいのです。
富士山踋底下也有塊青沼地、你要先跑躺那裡。
その沼へ行って手を叩くと、沼から女が出てきます。
到地方了你就拍手板、裡面也住得有一個跟我一樣的。
それはわたしの妹ですから、妹に手紙を渡して下さい。
那就是我屋妹、我要你幫這個口信帶起她。
さあ、これはお伊勢参りのお金と手紙です」
這是東西、錢和信。
そう言って沼の女は、孫四郎にお金と手紙をくれました。
這就幫東西過起四郎手了。
孫四郎は大喜びで村に戻ると、お伊勢参りに参加して、みんなと一緒に旅立ちました。
四郎這就好高興、也過進入隊伍跟別個一起了。
さて、一行が富士山の近くに来た時、孫四郎はみんなと別れると教えられた青沼を探す事にしました。
到了半途、四郎不忘囑託出了隊伍、去邏潭女講的妹妹了。
途中で六部(ろくぶ→六十六ヶ所のお寺をまわる巡礼の人)に出会ったので、孫四郎が青沼の場所を尋ねてみると、六部が不思議そうに尋ねました。
半路就遇到個專家、哪裡有廟跑哪裡、四郎就問路這青沼怎麼走啊。
「青沼ですか? 知ってはいますが、なぜ青沼へ行くのですか? なにしろあそこは、怪しい物が住んでいるとのうわさですから」
別個就一驚、青沼?你去那裡是搞甚麼、雖講自己曉得、不過都講那裡有條吃人的傢伙。
「怪しい物? いや、そんなはずはありません。そこには親切な沼女の妹が住んでいるはずですから」
四郎㫘覺得沼女會吃人、反而還覺得親切。
孫四郎は沼女の事を話して、沼女にもらった手紙を六部に見せました。
這就幫事全盤拖出、又過別個看了紙信。
すると六部がその手紙を読んで、
專家就一讀。
「これは大変だ!」
這就稀爛!
と、言うのです。
講了。
「何が、大変なのですか?」
有甚麼講法啊?
字が読めない孫四朗が尋ねると、六部が手紙を読んでくれました。
四郎認不來字、就要專家幫自己讀。
《この男は、毎日わたしの沼の草を刈って、わたしの隠れる場所をなくしてしまう。
這尸囟日(U+21CAE)男的賤了個卵脬翻天、每天到我屋門口來割草、幫草皮搞了個稀巴卵爛、搞的我連躲的地方都㫘得了。
取って食おうと思うけれど、そうすると沼にわたしのいる事が人間たちにばれてしまう。
我又不想吃了他暴露我到這裡。
そこで、お前の所へ寄らせるから、代わりに食べておくれ。
我現在幫他送你屋去、你就幫忙我吃了。
みぞう沼の姉より》
我是你姐。
それを聞いた孫四郎がまっ青な顔で震えていると、六部がにっこり笑って言いました。
四郎一聽是這案子、冷汗直冒、專家就笑。
「心配ない。わたしが手紙を書き直してあげよう」
そして六部は、筆を取り出すと、
我幫你改下子、莫慌、這就取筆了。
《この男は、毎日わたしの沼の草を刈ってくれるので、何かお礼をしたい。
這男的每天到我屋門口幫我割草、我要報答別個。
そこで、お前の方でお礼の用意をしておくれ。
我就喊人去你那裡、你就幫我幫辦法想了。
金を生む馬をやってくれると、ありがたい。
みぞう沼の姉より》
幫他搞匹會下金子的馬、我是你姐。
と、手紙を書き直してくれました。
這就改了筆。
そして孫四郎はその手紙を持って青沼へ行き、パンパンパンと手を叩きました。
四郎就帶到信、走到水邊、幾下手板一拍。
すると美しい女が沼から現れたので、孫四郎は手紙を渡しました。
這就出來條好乖女的、四郎幫信一遞。
手紙を読んだ沼女は、しばらく不思議そうな顔をしていましたが、
女的就好奇怪。
「ふーん。あの姉が、人間にお礼をねえ。・・・まあいいわ、それでは沼の中へ来てください」
我姐還是這麼一條人啊、算了、進來吧。
と、言いました。
喊四郎下來。
「あの、沼の中へ来いと言っても・・・」
但是四郎怕。
孫四郎が困っていると、
「わたしにおぶさって、目をつぶりなさい」
と、沼女が言いました。
我背、你到我背上來、眼睛閉到、主人就交待了。
孫四郎が言われた通り、沼女におぶさって目を閉じると、間もなく、
四郎照辦。
「さあ、もう目を開けていいですよ」
と、沼女が言いました。
