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1月27日の日本の昔話
カニの甲羅の毛
毛蟹殼个毛
・日本語 ・日本語&中国語 ・日本語&客家語
客家語 : 鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「ちょこもち」 ちょこもち
むかしむかし、サルとカニが餅を作る事になりました。
頭擺頭擺,猴仔摎毛蟹打粢粑个故事。
「カニどん、おらが餅をついてやるから、カニどんは餅米を持って来てくれ」
「毛蟹,𠊎愛打粢粑,所以請你拿糯米來。」
カニは家から餅米を持って来ると、サルに渡しました。
毛蟹在屋下拿糯米來交分猴仔。
「よしよし、ではカニどん。おらが餅をついてやるから、カニどんはこの餅米を蒸してくれ」
「盡好,盡好,該毛蟹,𠊎愛打粢粑,所以你愛摎糯米炊熟來。」
カニは言われた通りに、餅米を蒸しました。
毛蟹就照佢个話去炊糯米飯。
「よしよし、ではカニどん。おらが餅をついてやるから、餅をつく為のうすときねを持って来てくれ」
「盡好,盡好,該毛蟹,𠊎愛舂粢粑,所以你愛拿舂臼摎舂槌來。」
カニはうすときねを持っていなかったので、山へ行くと自慢のハサミで木を切り倒し、木を削ってうすときねを作りました。
毛蟹無拿舂臼摎舂槌來,顛倒行到山頂去用佢該盡沙鼻个毛蟹夾去斬樹仔,再過用該倒下來个樹仔去做舂臼摎舂槌。
カニからうすときねを受け取ったサルは、やれやれと言う様に首を横に振って言いました。
猴仔接到毛蟹送來个舂臼摎舂槌,盡毋滿意樣仔,拂拂頭,講:
「駄目駄目。うすは良いが、こんな曲がったきねじゃ、餅はつけんよ」
「做毋得!做毋得!舂臼還會做得仔,該彎彎鉤鉤个舂槌無辦法舂粢粑。」
カニは仕方なくまた山へ行って、きねにぴったりの木を探しました。
毛蟹無法度又倒轉去山頂尋適合做舂槌个樹仔。
さて、その間にサルは曲がったきねとうすで餅をつくと、その餅を持って柿の木に登ってしまいました。
猴仔利用這站時間,用該彎彎鉤鉤个舂槌來舂粢粑,拿等該兜粢粑蹶上柿仔樹頂去。
やがてカニはまっすぐのきねを作って来ましたが、すでにサルは木の上でつきたての餅を食べようとしています。
無幾久毛蟹拿等佢做好个筆直个舂槌轉來,猴仔準備食早先吊在樹頂个粢粑。
「やあ、カニどん。
残念だけど、餅は全部頂くよ。
欲しかったら、ここまで来てみなよ。
まあ、カニの足ではここまで登れないだろうけどね。
ウッキキキー」
「噯!毛蟹。
盡失禮噢,粢粑全部𠊎愛食,
你想食遽遽蹶上來。
𠊎看毛蟹个脚可能無法度蹶上這樹頂來,
ukikiki~。」
木の上から馬鹿にするサルに腹を立てたカニは、持っていたきねでサルが登った柿の木を思いっきり叩きました。ドーーーン!
毛蟹分該樹頂个猴仔欺負,非常个閼,就用舂槌打猴仔上个樹仔。do~n!
するとその振動でサルはバランスを崩して、食べようとしていた餅を落としてしまったのです。
猴仔因為樹仔搖動,企毋在,想愛食个粢粑嗄跌淨淨。
「しまった!」
「壞蹄了。」
サルが慌てて木から降りると、餅はカニが自分の家に持って帰った後でした。
等猴仔慌慌張張蹶下來時節,該粢粑早就分毛蟹拈轉去了。
サルは、カニの家の戸を叩くと言いました。
猴仔去毛蟹屋下抨門,講:
「悪かった、カニどん。謝るから、おらにも餅を分けてくれよ」
「・・・・・・」
「係𠊎毋著,毛蟹,摎你會失禮,粢粑分兜𠊎食。」
「......」
カニは餅をしっかりと掴んだまま、返事をしません。
毛蟹摎粢粑抓核核,無愛應佢。
「わかった。カニどんが前から欲しがっていた、毛を一本やろう。毛が生えていると、暖かいぞ」
「・・・・・・」
「𠊎知了,毛蟹你過去想愛个毛一支分你,生毛後較燒暖喔。」
「......」
「じゃあ、毛を二本でどうだ?」
「・・・・・・」
「無斯,毛二支分你,仰般?」
「......」
「じゃあ、毛を三本だ!」
「無斯,毛三支分你好啦。」
なんともせこい交渉ですが、意外にもカニは納得したらしく、サルから毛を三本もらうと餅を半分にして、片方をサルに分けてあげました。
真經係還難个交涉,想毋著毛蟹會接受,毛蟹拿到三支猴仔分佢个毛以後就摎粢粑分做二份,一份分猴仔。
その時からです。
サルの毛がむかしより三本少なくなって、代わりにカニの甲羅に毛が生えるようになったのは。
自該擺以後,
猴仔个毛比頭過少三支,毛蟹嗄生出毛來咧。
おしまい
煞咧
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