福娘童話集 >ハロウィン・世界のこわ~い話 > ジャック・オー・ランタン
ハロウィンのお話し 第 1 話
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イラスト myi ブログ sorairoiro
ジャック・オー・ランタン Jack-o'-Lantern
アイルランドの昔話 → アイルランドの国情報
・日本語(Japanese) ・英語(English) ・日本語(Japanese)&英語(English)
アニメサイズ
Max 2880×2160 字幕「日本語」「英語」
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製作者 「ひろみ」
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投稿者 : 神栖星花研究所 「神栖星花研究所」
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投稿者 : ありさCafeAlisa💛Isekai Japanese Teacher Vtuber 日本語教師
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むかしむかし、人をだます事が得意なジャックという男がいました。
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ある日、地獄から悪魔がやって来てジャックに言いました。
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「おい、お前が人をだます事が得意なジャックだな。よしよし、お前の様な悪人の魂は高く売れるからおれさまが買ってやろう。いくらだ?」
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悪魔に魂を買うと言われてジャックはびっくりしましたが、
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(どうせ、おれは悪人だから死んだら地獄行きだ。それならこの悪魔を利用して、死ぬ前に遊びたおそう)
と、考え、悪魔にこう言いました。
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「おれの魂を買うと言うのなら、代金は銀貨だ。それも、使っても使っても財布からなくならない銀貨にしてくれ。そしたら10年後、おれの魂をあんたにやろう」
「よし、それでは10年間、おれがなくならない銀貨になってやろう」
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悪魔はそう言うと銀貨に変身して、ジャックの財布の中に飛び込みました。
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それからジャックは、使っても使っても数がへらない悪魔の銀貨を使って遊び回りました。
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そして10年後、悪魔の銀貨が財布から飛び出してきて、元の姿に戻りました。
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「どうだジャック、10年間を楽しんだか? さて、約束通りお前の魂をもらうよ」
「ああ、約束だから魂を持って行くがいい」
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「ただ、約束したのは10年前のお昼過ぎで、今はまだお昼前だ」
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「魂を取られる前に最後の食事をしたいから、あのリンゴの木になっているリンゴを取ってくれないか?」
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ジャックはそう言って、一本のリンゴの木を指さしました。
「そうか。それなら最後の食事を楽しむといい」
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悪魔はそう言うとリンゴの木に登って、低いところにあるリンゴの実を取ろうとしました。
するとジャックが、上を指さして言います。
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「それはまだ小さい。最後の食事だから、もっと大きいリンゴが欲しい」
「では、これか?」
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「いいや、それではまだ小さい。もっと上の、あの葉っぱの奥にあるリンゴだ」
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「よし、あの葉っぱの奥だな」
悪魔はさらにリンゴの木を登って、ジャックが指さしている葉っぱをめくってみました。
そして葉っぱの奥にある物を見てびっくりです。
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「うぎゃーーー! 十字架だー!」
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何と葉っぱの裏の枝に、十字架が彫ってあったのです。
実はこの十字架、昨日のうちにジャックが木に登って彫り刻んだ物でした。
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十字架を見た悪魔は恐怖で体が固まってしまい、その場から動く事が出来ません。
悪魔は、なさけない声でジャックに頼みました。
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「ジャッ、ジャックさん。どうか助けてください」
「ああ、助けてやってもいいが、おれの魂を取る事をあきらめるかい?」
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「はい、あきらめます。あきらめますから、早く助けてください」
「よし。だが、どうせおれは地獄行きだ。だから、死んでも地獄へ行かなくてもすむ様にしてくれないか?」
「えっ? それはちゃっと・・・」
「いやなのかい? いやなら助けてあげないよ」
「ひぇー! 分かりました。死んでも地獄へ行かなくてもすむようにします」
「口約束では駄目だ。ちゃんと契約書を書いてもらうよ」
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こうしてジャックは悪魔を助ける代りに、死んでも地獄へ行かなくてすむ契約書を手に入れたのでした。
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さて、それから何十年か過ぎて、とうとうジャックに寿命が来ました。
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死んだジャックに地獄からの使いが来ましたが、
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ジャックが悪魔との契約書を見せると、
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地獄からの使いはあきらめて帰っていきました。
「よしよし、これで地獄行きはまぬがれた。
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おれが行くのは天国さ」
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ジャックは天国へ行くと中に入ろうとしましたが、天国の門番がジャックを中に入れてくれません。
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「お前は多くの人をだました悪人だ。天国へ入れる事は出来ない」
「そっ、そんなー」
こうしてジャックは、カブをくりぬいた中に石炭を入れた明かりを持って、
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地獄と天国との道を今でも行ったり来たりしているそうです。
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このジャックの持っているカブの明かりが、ジャックのちょうちんという意味の「ジャック・オー・ランタン」と呼ばれ、今ではハロウィンの重要なアイテムとなっています。
また、アメリカではカブよりカボチャが一般的で、ちょうどハロウィンの時期にカボチャがたくさん取れるので、
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今ではカブではなくカボチャが一般的になりました。
おしまい
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