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6月13日の日本民話

山の三太郎

山の三太郎
長崎県の民話長崎県情報

♪音声配信(html5)
朗読者 : おはなしや

 むかしむかし、雲仙岳(うんぜんだけ)は、帯山(おびやま)と呼ばれる大きな火山でした。
 何度も大きな爆発をくり返して、そのたびにまっ赤に焼けた溶岩を吹き出すのです。
 おかげで山のふもとのあたりは、草も木もない荒れた土地が一面に広がっていたそうです。

 さて、その帯山の上に火戸が淵(ひどがふち)という湖のあって、そこにはおしゃべりなカッパが三匹住んでいました。
 一番大きいのが、『妙見太郎(みょうけんたろう)』
 二番目に大きいのが、『風見太郎(かざみたろう)』
 一番小さいのが、『国見太郎(くにみたろう)』
です。
 そして三匹合わせて、『山の三太郎』と呼ばれていました。

 この帯山には三太郎たちの他に、高来津久良(たかきつくら)という山の神さまもいました。
 神さまはカッパたちがあまりなまけ者なので、ある日とうとう腹を立てて言いました。
「いつまでも、遊んでおってはいかんぞ! まじめに仕事をして、早く人間にならんといかんぞ!」
 そして、妙見太郎には天見役(てんみやく)、風見太郎には風見役、国見太郎には国見役を言いつけました。
 そしてさらに、
「お前たちはしゃべりすぎるから、これからはいっさいしゃべってはならん」
と、命令したのです。

 次の日から三匹のカッパは神さまに言われた通り、しゃべるのをやめてまじめに働きました。
 妙見太郎は一日中空を見上げ、雨や雪の番をしました。
 風見太郎は一日中風の音を聞き、雲の見張りをしました。
 国見太郎は一日中地面を掘って、地震の番をしました。
 でもそのうちに仕事がつまらなくなって、三匹は神さまに隠れて遊びまわるようになったのです。
 これに、神さまが気づかないはずがありません。
「あれほど言って聞かせたのに、まだわからんのか!」
 神さまは怒って、地面を蹴りつけました。
 すると山がぐらぐらと動き出して、帯山のてっぺんから火が噴き出したのです。
 山はまっ赤に焼けて、火柱が天高く上がりました。
 こうして帯山は、何度も何度も噴火をくり返したのです。

 それからしばらくして噴火が終わって静かになった帯山に、今までなかった三つの山が出来ていました。
 これは神さまの怒りを受けて山になった、カッパの三太郎たちです。
 それ以来この三つの山は、『普賢岳(ふげんだけ)』『妙見岳(みょうけんだけ)』『国見岳(くにみだけ)』と呼ばれるようになり、今でも三つ仲良く並んでいるのです。

おしまい

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