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1月16日の日本の昔話
竹から生まれた女の子
竹仔降个妹仔
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客家語 : 鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、あるところに、子どものいない、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
頭擺頭擺,有一隻所在戴一對無子無女个老阿公摎老阿婆。
「なあ、ばあさん。わしらにも子どもがあると、どんなにいいだろうね」
「噯!老阿婆,𠊎俚若係有個細人仔無知有幾好?」
「そうですね。でも、わたしもおじいさんも年ですから、もう無理ですね」
「係哦,毋過𠊎俚恁多歲咧,恁樣想會忒過分係無?」
「そうだな。寂しいことだ」
「係恁樣哪,盡孤栖喲。」
そんなある日の事、おじいさんが山へ竹を切りに行くと、何と竹の切り口から小さな女の子が飛び出して来たのです。
有一日老阿公去山頂斬竹仔,毋知做麽个會在剁斷个竹頭,忽然間走出一个細細个細妹仔來。
「おおっ、これは神さまが授けて下さったに違いない」
「唉哦!這係神明賜分𠊎个,無毋着!」
おじいさんは大喜びで女の子を家に連れて帰ると、それはそれは大切に育てました。
女の子はすくすく育って、やがてとてもきれいな娘になりました。
老阿公當歡喜渡等細妹仔轉屋下去,惜佢,撫養佢,無幾久,大咧,變著盡靚个細阿妹仔。
ある日、娘が言いました。
有一日少女講:
「おじいさん、おばあさん、わたしに機織り(はたおり)をさせて下さいな」
「阿公、阿婆,拜託你買一臺織布機分𠊎。」
「ああ、いいとも、いいとも」
「啊!又乜好!盡好!」
おじいさんはさっそく町へ行って、機織り道具を買いました。
老阿公遽遽去街路摎織布機買轉來。
そして娘は、機織り道具を自分の部屋に置いてもらうと、
少女摎該織布機安在自家房間肚後,
「お願いですから、どんな事があっても、機を織るところを見ないで下さいな」
と、頼みました。
並拜託老阿公摎老阿婆,講:「𠊎希望你二老,毋論發生麽个事情,做毋得來看𠊎織布。」
それから何日かして、娘は出来上がった布をおじいさんに渡して言いました。
經過無幾日仔,少女摎佢織好个布交分老阿公,交代講:
「これを、町で売って下さいな」
「這兜布仔,請你拿去街路賣好無?」
その布は、たちまち高いお金で売れました。
該兜布仔賣到盡好个價數。
おじいさんは布が出来るたびに町へ売りに行き、たくさんお金をもらって帰ってきました。
老阿伯見擺摎織好布个仔拿去街路賣,賺當多錢轉來。
おかげで貧しかった家も、みるみるお金持ちになりました。
打幫這布仔原旦恁窮苦,看等就發起來,變到當有錢了。
「それにしても、何て不思議な布だ。売った人に聞いたが、あの布で着物を作ると心まで温かくなるそうな」
「講係恁樣講,仰會恁奇妙个布仔哪!聽佢兜講用該布做个衫,著等,在心肝肚就會燒暖起來。」
「ほんにのう。いったい、どうやってあんな布が織れるのでしょうね」
「有影喔!到底仰般做正會織出該恁好个布仔來?!」
おじいさんとおばあさんが、そのわけを娘に尋ねても、
老阿公摎老阿婆問少女原因,
「はい、『おじいさんもおばあさんも幸せなれます様に』と、神さまにお祈りをして、一生懸命織るだけですわ」と、言うばかりです。
佢總係講:「噯!𠊎祈求神明:『希望老阿公摎老阿婆過幸福个日仔』,煞猛打拼來織布定定。」
でもある日、とうとう我慢出来なくなった二人は娘との約束を破って、こっそり娘の部屋を覗いたのです。
有一日,兩老實在忍毋核,毋顧摎少女个交代,偷偷走去少女个房間偷看。
すると、どうでしょう。
看了後,你知變到仰般形無?
部屋の中では小鳥が一羽、自分の柔らかい羽を抜いて、それを布に混ぜながら機を織っていたのです。
房間肚有一隻細鳥仔,摎自家幼幼个毛挷下來摻落綿紗肚織出布仔來。
小鳥はすっかりやせこけて、羽はすっかりボロボロです。
細鳥仔變著當瘦,歸身光光伸無幾多支仔毛。
「まさか、あの娘が小鳥だなんて」
「無想著該個少女原來係細鳥仔。」
二人は思わず、顔を見合わせました。
老阿公摎老阿婆你看𠊎、𠊎看你,
その途端、小鳥は、
「ピィー」と、悲しそうに鳴き、そのまま外へ飛び出して山の方へ飛んで行きました。
在佢兩儕相看仔个時節細鳥仔發出『嗶』聲,就恁樣非常个悲傷个叫等出,飛到山頂去。
「ああ、娘や。約束を破って悪かった。謝るから、帰って来ておくれ」
「啊,妹仔啊!係𠊎毋著無守約定,摎你會失禮,煞煞轉來!」
でも、小鳥は二度と帰っては来ませんでした。
無過,細鳥仔一去就無回頭。
こうしておじいさんとおばあさんは、また子どものいないさびしい毎日を送る様になりました。
從該量時開始,老阿公摎老阿婆還係摎頭過無子女个時節共樣,過當孤栖个日仔。
おしまい
煞咧
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