好、開眼。
孫四郎が目を開けてみると、そこはとても美しい家の中です。
眼一看、這就進屋了、裡面好豪華。
金びょうぶ、銀びょうぶがたってあって、床の間には美しい宝石が飾ってあります。
都是些金銀珠寶的傢具擺設。
孫四郎はしばらくの間、そこで泊まる事になりました。
四郎到這裡還被招待了一陣。
毎日毎日、大変なごちそうが出て、女中たちが琴やしゃみせんで孫四郎をもてなしてくれます。
屋裡的婢女好生服侍、宴席舞蹈都有。
あっという間に数日間が過ぎ、孫四郎は沼女に言いました。
這就幾日過了、四郎講。
「あの、そろそろ帰らせてもらいます」
自己想回去。
すると沼女は馬屋から一頭の馬を連れて来て、孫四郎に言いました。
主人這就一匹馬一牽、講。
「これは姉に良くしてくれたお礼の馬です。この馬は一日に一合の米をやれば、金を一粒産みます」
這是我姐要過起你的印鈔馬、你喂它吃米、他跟你過金。
そして沼女は孫四郎と馬を背負うと、再び沼の外へと送ってくれました。
主人這就左肩四郎右肩馬、送回到地上了。
孫四郎は沼女にお礼を言うと、馬にまたがって言いました。
四郎收了禮、倒了謝、跨上馬。
「さあ、とにかく、お伊勢参りに行かなくては」
那就走了啊、去神社玩。
すると馬が、ヒヒーン! と、いななくと、不思議な事に孫四郎と馬は、もう伊勢神宮へ来ていたのです。
這馬就一唏、就跟開飛機樣的、這過人已經不到沼地、到邊了。
「うひゃー、何て足の速い馬だろう」
這莫不是有一千馬力哦。
孫四郎はお伊勢参りをすませると、再び馬にまたがって、
四郎神社逛舒服了、這就又上馬。
「さあ、今度は村に帰らないと」
回屋!
と、言いました。
すると馬がヒヒーン! と、いなないて、孫四郎と馬はもう村の入り口に来ていたのです。
馬這就一唏、好傢伙到邊了。
それから孫四郎は、馬に毎日一合ずつの米をやりました。
四郎這就開始試這條馬的印鈔能力了、每天喂它吃點米。
すると沼女の言った様に、馬は一粒ずつの金を産み落としたのです。
這還就真的下金子了。
一粒といっても金ですから、大変な価値があります。
孫四郎はたちまち、村一番の長者になりました。
一顆小金子都是好多錢、四郎這就全村最富了。
さて、孫四郎には、なまけ者で欲張りな弟がいます。
四郎這就有條弟、又懶又貪。
その弟が、
「貧乏だった兄さんが長者になったのには、何かわけがあるに違いない」
看自己哥哥發財成這條樣子、蛇恨龍有足、這也就不舒服了。
と、考え、そっと孫四郎の家に忍び込むと中の様子を見張りました。
就通通摸哥哥屋裡頭聽風聲去了。
すると奥座敷に馬が一頭隠してあって、それが毎日一合の米を食べては、一粒の金を生んでいるとわかったのです。
印鈔馬的秘密這就被曉得了。
「なるほど、兄さんが長者になったのは、あの馬のおかげか。
怪不得、是這馬的案子啊。
しかし、毎日一合の米ではもったいない。
奤卵。
おれなら一升(いっしょう→一合の十倍)の米を食わせて、十粒の金を手に入れるのに」
是我就多喂馬點米吃、多吃多生都不曉得。
そこで弟は孫四郎が留守のすきに馬を盗み出すと、自分の家に連れて行って一升もの米を馬に無理矢理食べさせたのです。
弟弟看到哥哥出門、幫馬一謀、自己屋裡面一拴。
「さあ、食え食え、どんどん食って、金をどっさり産んでくれ」
來、跟爹幫這些米全吃了、跟我吐錢。
すると馬は、とても元気になって、
「ヒヒヒーン! ヒヒヒーン!」
這馬一下像吃了火藥、電充滿了。
瘋狂叫喊。
と、いななきながら家を飛び出して、陸中の国(りくちゅうのくに→岩手県と秋田県の国境)のある山の上へ飛んで行ってしまいました。
破門而出不見了、講是彪到陸中国哪條山頭上面去了。
今では駒ヶ岳(こまがたけ)と言われている山が、その馬が飛んで行った山だそうです。
就今天的駒岳、講就是因當初的這條馬而得名。
おしまい
结束
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